【フロップ研究】ブロードウェイ三種ボードの研究(3)―KJTレインボー OOP側のx/rとその対応

(※シリーズ作の続きです。まだ前回までをお読みいただいていない方は、そちらを先にお読みいただくとより理解が深まると思います)

▼振り返り
さて前回まで、ブロードウェイ三種ボードの具体的な検証として、KJTレインボーのIP側のCB戦略とOOP側のディフェンスレンジを確認してきた。
ただ、OOPのディフェンスレンジと一言でいっても、その対応にはコールのほかチェックレイズという選択肢もあり得ることを考慮しなければならない。
こういったボードで、オリジナル有利だからとレンジでコールorフォールドの選択肢を取っていると、相手はより幅広くCBを打つことで利益が出せるため、チェックレイズという選択肢は常に頭に入れておく必要がある。

▼考え方
まず、OOP側のx/r頻度は、相手のベットサイズにも大きく影響を受ける。
というのも、安いベットサイズには弱いハンドレンジも多く含まれていることから、そこそこ幅広いレンジでレイズを打ち返したうえで、フォールドエクイティを取ることが正当化される。
しかしながら、相手の大きいサイズのベットはそもそもレンジをかなり絞る形で構築されていることが想定され、
こういったややポラライズされたようなベットレンジに対しては、
積極的にはレイズを打ち返せないという考え方が前提になる。

具体的にレイズ頻度を見てみると、

(IP側のCBサイズ/OOP側のx/r頻度)
33%CB・・・12.8%
50%CB・・・8.4%
75%CB・・・5.6%

と、明確にx/r頻度が下がっていくことがわかる(ソースはのちに再掲)。

では頻度が下がると、レイズのレンジが大きくかわっていくかというと、GTO的には必ずしもそうではない。
確かに一部レイズレンジから完全にそぎ落とされる部分もあるのだが、
どちらかというと、頻度の調整により実現している部分がある。

しかしながら、結局人間的な再現性を考えると現実的ではないので、
33%に対するx/rレンジを構築したうえで、サイズが大きくなるにつれバリュー・ブラフともに強くない部分をそぎ落とす、という思考過程を作っていくことが妥当かと思う。

▼具体的なレイズレンジの検証

では、33%に対する対応についてまずは確認していこう。
パット見て、レイズレンジとして構築されているのは、

(バリューレンジ)
・ストレート
・ツーペア
・一部の強いトップペア

(ブラフレンジ)
・ストレートドロー+BDFD

という特徴が読み取れる。

そのうえで、これらのハンドそれぞれで頻度を実現していく必要があるわけだが、これは明確に特徴があり、バリューハンドではバックドアがあるかどうかでベット頻度が分かれる。

♣を抑えている場合はよりパッシブにプレイをして、
バックドアがついている場合はかなりレイズ頻度が上がるという傾向にあるので、
簡易的に構築するのであれば、「バリューハンドは♣を抑えていない部分でレイズを返す」という戦略で頻度としては十分実現可能だろう。

ブラフレンジとしては、主にA持ち・Q持ちでレイズを返す形となっている。
これは他のボードでもティピカルな考え方であるが、

・キッカーが弱いほどレイズに回りやすい

に加えて、
・A9,Q9と9を抑えた部分がレイズに回りやすい

というのもこのボードの特徴としてある。
恐らくは、相手の継続レンジであるワンヒットドロー系を抑えているという意味が大きくなっているのが理由と考えられる。

そのため、基本的にはA9,Q9およびA2,A3,Q2,Q3といった部分でレイズを返しつつ、相手のベットサイズに応じてキッカーが3の部分やバックドアのない9を省いていく形が妥当だろう。

▼IP側のx/rに対する対応

OOP側の50%raiseに直面した際、IP側の取りうる対応は上記の通り。
一応3betの頻度は一定程度あることは留意しなければならず、このようにストレートボードにおいては、だいたいのボードで3bet→4betといった頻度が発生する。

基本的にはヒット系は降りず、A持ちのバックドアがあるところ、Q持ち等のドローでは粘っていく。
そのうえで、セット・ストレーを主なバリューレイズレンジに一部組み込んだうえ、Q持ち・A持ちの一部、ボトムヒットガット等でブラフレイズを返していく。

▼参考:3bet以降の対応
フロップ3bet以降がストレートボードではよくありうるというのは下記のような現象で、基本的にはストレートやストレートドロー・セット等を中心に、オールインまでいく頻度がそこそこあるというものである。

OOPの4bet頻度
BTNの5bet頻度


▼本日のまとめ
・このようなオリジナル優位ボードであっても、OOPは一定の頻度でx/rを打ち返す必要がある。
・具体的には、ツーペア・ストレートをバリューレンジに、ガットやオープンエンドの弱いところおよびブロッカーのあるところをブラフレンジに、レイズを打ち返していく
・IP側もヒット系・ドロー系は基本的には降りず、また3bet(に対する4bet、5bet)も打ち返していく頻度があるので、かなり激しくなりやすいボードとなる

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