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今こそ伝えたい与謝野晶子の言葉

やわ肌の 熱き血汐(ちしお)に ふれもせで
                                              さびしからずや 道を説(と)く君 
                                                                                                   与謝野晶子

(この私の柔らかい肌の熱い血のたぎりに触れてもみないで、本当はさびしくないのですか?人の道とはこうあるべき、と説いているあなた)
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今日は、今年の中学3年生が卒業する前の最後の国語の授業。
急遽予定を変更して、与謝野晶子の授業をすることにした。

『みだれ髪』から上記の短歌と、中国の旅順の町を包囲する日本軍中の弟へ向けた「君死にたまふことなかれ」全文を教材にした。

授業の最後に、自分と友達の「手首に触れて血汐を感じて」みる。

「どんな感じ?」って聞いたら、
「なんかキュンってする」って声が上がって、男子も女子も
「ほんまや!キュンってする!」
「めっちゃ柔らかい!」って、とても楽しそうに触れ合っていた。

マスクで人の表情が分からず、接触の機会も激減している今、言葉を超えて感じた理解が、子どもたちの中に残ることを祈りたい。


チェチェン紛争を終結に向かわせた一つに、「ロシア兵士の母の委員会連合」の兵士の即時撤収を求めたデモがあったことが記憶に新しい。

与謝野晶子が詠ったように、それぞれの正義を説くのが人の男性性だとしたら、やわ肌や血汐にキュンとするのは誰しもが持つ女性性かもしれない。

男性性の世界が限界まできた時、きっとたくさんの人の内側に女性性が大きく目覚めていくのだろう。


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