M-1 2019感想│好き嫌いで見ないネタ②

②M-1歴史の流れ

M-1は進化の歴史でもあるので説明しようと思います。

M-1は漫才の形が進化してきた歴史でもあります。
どんどん新しい、面白い漫才が生まれてきました。

01,02年は黎明期でもあり、純粋にネタが面白い中川家やますだおかだが優勝しました。
03でフットが優勝して上手くて面白い漫才が優勝という流れがひと段落したと思います。
上手さとは、テンポ、フレーズ、ボケのバリエーション、構成、センス色々あるように思います。

04、05、06年あたりでいわゆる「人(にん)」といわれるものが見えてきます。
アンタッチャブル、ブラマヨ、チュートの時代です。
わかりやすく言うと、その人らしさです。
人間の中身の部分、日頃から思っていることをネタに反映させることです。
それにより、よりオリジナリティが出たり、ツッコミやボケにリアリティがでるといわれています。
ちなみにアメトーークの最初のくくりトークである「メガネ芸人」も04年に始まったようです。
この「人」はいまも言われている要素です。
そのため、「人」が分かりにくいキャラ漫才はコンクール向きではないとか言われます。実際はどうなんでしょうか?

この次は「ボケ数」です。
このあたりから、M-1がどんどん競技化していきます。
競技漫才なんて言葉も生まれました。
07年ノンスタイル
08年サンドウィッチマン
09年パンクブーブー
です。
あとは、ナイツ、オードリー、キングコング、トータルテンボスなどです。
4分にどれだけボケを入れれるか。
このボケ数が今年とリンクする部分があるんですがそれは、また後述します。
テンポ、スピードがあり、沢山のボケを詰める。後半大きな展開があり畳みかけるように盛り上がる。
それはまさにジェットコースターの様です。
このボケ数主義は去年の18年まで続きます。
時を戻そう。
スピードを上げて、ボケを増やしてきた結果、
それが大きなフリとなって
爆発が起きました。
そうです。
スリムクラブです。
まさに破壊でした。全体がスピード、ボケ数を求める中、
一つ一つためてボケるのはとんでもない事でした。
この年は見返すと審査員の中でも
この漫才ば面白いけれど、どう評価していいのかと
意見が分かれる年になりました。
次の年もM-1があればどうなるのかとても見たかったですね。
間違いなくウケ量は一番でした。優勝まであと一票でした。
優勝は笑い飯でしたが、これは第一期ラストもということもあったのだろうと思います。
2015年にリスタートして
優勝は敗者復活からそのまま優勝したトレンディエンジェルでした。
まだまだボケ数が優勢の様です。
2016年は銀シャリです。
2017年はとろサーモンです。
ここもまだボケ数が優勢なのですが
大きな流れが裏にあります。
和牛です。
2016年も2017年も両方とも2位です。
2018年も2位です。

ネタ数に加えてネタの構成という要素が大きくなります。
ボケ数が多くしながらも、笑いの種類も増やして
さらに全体として一つのストーリーとなっており
話しが進むにつれて伏線も回収してしまう。
それを4分間の間で構成するというのはちょっと考えられないです。
スーパーマラドーナや、かみなり、ゆにばーすなど色々なコンビがやっていたと思います。
やはりそれでも和牛は優勝できませんでした。
純粋な面白さ、よりも綺麗や上手さや、構成力が前に出てしまうのか。
今一つパンチ力にかけるのか。
ここ3年間でいつ優勝してもおかしくなかったと思います。
ここでジャルジャルなどはまた別角度で戦っていました。
また別の漫才をするという違うチャレンジをしていたと思います。
ジャルジャルの世界観とも言われて、M-1では異質でした。
こういった世界観をもつコンビは他にもいますが、ジャルジャルは凄いですね。本当に。
他にもいますが、ジャルジャルだけが特別かと思うので書きました。

去年2018年に霜降り明星が優勝した時に
ある一つの終焉を迎えたと言われました。
それは、高スピードで大量ボケの究極形を編み出した事です。
単語ツッコミです。
ツッコミの形としは、最小です。
〇〇やろ!
〇〇ちゃうわ!
さえ無しです。
単語のみ。
これが一番短い。
更にせいやさんもセリフでは無く、動きのボケを後半に使用していました。
ボケ⇒ツッコミ⇒笑い⇒ボケ⇒ツッコミ
の笑いの時点で動きボケを開始しています。
セリフでは笑い声とぶつかりますが
動きではぶつからない。
ツッコミともぶつからず、
ボケとツッコミがほぼ同時なんかもありました。
極限までボケとボケの間隔が短くなっています。
そして、その分ボケ数を多く出来る。
ボケ数を変えなくても、その分ボケにフリをつけれる。
去年、これが究極かもねって
ある芸人さんがラジオで言っていたのをぼんやり覚えています。

での今年です。
去年一つの答えが出ました。
また別の答えが出るのか。
去年と同じ流れが続くのか。
9組中7組が初。
新しい流れを作りたいのかなって思ったりなんて。
準決勝の審査員が一番重要なんちゃうかとも思いました。
今年の感想としては、
笑い待ち。
ツッコミの進化
パワーフレーズ。
ボケ数からの脱却です。

②の終わりです。
ありがとうございました。
③で各組の感想に移ります。

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