【あんスタ】ピーターパンと月永レオについて①

はじめまして、わたしと申します。

いきなりですが、あんさんぶるスターズシリーズの魅力の一つは、キャラクター設定の奥深さではないかと思っています。
つい、彼らの意味深な発言から考察したくなってしまいます。

今回は登場人物の中で、月永レオと彼のモチーフのひとつであるピーターパンについて、まとめてみたいと思います。
2016年2月スカウト「花鳥風月」において、レオのカードでピーターパンの格好をしており、そのイメージが強い方も多いのではないでしょうか。
(ただ、改めてベーシックで確認したところ「花鳥風月」のストーリーでピーターパンという言葉は出ていないようですが……。)

レオというキャラクターを考える上でピーターパンは切っても切り離せないとわたしは考えています。特に原作小説におけるピーターパンとは偶然とは言いにくい共通点が見られます。
そこで、おそらく先人たちが考察しつくしているとは思いつつも、備忘録として、大久保寛訳『ピーター・パンとウェンディ』(新潮文庫)とレオの言動を、考察のため一部引用し、比較していこうと思います。

レオが関わる既存(2022年1月時点)のストーリー(抜けている部分も多々ありますが……)と、『ピーター・パンとウェンディ』の内容に深く触れるため、未読の方はご注意ください。ただピーターパンの物語についてここでは詳しく説明しておりません。
また、誤字脱字が多々あると思われます。そのため絶対孫引きはしないほうがいいと思います…!!個人的に見返したいということもあり、ピーターパン原作の引用部分は新潮文庫版のページ数も表記しています。


■ピーターパンとレオの共通点


レオとピーターパン(原作)の共通点は、大きくは①大人になりたがらない、②記憶力に乏しい、③不遜な態度 が挙げられます。

共通点①大人になりたがらない
ピーターパンは最初、戯曲として生み出され、原題は「ピーター・パン:大人にならない少年」(大人になりたがらない少年、とも訳される)であり、また、ピーターパン症候群という言葉にもなっているように、ピーターパンはずっと子供のままの姿であり、大人になることを拒んでいます。

『ピーター・パンとウェンディ』p.56
「ぼくは大人になんかなりたくないんだ」と、熱をこめて言いました。「いつまでも子どもでいて、おもしろいことをしていたいんだ。だから、ケンジントン公園に逃げて、長いこと妖精たちと暮らしていたのさ」

そしてレオも過去編である「追憶」において、「大人になりたくない」と発言しています。また、周囲のキャラクターも過去のレオのことをたびたび子供と評しています。

追憶*モノクロのチェックメイト「人殺しの歌 第二話」
レオ「あ〜あ〜!嫌だ〜っ、大人になんかなりたくない!」

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踏み出す行き先ネクストドア「モノローグ①」(ズ!!から見て2年前のシーン)
レオ(でもさ。扉の奥の宝物なんか手に入れなくたって、みんな子供のころは幸せそうに生きてたじゃん。たぶん、おれと同じように)
追憶*モノクロのチェックメイト「人殺しの歌 第四話」
泉「ガキなんだよ、良いように利用されてるのが分かってない」
白昼夢 微睡みのユーサネイジア「朝まで帰さない 第五話」
泉「あいつがぶっ壊れちゃったのは、戦争を始めた天祥院とかのせいでもあるでしょ」「……強いからって子供に武器を持たせて戦わせてたら、おかしくなっちゃうのは当たり前」


夢ノ咲学院の三年生になってからは「大人になりたくない」という発言はないものの、自分が子供であることの自覚がうかがえるセリフがあります。また、相変わらずほかのキャラから子供扱いを受けています。

光輝★騎士たちのスターライトフェスティバル「Silent Knights 第四話」
レオ「仕方ないだろ、背ぇ伸びないんだからっ、あと子供の感性と大人の技術を持つものが真の芸術家だし!」
レオ「このままじゃだめだ、ちゃんとしようとは思ってるんだけど…」

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光輝★騎士たちのスターライトフェスティバル「Holy Knights 第四話」
宗「子供だね。そこが月永の数少ない美点ではあるけれど、普通に鬱陶しいのだよ」
噪音◇渦巻くホラーナイトハロウィン「NIGHTMARE 第一話」
司「(小声)……ばーかばーか。作曲中毒の変人、言動が三歳児」


ただ、どちらかと言えば後輩、主に司らに対して「赤ちゃん」や「子ども」と表現し、自分たちはそれを守るといった発言が多くなってします。

噪音◇渦巻くホラーナイトハロウィン「NIGHTMARE 第八話」
レオ「その吹けば飛ぶような薄っぺらい名前に価値を見いだして、誇りを抱いているアホもいる」「そして、おれはそんな夢見がちなガキが抱いた誇を、守ってやりたいっておもってる」

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噪音◇渦巻くホラーナイトハロウィン「HARLEQUIN 第六話」
レオ「いいよいいよ。若者はそのぐらいのほうがいい、おれが先輩の……大人の度量を見せるべきなんだよな」
踏み出す行き先ネクストドア「Closed Circle 第二話」
レオ「わかるんだけどなぁ、どうしても格好つけちゃって余裕のある大人のふりをしちゃうな」

特にズ!!のレオが自分をどうとらえているかと、その変遷は別途考えたいところ。
(子供ではなくなっていくという部分に関してはレオ、そしてKnightsに限った話ではなく、全ユニットに当てはまることでもありますよね。)

最後に短絡的ですが、レオの誕生日は5月5日、こどもの日です。


共通点②記憶力に乏しい
レオの大きな特徴として、忘れっぽいところがあります。よくあるパターンが作曲に没頭して予定などを忘れてしまっていたり、人の名前を忘れてしまったりしています。
これには自覚があり、「どうでもいいことは忘れる」といった趣旨の発言が見られます。
一部、覚えていながらも忘れているふりをしているように見えることもあるのですが真相は不明。ただ、卒業後も出来事を忘れてしまうことが事実としてあるようです。

スカウト!花鳥風月「第三話」
レオ「おれ、覚えなくてもいいことは基本忘れちゃうからな~?まったく覚えてない☆」

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噪音◇渦巻くホラーナイトハロウィン「NIGHTMARE 第七話」
レオ「安心してっ、おれはすぐに過去のこととか忘れるので自動的に守秘義務を順守するから!」
祭典*秀麗のフルール・ド・リス「第七話」
司「えっ、Leaderが私の話を?翌日には私の名前を忘れてしまう、あのLeaderが?」
レオ「さすがにそんな鳥頭じゃないぞ~ ……あれっ、おまえ誰だ!?」
司「Leader!」
レオ「大丈夫大丈夫、ちゃんと覚えてるから!え~っと、スオ~!うん、スオ~だ!」
メルティ♡甘くほどけるショコラフェス「第六話」
レオ「とにかく落ち着けってば。おれだって忘れたくて忘れてたわけじゃないんだし」
光輝★騎士たちのスターライトフェスティバル「Holy Knights 第四話」
レオ「おれも、大事なことは忘れないよ」


一方、実はピーターパンも起こった出来事をすぐに忘れてしまうというシーンが登場しています。

『ピーター・パンとウェンディ』p.80
「それに、もしあんなに何でもすぐ忘れてしまうなら」ウェンディは強い調子で言いました。「わたしたちのことだって、いつ忘れてしまうかわからないでしょ」

上記はネバーランドまでの道程で、時折ピーターパンは一人でどこかに行ってしまうのですが、戻ってきた時一緒にいたウェンディたち兄弟の名前を忘れてしまっていたことがあるというシーンです。
ピーターパンはこの後、自分がウェンディのことを忘れているようだったら「わたしはウェンディよ」と言ってほしいとお願いしています。
その部分を読んだとき、私は真っ先に「ジャッジメント」の司の名乗りを思い出しました。

『ピーター・パンとウェンディ』p.297
ウェンディは、ピーターとともに体験した数々の出来事を懐かしく話せると思ってわくわくしていたのですが、ピーターの頭には新しい冒険のことがぎっしり詰まっていて、古い冒険のことは忘れてしまっていました。
「フック船長って誰さ?」ウェンディがあの悪賢い敵のことを話した時、ピーターは興味深そうにききました。
「覚えていないの?」ウェンディは驚いてききました。「あなたはフック船長を殺して、わたしたちみんなの命を救ってくれたじゃない?」
「殺したら忘れてしまうのさ」ピーターは何でもないように答えました。
『ピーター・パンとウェンディ』p.167
初めて知った大人のずるさを忘れられる子どもはいないのです。ピーターを除いては一人も。ピーターはしばしばそんな目にあってきましたが、いつも忘れてしまいました。

忘れることは、ピーターパンが永遠の子供でいられるひとつの条件なのかもしれません。


共通点③不遜な態度

レオは自他ともに認める作曲の天才であり、初登場時からズ!!に至るまでかなりの頻度で「天才」というワードが登場します。

反逆!王の騎行「プロローグ②」
レオ「あぁ書ける、創作意欲がわいてくる!今なら名曲が書ける!オペラが!やっぱりおれは天才だなっ、わはははは☆」

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(蛇足ですが、過去英知の策略に落ちた際挫折を味わっているため、それが天才を自称する際のレオの感情については考える必要がありそうです。)

噪音◇渦巻くホラーナイトハロウィン「NIGHTMARE 第五話」
レオ「すっごい傑作をつくれば、おれたちが嫌いなやつらも感動して好きになってくれるって思ったんだけど!そうじゃなかった!おれには無理だった、おれは天才じゃなかった!」


また、彼は卒業するまではKnightsの王様として、偉ぶったり他のメンバーに命令したりすることがありました。(裏の意図は存在するかもしれませんが)

レクイエム*誓いの剣と返礼祭「プロローグ」
レオ「おれが白と言えば黒いものも白くなるっ、『王さま』の命令は絶対……☆」「……って、おれはもう『王さま』じゃなかった!ごめんごめん、無理して身につけた習慣はなかなか消えないなぁ♪」

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ピーターパンは、うぬぼれやとして描かれており、彼も自分のことを天才と言うシーンがあります。また、レオのように他者から明確に天才と言われているわけではありませんが、仲間の子供たちからは一目置かれています。

『ピーター・パンとウェンディ』p.53
「まったく、天才的だ!」
こんなことを認めるのは心苦しいのですが、このうぬぼれこそがピーターの最も魅力的な性質の一つなのでした。
『ピーター・パンとウェンディ』p.156
活き活きとして力がみなぎり、しかも、うぬぼれの絶頂にありました。「ぼくって天才じゃない?そうとも、天才さ!」
『ピーター・パンとウェンディ』p.117
「ごきげんよう、諸君」とピーターが叫ぶと、迷子たちは機械的に挨拶し、また黙り込んでしまいました。
ピーターは顔をしかめました。
「ぼくが帰ってきたんだぞ」ピーターは怒って言いました。「どうして歓声をあげないんだ?」

ピーターパンは、「迷子たち(ロスト・ボーイス)」と呼ばれる男の子たちのリーダーとして過ごしていました。そして彼らから一目置かれ「うぬぼれ」ているのですが、物語の最後ではウェンディ達兄弟と一緒に子供達もネバーランドから出ていってしまいました。

その他の共通点
・仲間を自分の子供のように扱うことがある。
 ピーターパンはネバーランドにおいて、次第にウェンディの夫のように、他の子供たちの父親のように振舞うようになっていきます。レオも、たびたびKnightsのメンバーを自分の子供のように思っていると話す時があります。

反逆!王の騎行「エピローグ④」
レオ「おまえら全員、おれの子供みたいなもんだからさ」

・動物との関係
 レオは動物に懐かれることを特技としていおり、動物と仲良くするシーンが複数あります。ピーターパンの格好をしていたスカウト「花鳥風月」のストーリーでは、鳥の鳴きまねをしています。

花鳥風月 第七話
「おれの特技は鳥の鳴き真似だからな」

ネバーランドにも動物たちが多く生息しており、ピーターパンと動物の交流も描かれています。鳥の鳴きまねの対比としては、ピーターパンも声真似を得意としており、フック船長と戦う時にフック船長の声真似をして敵をかく乱させる描写があります。
番外編?の『ピーター・パンの冒険』では、ピーターパンは半分が鳥で半分が人間の「どっちつかず」と言われています。


そのほか、猫の「リトルジョン」は『ロビン・フッド』の登場人物から来ていると思われますが、一応ウェンディの上の弟の名前もジョンです。
また、レオは弓道部でピーターパンにも弓の描写はあるのですが、おそらくこれも『ロビン・フッド』からだと思ったほうが自然でしょう。


■ピーターパンと月永レオの相違点

レオはピーターパンとの共通点が多くありますが、もちろんピーターパンそのままなのではなく、レオの一要素と考えるべきかと思います。
二者の相違点として、下記に主観でピックアップしました。

① 家族に対して
ピーターパンにはかつて普通の人間の家族がありましたが、随分前に家出をしており、家族の記憶はあまりなく、愛着もそれほどないことが伺えます。
(ただし、これまで仲間にいなかった女の子であるウェンディを母親もしくは妻として迎えます)

『ピーター・パンとウェンディ』p.51
「でもお母さんには手紙が来るんじゃない?」
「お母さんなんかいないさ」ピーターは答えました。ピーターには母親がいないばかりか、母親が欲しいと思ったことも全然ありませんでした。みんな母親というものをありがたがり過ぎだ、と考えているくらいでした。


一方、レオは両親が健在で最愛の妹も居り、家族関係で問題を抱えている話は出ていません。※

追憶*モノクロのチェックメイト「人殺しの歌 第二話」
レオ「ていうかお母さんの悪口を言うな~っ、おれの家族を貶めるやつは死なす!」

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踏み出す行き先ネクストドア「モノローグ①」
レオ(お父さんもお母さんも)(ルカたんもセナも、何度も心配して足を運んでくれたのに)
(中略)
(世界のぜんぶがキラキラ輝いてた、子供のころに戻りたい)(おれがTVのなかのアイドルをまねして歌えば、ルカたんが笑って、それを見て、お父さんもお母さんも笑って)(みんなみんな、笑って……。そんなふうに生きていけるって思ってたのに)

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※公式ノベライズの中の『Lionheart』で家族に対して若干不穏な表現があるのですが、これってどこかで回収されたのでしょうか……。


② 残虐性と周囲からの視線
ピーターパンは子供らしい残虐性を持ったキャラクターとして描かれています。物語の中で人間を何人も殺してケロッとしています。フック船長の片腕を落とし、サメに食べさせたのもピーターパンで、そのせいで船長からはかなり恨まれています。また、ネバーランドに連れてきたウェンディ達兄弟からは、その言動から恐れられてもいます。

『ピーター・パンとウェンディ』p.76 -p.77
三人は眠くなりましたが、これは眠そうなふりをしたわけではなく、間違いなく眠かったのです。それは危険なことでした。というのは、眠ったが最後、落ちてしまうからでした。ひどいことに、ピーターはこれをおもしろがっていたのです。「ほら、また落ちたぞ!」
『ピーター・パンとウェンディ』p.77
「ピーターにもっと気を使わなきゃだめよ」ウェンディはジョンにささやきました。“大将ごっこ”といって、なんでもリーダーのまねをしなくてはいけない遊びをしていた時のことです。

上のシーンでピーターパンは、自分がネバーランドに連れて行こうとしている子供たちが海に落ちそうになるところをおもしろそうに見ています。ガキ大将的な言動で、悪びれなく他の人の危険をおもしろがっています。


続いて、レオに子供的な残虐性がないとは言い切れません。デュエルやジャッジメントが特徴的なKnightsに所属、そのような対戦形式のライブを戦いに比喩し、楽しむ描写が見られます。

光輝★騎士たちのスターライトフェスティバル「Holy Knights 第一話」
レオ「だぁいじょうぶ、戦争は大の得意だっ♪」「全宇宙に、おれたちの恐ろしさを再認識させてやろう」

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メルティ♡甘くほどけるショコラフェス「第一話」
レオ「わははっ、任せとけ!戦争は大得意だからな、今回もかる~くいなしてやるよ!」

しかし、戦いを好むというのはアイドルに関する文脈でのことであり、普段のレオについて、そして本当のところ気性が荒いかと言われると難しいところです。そのため迷ったのですが、ピーターパンとの相違点とさせていただきました。

新参!目覚めの暗夜行路「桜河こはくの裏稼業 第一話」
こはく(誰かと喧嘩みたいなライブをするときは必ず、月永レオが矢面に立って侃々諤々とやりあっとる)(本人がそういう乱暴で好戦的なタイプなんか、『そういうポーズ』を取って非難を自分に向けてる――)(他の仲間を守ってるんかは、記録だけ見てても判別できひんけど)

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また、「追憶」では瀬名泉から「本来は馬鹿みたいに優しいやつ」だったとされています。

追憶*モノクロのチェックメイト「エピローグ①」
泉「あいつは俺の感情や言動に影響されて、悪意に染まっていった」
(中略)「俺が、純粋な赤ん坊みたいだったあいつの、魂を汚したんだ」「俺のために、あいつは善良さをかなぐり捨てた」


◇番外編◇あんスタにおけるもうひとり(?)のネヴァーランドの住人について


【感想とか長々続きます】
ピーターパンはネバーランドに住んでいますが、ネバーランドと聞いて、レオ以外の登場人物を真っ先に思い出す方のほうが多いのではないでしょうか。
2020年8月-9月、イベント「降臨!紡ぎ始めるネヴァーランド」があり、このイベントでの主人公(かはわからないですが、☆5カードだったのでそうさせていただきます)は斎宮宗でした。個人的に斎宮宗というキャラクターは、古い日本的な物語にルーツがあるイメージが強く(まだちゃんと自分で調べていないのでざっくりしていてすみません)、ピーターパン的にはノーマークでした。
ハピエレ様的にはレオよりもむしろ宗のほうがピーターパンなのか…確かに、二人は性格的にとても似ていて、共通点も多いです。本人たちはお互いを深く理解したうえで、憎まれ口をたたいていますね。

個人的には外見的にも子供的な要素が強いレオをピーターパンとして推したいのですが、「ネヴァーランド」イベントストーリーを読んで、明確にティンカーベル=マドモアゼルと定義してきたのと、みかの生い立ちが「迷子たち」と似ていることに気づかされました。(もしかするとみか=ウェンディの立ち位置なのかもしれませんが……)ネバーランドでピーターパンとともに生活していた「迷子たち」は、生後間もなく親と迷子になってしまった子供たちです。
「迷子たち」はピーターパンの物語の終盤、ウェンディとともに人間の世界の住人になる、というか人間に戻ります。イベントストーリーでは、宗と離れていたみかが一人の人間として、あるコンテストでValkyrieが優勝するために構成を考えるものの、思いつかないうえに日常生活がうまく送れないほど疲れ切っていた、という内容です。つまり、みか・迷子たちは宗・ピーターパンに従っていればうまくいっていた生活も環境ががらりと変わり、人間の世界でうまくやっていこうとしているがまだ慣れていない、という状況でしょうか。
イベントストーリーの宗のセリフが印象的でした。

降臨!紡ぎ始めるネヴァーランド「迷子たちは空を飛ぶ 第三話」
宗「愛すべき僕たちの舞台(ネヴァーランド)は、俗世の垢にまみれた理屈や事情とは無関係な次元に存在している」「今日も我らはそんな世界を、愉しく情熱的に――美しく舞うのだよ」


■さいごに


月永レオというキャラクターは、あんスタの中でもかなり分かりやすく考察材料を与えてくれるほうではないかと思います。その中でも私がとっつきやすかったピーターパンとレオについて整理してみました。

タイトルに①とつけたのは、今回は主にレオのセリフと「ピーターパン」の文章を並べただけなのですが、もっとレオの深いところまでピーターパンから考えたいなあという部分で②ができたらいいなという願望です。ただ、きっとネットの海には既にたくさん素敵な考察があるんだろうなとも思います。

宗の件もあり、実際のところレオがどれくらいピーターパンを意識されたキャラクターなのかは不明ですが、それでももしレオのファンの方でピーターパンの話を知らない(?)方がいたらこれを機に見てみるともっとレオのことを好きになってもらえるかもしれないと思いますし、レオのことが苦手と言う方が彼の言動が理解できることももしかしたらあるかもしれません。

個人的な備忘録としての性質が強く、そもそも元ネタが「花鳥風月」というすごく今更な内容で本当に恐縮ですが、何かの参考になれば嬉しいです。


<引用文献>
『ピーター・パンとウェンディ』(著:ジェームズ・M・バリー 訳:大久保寛/新潮文庫)


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