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筆なんていらない!

『筆なんていらない!』
二人用声劇台本(男:女:不問=0:0:2)
声劇台本置き場…https://taltal3014.lsv.jp/app/public/script/detail/1895

《登場人物》
・先生(せんせい)…物書き。
・加藤(かとう)…担当さん。


《本編》

先生 「 あぁぁぁぁぁぁ!!!書けない!…え、もう朝?!どうしよう…。わぁぁぁぁー!」

加藤 「おはようございます。先生、原稿の進捗どうですか?」

先生 「わぁー!!!加藤さん!助けてください!!!」

加藤 「えっ?先生?!どうしたんですか、落ち着いてください。」

先生 「全然書けないんです…。」

加藤 「たまにはそんな時もありますよー!少し休憩しましょ!」

先生 「休憩なんてしている場合ではないんですよー!」

加藤 「!!?びっくりした!そんなに大きな声出さなくても…。」

先生 「ただ書けないんじゃない…1 文字も!浮かばないんだよー!!!!」

加藤 「え?珍しいですね…。スケジュール詰め込み過ぎましたかね?」

先生 「 それは大丈夫。加藤さんが調整してくれてたおかげでちゃんとご飯も睡眠も取れてたから。」

加藤 「 それは、放っておいたらずっとパソコンに向かってるじゃないですか…。流石に心配ですから。」

先生 「こんなに何も浮かばないの初めてで…どうしていいのかわからない…。」

加藤 「 あっ!そういえば、先生の好きな洋菓子屋さんでケーキとかお茶菓子買ってきたので食べませんか?」

先生 「 んー。そうだね…。書けないのにずっと悩んでても書けるようになると思えないし…。」

加藤 「 じゃあ、用意してくるので先生は座って待っていてください!キッチン借りますね。」

先生 「ありがとう。」

─加藤お茶菓子と紅茶を持って戻る。─

加藤 「お待たせしましたー。」

先生 「うぅん…?いや…うーん。」

加藤 「先生?……せんせーい!持ってきたので食べましょー!」

先生 「あぁ、ごめん。またぐるぐるしてた。」

加藤 「ほら、先生!一旦忘れて食べましょう!」

先生 「うん…。加藤さん、いつもありがとう。こんな自分に優しくしてくれて…。」

加藤 「 何 ってるんですか?担当なんだから当たり前じゃないですか!それに先生放っておいたら病院送り待ったなしですよ?わかってます?」

先生 「うん。そこも含めて…ありがとう。」

加藤 「どういたしまして。いただきます!」

先生 「………。」

加藤 「ん〜!このクッキー美味しいですね!……先生?せんせーい?!」

先生 「あっ…ごめん。」

加藤 「パウンドケーキもあるので食べましょ?まったりしたら一緒にどうするか考えましょう!」

先生 「そうだね。ありがとう。いただきます。」

先生 「ごちそうさまでした。」

加藤 「ごちそうさまでしたー!」

加藤 「じゃあ、片付けしてきますね!」

先生 「ありがとう。」

先生 (M)本当に何も浮かばない…。どうしたらいいんだろう。

加藤 「先生!!!私思いついたんですけど…。」

先生 「…?」

加藤 「この 「かけない状況」を書いちゃえばいいんじゃないですか?」

先生 「え?どういうこと?」

加藤 「 今、書けなくて苦しんでるじゃないですか。それをお話にしちゃうんですよー!」

先生 「んー。それできるかな?」

加藤 「 やってみてもいいんじゃないですか?無理だったときはまたお菓子でも食べながら考えましょー!」

先生 「これって、そのまま書いたら面白くないかな?もうそれすらもわからない…。」

加藤 「面白いかどうかとか考えずに書いちゃいましょ!」

先生 「………できた!加藤さん!書けた!!書けたよ!!!」

加藤 「えっ?!わぁぁぁー!!!さすが先生っ!!!読んでもいですか?」

先生 「はい…。」

加藤 「………………。」

先生 「どう…かな?」

加藤 「これ………。全然駄目ですねっ!!!!」

先生 「えっ…。」

加藤 「もう一度紅茶とお菓子食べながら考えましょー!」

先生 「えっ…えぇー!!!!!!!!!」

END

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