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社会主義化と自動運転とノマド化社会とAI:その5

イベント弱者と社会主義化

①付加価値創造が枯渇しても人口が増えているのなら、増えた人の分だけ新たに消費が発生するため社会全体のパイも増え、価格競争などのシェア取り合戦は穏やか。しかし人口が増えない状況で付加価値創造が枯渇すると、価格競争などによるシェア取り合戦が激化する。

②この価格競争は、輸送コスト・原材料コスト・保管コスト・製造コストといった様々なコストカットの努力により行われる。

③このコストカットは当然、人件費にも及ぶ。

④給与が下がるのが嫌ならば今と同じかもっと給与が高い会社や業種へ転職すればよいが、社会全体の付加価値創造が枯渇しているので転職で好転することはほとんどない。

⑤労働者は、本来なら、結婚・病気・出産・子育て・マイホーム購入・介護・老後、といった人生のイベントに備えるための手取り分を差し出す形(給与の減少)で就業を維持する。これは非正規労働者の増加といった形で現実化している。

⑥こういった人生イベントに個人レベルで備えることができなくなる“イベント弱者”が増えると、一部を公的機関や国家が肩代わりしはじめる。これは教育無償化や子供の医療費無償化、自治体による婚活支援、介護保険制度の導入といった形で現実化している。

⑦このような肩代わりにより税金や社会保険料が増加し、さらに手取り分が減り、人生イベントに備えられない人が増える。こうして社会主義化のスパイラルが起こる。

※→「社会主義化と自動運転とノマド化社会とAI:その1“資産課税の強化”」の③と④

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