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DTM本レビュー番外編 雑誌「Movilist 2015 WINTER号」レビュー

こんにちは、summertime loopsです。毎週金曜日にDTM本をレビューしているこのコーナーですが、今回は、番外編ということで、今年の冬新しく刊行された雑誌「Movilist」のレビューをしてみたいと思います。


さて、いきなりDTMとどう関係があるの?とお思いの方も多いと思いますが、それがあるんです!

この本は、様々なムーヴィリスト(=移動主義者、旅の達人)の哲学やライフスタイルを、主にインタビュー形式で紹介しています。

ノマドライフに関して多くの著書がある本田直之さんや、音楽プロデューサーの四角大輔さんの記事もとても面白いのですが、この本のハイライトはやはり、表紙を飾っているシンガーソングライター佐野元春と同行したニューヨーク訪問記、および彼のインタビュー記事でしょう。

例えば作品のコンセプトについて、彼はこう述べています。

僕、ときどき言われるんだ。「コンセプトが先にあるんですか?」「テーマが先にあるんでしょ?」って。
一切そんなことはない。これはね、広告表現であり、エディトリアルの表現なんだ。
(中略)
いろいろな経験をし、いろんな経験をし、色々なスキルを身につけ、その中でイメージや音楽が紡ぎ出されていった。
それを全部並べたときに、必ず通底する情感やテーマめいたものがそこに立ち上がってくるから、それをコンセプトと呼ぼう、と。

これ、個人的にすごく共感できて、こういうものを作ろう、とか、良いものを作ろう、として出来たものって、意外と人の心に響かないんですよね。逆に自分の内なるところから湧き出たもの、言葉、音楽は遠くまで広がる気がしています。

他にも、自分自身がぶれないことの大切さや、職人的なものとアーティスト的なもの両者のバランス感覚など、クリエイターにとっても示唆に富んだインタビュー内容となっています。

あと、個人的にビビビっときたのは、近浦啓さんのポートレートかな。モノクロ写真は力がありますね。

Movilist、オススメです。


文責:summertime loops
最終更新:2015年2月6日20:41

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