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オリガミキングでのボム平くんの立ち位置

*この記事はペーパーマリオオリガミキングのネタバレががっつりあります。*
*問題のない方のみどうぞ*





マリオストーリー、ペーパーマリオRPGのモンペ懐古厨である自分が実に12年ぶりにプレイしたのが今作、オリガミキングです。
(スペマリ、カラースプラッシュは動画視聴済)

今作の購入の決め手はやはり『仲間』の存在でした。
宣伝動画の時点で、RPG要素や一緒に戦うという要素がないのは察していましたが、後ろからついてくるという点で非常に懐かしく思いました。

ペパマリのシール以降の路線変更については色々世間の批判はありますが、ペーパーマリオRPGがかなりの傑作である以上、同じ路線で作っても焼き増し感が出てしまうというのは納得できるし、いつまでも思い出に縛られているのも格好が悪いので、素直に新しいペーパーマリオを楽しみにしてしておりました。

というわけで4日ほどかけてクリアしました。
結論から言うとゲーム自体はとても面白く、楽しめました。
賛否両論の雑魚戦闘も、自分は結構パズルが好きなので、わかんねーと言いながらも楽しくできました。特にボス戦はめちゃくちゃ楽しかったですね。

と言う感想は置いておいて、少し時間が経ってから思い返したところ、オリガミキングの世界観はかなり異質だったなぁと切実に感じたので書いておくことにしました。

**********ここから本題**********






さて、今作の一番の山場はやはりボム平くんの自爆でしょう。
さらっとオリガミキング面白かったよ〜と言っていますが、自分も相当『ボム平ロス』に陥りまして、年甲斐もなくマリオのゲームでしばらく号泣しました。
Twitterで検索すると、ほとんどのプレイヤーがロスに陥っていることが伺えました。

ここで過去作プレーヤーのみんなが思うのが、
ピンキーやバレルやサイハテ村のボム兵は戻ってきてたじゃん!!!!
ってことです。
そうです、過去の仲間はみんな爆発後にヒラヒラ上から降って戻ってきてたんですよ!!

今回だって、今までの世界観なら
「なに泣いてんですか?死ぬわけないじゃないっすか〜」
って、マリオとオリビアが泣いてるところにボム平はヒラヒラと帰ってきて、オリビアが「もうっ!驚かせないでください!」って言って、何事もなかったように旅続行になってるはずなんです。

でも違うんです。今作は違うんです。
霊体になって助言した上で、その霊体も消えて、本当に跡形もなくなってしまうんです!
かろうじて死後にベンチでオリビアが思い出を語ったり、写真にお情けで写り込むくらいで、まじで、最後まで、EDにも一切出てこない!!
あんまりすぎる。救いはないのか。。。。


さて、これはなんでなのかなと考えました。
納得できない。悲しすぎる。2日ほどボム平ロスの中で考えた結果、ボム平くんは登場時『仲間』と言うポジションではなかったから、と言う結論を出しました。

過去作、ピンキーやバレル、サイハテ村のボム兵たちは登場人物というポジションを与えられたキャラクターでした。
今作でも、クッパやクッパJr.、カメック、考古学者のキノピオ、キャプテン・ピオはみんなちゃんとした『登場人物』でした。

ここでいう登場人物というのは、欠けたら致命的にストーリー進行に支障が出るキャラクターのこととします。

しかし、ボム平くんは違いました。
たまたま出会い、たまたまついてきただけで、彼がいなくても、あの時点までストーリーに大きな支障はありませんでした。
あのロープウェイで出会わなくても2人はモミジ山に行けますし、水ガミ神殿に至ってはボム平くんは付いてこなかったのです。
青紙テープクリアまで、完全にいなくても困らない存在でした。
むしろ落ちたり転がったり迷子になったりと迷惑ですらありました。(涙を拭う
(神殿入口だけ少し活躍しましたが、他のイベントでも十分代用可能な程度でした)

考古学者キノピオは穴を掘り、キノピチュ遺跡に同行し、ラジカセを持って歩いてくれます。
カメックやクッパJr.がいなかったらクッパ城へは入れませんでしたし、クッパがいなかったらピーチ城には行けませんでした。
彼らは皆、一緒にいないとストーリー進行に支障が出る『登場人物』であったわけです。
その点で、ボム平くんは今作の『仲間』の中でも異質でした。

水ガミ神殿についてこなかった時は「なんでや、仲間ならついてこいや」と思いましたが、あの時点では、彼は本来の意味での『仲間』ではなかったと考えると納得ができます。
ついさっき出会った人の為に、危険な神殿に同行する理由も義理もないんです。

水ガミ神殿に同行しなかった時点で、彼の今作の立ち位置というのを理解すべきでした。
彼は『仲間』ではなく『たまたまついてきたモブ』として登場したのです。
だから、極力活躍してはいけなかったのです。
戦闘においてほとんど役に立たなかったのも、他の仲間キャラとの明確な対比となっています。

過去作でいうと、クリオやクリスチーヌは仲間ですが、道すがら踏んづけて倒すクリボーはモブです。カメキやノコタロウ、ノコブロスは登場人物ですが、やはり道中に倒すノコノコやパタパタはモブです。

今作でも、最初にオリガミにされた田舎から出てきたクリボーはモブでした。
モブなので、チュートリアルに使われてあっさりと死んでしまいました。
彼がもし道中に現れたら、オリビアはクリ坊さんと呼んだんだろうと思います。

ボム平くんは、執拗に「ボムへい」として記述されます。
プレーヤーは皆わかっています。
『ボム平』はオリビアが勝手に呼んでいるだけで、本来は『ボム兵』であることを。
本当は名前のないモブのボム兵であることを。

今作にもある、ネームドキャラを出せない制約がここに大きく効いています。

モブのボムへいは死にます。
それは今までのペーパーマリオでもそうです。
ノコブロスの砦にいた敵のモブボム兵はあっさりと散ってコインになりました。

ボム平くんは、立ち位置としてそんなモブと同じであっただけです。


・・・・あの瞬間までは
あの自爆の瞬間をもって、彼はストーリー進行に欠かせない『仲間』に『登場人物』になったのです。



『仲間』になるのが一足遅かった。
もし、イガグリ谷に爆破しなければ通れないイガがあったら。
もし、水ガミ神殿に「ひび割れ」があったら。
爆発してもヒラヒラ戻ってくる、『仲間のボムへい』になれていたのかもしれません。


悲しすぎる。
もはやアンダーテイル。。。なぜ、なぜマリオでこんなことを。。。。

この理論でいくと、最後のボムへいシューティングのボム兵もみんな死んだことになります。
ちょっと悪趣味と言ったら悪趣味ですが、これが今回の世界観なのでしょう。

オリガミキングは全体的に、死に対してシビアです。
今までのシリーズの中でも、特に即死イベントが多いです。
ボス戦やミニゲームは仕方ないにしても、ムーチョの4択クイズやジャングルでの道選び、ヘイホークイズでのスペシャルクイズでも簡単に即死します。

オリガミにされたらもう絶対戻れないというのも、かなり異質な設定だと思います。(解いたら戻るんじゃないの!?
道中のオリガミ兵も、皆もとはペラペラの設定です。
あの子達も結局死んでいるということになります。

ピーチ姫も、オリビアが願わなかったらあのままオリガミステンドグラスだったんでしょう。

世界観、シビアすぎない?
でもこの世界観だからこそ、ボム平の死も納得のいくものに仕上がっていると思います。

マリオストーリーなら、EDの絵でフォローを入れてきそうなところですが、今作はオリビアも含めて一切遠慮がない切ないEDでした。
絵本のような世界だけども、ハッピーエンドだけではない、新しいペーパーマリオでした。

そんなオリガミキングの世界を文字通り体を張って体現してくれたボム平くん、大好きです!






・・・・・以上、自分の勝手な妄想と考察です。
でもオタク、こういうの好きやから。。。。好きやろ?
ではまた〜。






*追記*

このように考察してらっしゃる方もいました。
とてもいいです。オタクは考察が好き。考察は自由。
みんなでボム平くんへのクソデカ感情を吐き出そう。
もっとみんなのボム平くんを聞きたい。


旅の費用にさせていただきます!