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Personal Essays

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こども時代のこと、旅の話、家族の話など、ありふれた日常におもいを寄せた、これまでのエッセイのまとめ。1981年うまれ。
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#岩手

彼岸花に思う

彼岸花が咲いていた。まだ暑い日もあるが、しっかりと夏の終わりを告げられた気がする。「もう楽しい時間は終わり」幼少期のセンチメンタルが蘇る。あの日も、彼岸花を見つけ言葉にならない寂しさを抱く。 私の母の故郷は、新潟にある。毎年、夏休みに入ると幼い私たちを長いこと新潟に連れて帰った。2~3週間ほどの期間だっただろうか。滞在期間が長かったので、帰省前母は決まって着替えなど段ボールにつめて宅配便で送った。 行くときは、両親と弟の4人で新幹線に乗ったが、仕事人間だった父は、1泊だけし