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深海



時々
深い深い海に潜るように
深海へと落ちてゆく

冷たく光も届かない場所には
あの時キラキラした日々の中で
気づかずに落とした大切だったものが
輝きを失ってそこにあったり
または色褪せずに私が拾い上げる
その瞬間を待ち続けるものもあったり

深く深く潜っていく

深く深く落ちていく


そこでしか見えない、
気づけない事がある


もう無理かもしれない
もう疲れてしまった

そうなった時にしか
感じられないことや
得ることが出来ないものもある


むしろそういう時にこそ
真実や大切にしたいことに
とてもとてもシンプルに
気づけるのかもしれない。


深い海の底には
タカラモノが落ちている


次は離さないからねと
大事に抱きしめて

上の方を見上げてみる


大事なものを落とさぬよう
ゆっくりと光の方へと
浮き上がっていく...

水面は変わらずキラキラと
太陽の光を受けて輝き
眩しいほどに美しい


静けさの中で見る光は
より一層温かかった


脈打つ心臓の音
巡り巡る血液と
私を守る体温...

光の中にいる時には気づけないことが
沢山あるのかもしれない

だから時々
深く海の底に潜ってみようとおもう



真っ暗の中で感覚を研ぎ澄まし
確かな光をまた見つけよう

あなたの温もりを確かめよう

心が1番大事なものを照らし出す




壮大なこの世界のちっぽけな
ひとりの人間の物語り



この透き通っていくような
境界線が世界と溶けて
水になっていくような感覚を

忘れないように。

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