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Personal Essays

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こども時代のこと、旅の話、家族の話など、ありふれた日常におもいを寄せた、これまでのエッセイのまとめ。1981年うまれ。
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#13歳

私の中の水が沸騰するとき

これまで生きてきた中で、居てもたってもいられず気づいたら行動に出ていたという経験は少ない。 鮮明に蘇る私の沸騰の記憶は13歳、中学一年生に遡る。 夏休みの宿題の定番、読書感想文をやっつけるため、近所の本屋に行った。普段、本を全く読んでいなかった13歳の私は、悩みに悩み、何とか読めそうな宗田理先生の「あたしのノラ猫日記」を手にする。 家に帰り本を開くと、最後まで一気に読み切ってしまった。詳細は覚えていないが、壮絶ないじめを受けていた女の子の話であった。 この本を閉じたと

国語の先生 

今まで私は何人の「先生」と出会ってきたのだろう。 学校の先生、習い事の先生、病院の先生。 顔も名前も思い出せなくなった人もたくさんいる。 そんな中、先生と聞いて真っ先に頭に思い浮かんだのは中学の国語の先生であった。40代、女性、確か2人の男の子の母親でもあったと思う。 とにかく彼女の授業が魅力的で、引き込まれ、あっという間に時間が流れた。授業に対する熱量が高く、私たちに「伝えたい」という気持ちをストレートにぶつけてくる50分だった。 なんと説明したらいいのか分からないが