【短歌】凌霄花|文語の定型短歌を詠む38
通勤に走る東名高速の防音壁に凌霄咲きぬ
凌霄が視界に入り今年もまた期末試験の季節と思ふ
濃緑の葉と凌霄花に数週間コンクリートの肌装はる
凌霄の連想毎年同じなり期末の準備と目黒の母と
凌霄花揺るる彼の庭 母のこと 弟のこと 姪たちのこと
2014年7月詠 『橄欖』2014年10月号 初出
目黒の実家は大正時代に母の祖父、私の曾祖父が買った家である。海軍工廠のあった横須賀から上京し、目黒の海軍技術研究所に赴任することが決まった時に、通勤に便利な場所で探した家だった。