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初夢:お迎え

夜の帳が下り、街の明りが灯り始めたころ、私は何かの用事を終えて、道の片隅で座り込んでいた。
私の周りには、同じく座り込んで誰かを待っている人が何人かいたが、一人、また一人と誰かが迎えに来ていなくなっていった。

私一人になった時、私を迎えにきた女の子がいた。
その女の子は友達以上、恋人未満?
でも、何かが違う。

「遅くなったね、さあ、帰ろう」

女の子は笑顔で、座り込んでいる私の目の前に手を差し伸べた。

(私にも特別が人がいたんだ)

暖かい空気、透き通るような感じの幸福の中で、私が女の子の手を取って立ち上がった。
しかし、その瞬間、夜の空にものすごい音がとどろき、街の明りは一瞬で消え、目の前は闇に包まれた。

閉じていた目をそっと開けると、いつも見慣れた部屋の天井がそのにはあった。

「夢か」

何?、今の音は?
聞き覚えのある音・・・
・・・スマホの通知音だ

誰?
夢に出てきた女の子は。

過去に出会った人の記憶をだどってみる。
一人いた。
けど、ちょっと雰囲気が違うし顔も違う。
誰だったんだ?

ただ、
夢の中で、私は男だった。



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