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最高にクールな漫画家じゃあないかッ!

本日は、ジョジョ4部を全く読んだことのない方に岸辺露伴の魅力を伝えようという、誰かのためと見せかけて私が満足したいだけのnoteである。

※一部セリフの引用はしていますが、物語の核心に迫るようなネタバレは控えていますので、安心してお読みください

早速だが、私の考える露伴先生の魅力は以下の三点である。

  1. 漫画家としての生きざま

  2. 奇人だが根っこは常識人

  3. 仲間たちへの愛情深さ


まずはざっと4部のあらすじ。

主人公は、杜王町という町に住むリーゼントの高校生、東方仗助(ひがしかたじょうすけ)。

スタンドという特殊な能力を持っており、彼の能力は「破壊されたものを修復する」こと。
序盤は仗助と仲間たちvsスタンド能力者の戦いがメイン、中盤からはのちのラスボスにまつわる戦いがメインとなる。

4部の味わい深さは、スタンド能力者かどうかを問わず、また本来なら敵であるポジションであっても、それぞれの人間になにかしらの事情があるというところだ。

もちろん、能力をお金をゆするために使うどうしようもないクズキャラもいる。
だが、戦わなければならない理由がはっきりとしている者や、自分の愛情を貫き通すために能力を使う者など、一人一人の背景の描き方がすごい。

荒木先生はキャラクターを作るときに、「身上調査書」というおよそ60項目ほど細かく設定を決めるそうだ。
誕生日や血液型はもちろん、どんな声色か?子供の頃のトラウマはあるか?、好きなファッションやインテリアは?といったような本当にそのキャラクターが存在しているかのような作り込みがなされている。
突拍子もないキャラクターにも、どこか人間味があるのはそういうところからなのかもしれない。

また杜王町というひとつの「町」への想いがみんな何かしらあるところも面白いのだ。この話は長くなりそうなので、本題の露伴先生の話に入りたい。

1「漫画家としての生きざま」がかっこいい。

露伴先生といえば、どんな時でも、頭のなかには常に漫画のことがある。

「漫画のネタになるかどうか」というのが彼の行動の動機のひとつになっているし、そのネタへの執着は恐ろしくて、正直なところ最初は気味が悪い。
特に登場したばかりのころは、4部のなかで一番とんでもない奴があられた…!と思うほどの狂人ぶりを発揮している。

ズタボロにされても「(ネタとして)いい経験をした」と言い、人が苦しむ姿を見てもスケッチを始める。

だが、それもこれもすべては「リアリティ」を大切にしているから。
「漫画はリアリティがすべて」で、「面白い漫画を書くためには、面白い体験をしなければいけない」という考えが彼の根底にはある。

そのためならどんなことでも厭わない。
度が過ぎている部分も多々あるが、この「リアリティのある面白い漫画を書く」という目的が決してブレることがない。

noteを書く前にいくつか露伴先生のことを書いたブログを読んだが、かっこいいポイントとしてこの「漫画家としての生きざま」を挙げている人が多いと感じた。


2「奇人だが根っこは常識人」でかっこいい

これは完全に個人の意見であるので、世の中の評価はわからない。

作中では完全に奇人扱いされているし、実際とんでもない一面もあるが、基本的には礼儀をわきまえており、言葉遣いや立ち振るまいは丁寧な方だと言えるだろう。

スピンオフ作品でも、マナーや一般常識を心得ているという描写があった。
(ドラマ版の富豪村というエピソードで見せた、担当編集者の女性へのさりげない心遣いはあまりの衝撃で五度見した…)

確かに、目には目を、歯には歯をのような、自分に対して失礼なことをした相手にはとことん痛め付けるといったところもあるのだが、その負けず嫌いだったり自己中心的だったりするところが行きすぎているのもある意味、露伴先生らしくていい。

また、根っこは常識人であるという設定があるからこそ、多少非常識な行動をしていても、1で書いた「リアリティを追求するため」なのだなと考えられる。

あと個人的に、敵の手がかりが見つかったときに連絡するためだと思われるが、仗助たちの電話番号や住所を几帳面にアドレス帳に控えているところも、露伴先生のきちんとした一面が垣間見えて良かった。

3.仲間への愛情深さ

露伴先生は扉絵のインタビューで次のように語っている。

この世で最も大切なものは何ですか?
「家族と友人」(これもウソ。彼にとってマンガ以上に大切なものなど何もない。作品のためなら全てを犠牲にしても全然心など痛まないし、ひとりでいることに孤独だなどと感じたことはないのだ)

インタビューより

私は、これは本心ではないのでは…と思っている。
孤高の漫画家でありたいのかもしれないけれど、本当は仲間思い、情に厚い人なのだ。

露伴先生を代表する有名なシーンがある。
(だが断る、はジョジョの中でもグッズ化されている名言である)

敵に捕まって絶体絶命の大ピンチな露伴先生。

そこに、仗助が事情を知らずにやってくる。
実は、このスタンドの特徴として、露伴先生が捕まっている部屋に入ってしまえば最後なのだ。

露伴先生は、敵に「仲間をここに呼べ」と指示されるのだが、そこで発したのが以下である。

だが断る。

この岸辺露伴が最も好きな事のひとつは自分で強いと思ってるやつに「NO」と断ってやる事だ。

逃げろッ、仗助ッ!

4部 ハイウェイ・スターその3より


はい、かっこいい。
単純に、「逃げろ」とは言わない。
露伴先生が、あくまでも岸辺露伴であり続けようとするその姿勢がとてもクールで、好きだ。
(そういう演出をしてくれる荒木先生も大好き)

僕は、強いと思ってるやつに断るのが好き、だなんて言っているけれど、本当は友人を大切にしている「いい奴」なのである。

それが伝わるのが、露伴先生が忠告を無視して部屋に入ってきた仗助を見たときのリアクションである。

なんて事をするんだ 東方仗助…
危機をおしえてやったのに……
必ずぼくの考えてる事と逆の事をする……
だからおまえの事が嫌いなんだ

4部 ハイウェイ・スターその3より

仗助を生かして敵の本体を殺さなくては、自分自身も助からないという打算が無かったとも言えない。
しかし最後の、だからおまえの事が嫌いなんだ、という発言。

私はなんだか、仗助への心配と呆れの入り交じったこの言葉に露伴先生の人間味を感じるのだ。
 奇人で奇才、クールで負けず嫌い、でも仲間を思う気持ちはめちゃくちゃ熱い。

この部分だけを読むと、某海賊のマンガにだって出れそうな勢いである。
(それ以外の部分がエッジが効きすぎているので無理だが)

他にも、終盤、とある人物に対する露伴先生の口から飛び出た本心にがっつり心を持っていかれた人は多いだろう。
私も、こんなに素直な露伴先生を本編で見れるなんて…と感動したものである。

忘れがちだが、4部では露伴先生は二十歳なのだ。 
16歳でデビューし、20歳という若さですでに人気漫画家としての重圧を背負い、ただひたすら「読者に読んでもらうため」にストイックに漫画を書き続けている。
なんと尊い存在なのだろうか…  

露伴先生のことをたくさん書けて嬉しいので寝る。

好きなイラストで〆












くらいのパトロンになりたいという奇特な方がいらっしゃいましたら、よろしくお願いします。その際には気合いで一日に二回更新します。