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福田村事件

KBCシネマでおかんと鑑賞。
福田村事件自体はもちろん無知。
ある程度良い評判を聞いてからの鑑賞だったが、私の評価としては3.8。
惜しいが、素晴らしい。
題材として葬られてしまった事実を扱ったということはとても素晴らしいことだし、反日・左翼のような思想がほぼなく、事実を事実として題材にしていることが素晴らしいと思った。
惜しいと思ったのは、もう少しシンプルで良かったのではと思うところがあったから。
まず、群像劇で何組かの背景が序盤1時間ほどあるのだが、見終わって思ったのが数が多いなと。もっと絞って良かった気がする。これはちょっと欲張ってしまったのかな。しかし、劇映画をこれからたくさん作っていってくれると思う森監督がもう少し経験を積めば良くなるだろう。
また、集団心理がキーワードになる映画だと言われているのだが、私的には少しその描写が弱い。登場人物の描き方としてコントラストが弱かったのがその原因だとは思うのだが、もう少し薬売り一団がエタと蔑まれてきた過去のエピソードや村人が鮮人のことを恐れて妄想を膨らましていく描写があったほうがわかりやすくていいかなと思う。こういった意味で惜しいと思った。
でもこれは森監督がシンプルに劇映画の経験を積んでいけば修正できることだと思うので、ベースとなるセンスは問題ないし、むしろ挑戦的な人が日本映画界に出てきて話題になってくれるのはとても期待できること。ぜひ森監督にはいろんなテーマを独自のセンスで選出して劇映画を撮ってほしい。
ひよったままの日本映画界の監督たちに喝を入れてくれたのは確かだと思う。ぜひ他制作人は見習ってほしいなと思う。

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