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ナイツ&マジック(アニメ版)視聴終了。

先日、スーパーロボット大戦シリーズの最新作である「スーパーロボット大戦30」のPVにて、なろう小説作品「ナイツ&マジック」が新規参戦することが発表されたので、まだ未履修だった本作を視聴しました。

一応、リアルタイムでも名前は聞いたことはあったのですが、「なろう産」だったことや、ネットでもあまり良い評判を聞かなかったこともあり、スルーしていました。

ですが、スパロボに出るとなると話は別。今回の参戦作品の中で唯一と言って良いほどミリしらな作品だったので、意を決して視聴することに。
近場のレンタル屋になかったので、3件ほど転々としながらようやく見つけられました。

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●良かった点

・メカアクションがド派手。
本作の中で一番良かった所はここです。マジェプリやファフナーでおなじみの「オレンジ」による迫力満点の3Dメカアクション。
大地を蹴り、剣と剣がぶつかり合い、時に大空を飛び回り、ビーム(魔法)が敵をなぎ払う…。
本作はとにかく「人型ロボット」へのリスペクトを前面に押し出した作りで、それ故にアクションシーンは非常に素晴らしい物となっていました。

・主人公「エル」の作画の安定感。
本作の主人公であるエルネスティ。
度々劇中で女の子と見間違われる事がある、所謂「男の娘」ですが、他キャラと比べて彼の作画だけは妙に気が遣われている印象を受けました。
特に髪や瞳のグラデーションは、他キャラより明らかにたくさんの色が使われており、こだわりがみられました。

・主題歌も悪くない。

OPは「テイルズオブゼスティリアクロス」などでも楽曲を提供しているfhánaによる明るい楽曲。特に後半からは、往年のロボットアニメをリスペクトした要素が追加されていったのが特徴的でした。
 ・OPの最中に効果音がついた。
  最初は中途半端な付き方だったけれど、後半からは違和感なくなった。
 ・Bメロとサビとの間に予告が入るようになった。

EDは色々なソシャゲでよく名前を聞く「大橋彩花」氏によるポップな楽曲。ロボットアニメというよりはアイドルアニメっぽい曲調ではあるが、作中ヒロインの声優が歌うのはなんか今風だなぁと。

△気になった点

・全編ダイジェストのストーリー
はっきり言って、アニメ版だけを見た限りだと、本作にはストーリー性やドラマを見いだすことは不可能なレベル。
明らかにナレーション部分が多すぎる。酷いときには、本作最大の売りである戦闘シーンですらナレーションで済ませてしまっていました。
「○年後、△△は、□□で××をして~…」といった感じで、起承転結で言う所の「起」「結」しかないようなシナリオ。
まぁ、1クールという短い話数と、原作との妥協点を思えば仕方ないことなのかも知れませんが…。

・いつの間にかポップしている新キャラクター
前述のダイジェストの影響か、印象的な登場シーンを挟まずに、いつの間にか新キャラが生えている事が多い。その上できちんと活躍シーンがあるものだから、「…えーと、活躍してるのは分かるけど…アンタ誰?」となることが何度かありました。

・固有名詞・横文字ネームが多すぎて覚えられない
ロボットアニメだから仕方ないのもあるが、とにかく劇中用語が多い。
ダイジェストが災いしてか、劇中キャラがやたら説明口調で話しまくります。
特に序盤はこれが多い関係か、次から次へと新しい用語説明が繰り出されるためまぁ覚えられませんでした。
そして本作、短い話数の割にやたらキャラクターが出てくるものだから、ちょいちょいフルネームを呼ぶシーンがあるのですが、こちらについてもまぁ覚えきれませんよね。せめて初登場シーンくらいは、下に字幕で名前出してあげても良かったのでは?と。子ども向けアニメっぽくてアレだなとは思いますが…。
※ちなみに自分、最終回まで見てもメインキャラの名前は殆ど覚えられず、後ほどWikipediaで調べようとしてもなかなか顔と名前が一致しませんでした。声優さんが豪華だったのが救い。

・都合よすぎる転生設定
主人公であるエル君の記憶引き継ぎが、主人公にとって都合の良い内容だけ引き継いでいる感じがあったのが気になりました。また、転生前の描写もそこまで多くないため、プログラム技術のどういう所が秀でていて、それがどうロボット製作や操縦に結びついたのかがイマイチわかりにくかったです。

…もっとも、これは自分が所謂「なろう系異世界転生もの」に疎いが為に生じた疑問な気もしていますが。
この手の作品に慣れている人だったら、「そんなこと考えなくてよくね?」になるのかなぁと思っていたり。

・格差激しい人物作画
最後に、長所にも出したはずの作画面でも一言。
メカ作画は素晴らしく、主人公のビジュアルにも気を遣っていることがよく分かる本作ですが、逆を言えば「それ以外のキャラクターの作画が微妙」なのです。
OPひとつ取ってみても、主人公だけは綺麗な配色で描かれているのに対し、他のキャラは軒並み00年代深夜アニメレベルの、何というかのっぺりした感じの塗りで描かれているのです。そんな所まで格差つけなくても…。

中にはデザインが似通っているせいで見分けがつかないキャラも。自分は序盤に出てくるヒロインの異母姉妹と、終盤に出てくる亡国の姫君とが区別つきませんでした。


■総評

メカアクションは一級品。ロボットアニメに対する想いも伺える。
しかしストーリーが駆け足どころか、所々キングクリムゾンしてしまっているため、真面目に物語やドラマを追っかけようとすると肩すかしを食らう、そんな感じの作品。

かっこいいメカアクションを何も考えずに見たい人向けの作品かな、という感想でした。


ただ、本作を履修したことで、よりいっそうスパロボ30が楽しみになりました。本作のどの辺りを再現・踏襲してくれるのかが楽しみです。
個人的には主題歌のBGMアレンジにも期待したいです。

それでは、今回はこの辺で。
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。

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