見出し画像

【MTT小噺】vsオールイン、ジャストコールに留めるか?自分も被せるか?

早速ですが、MTTの終盤においては、皆スタックが浅くなりオープンオールインが飛び交う状況によくなります。

そんな中、そこそこ自分とスタックの近いプレイヤーからオールインが入った状況。稀によくありますね。

例えば上記のように、COから14BBのオールインが入り、自分はBTNで21BBを持っています。
そして自分は、少なくともオールインに対して受けれるハンドを持っていたと仮定しましょう。

さて、ここで我々には2つのアクションがあります。
コールで留めるか、自分もオールインを被せるか。

"ぶっちゃけ、どっちでもいいじゃん!"と聞こえてきそうですよね。
まぁ実際、ほぼほぼ微差だとは思います。一般的には全部被せてオールインする人がほとんどだと思いますし、それで何かロスがあるとはあんまり思いません。

でも、なんか気になりませんか?僕は実戦で似たようなシチュエーションで、コールするかオールインするか、ちょっと迷うことが何度かありました。

今は夜中3時。6面打っていたトナメが早々に5面飛び、今から新しいトナメ打つのもなぁ、と暇を持て余していた状況。ちょうどいいと思って調べてみました。

さて。早速ですが、COの14BBオールインに対するBTNの対応は以下のようになります。

どうでしょうか。個人的には意外なほどに混合だなというのが第一印象です。

まぁ少なくともこのシチュエーションにおいては、ピュアにオールインを被せるか・コールで止めるかという純粋戦略にはどのハンドでもなっておらず、当然EVはどっちを選択しても全く同じです。

そう考えると、やはりハンド単位で見るとどちらでも良いというのが結論なのですが、それではつまらないので何故このような頻度差が起こるのかを考えてみましょう。

まず、各ハンドの頻度差を見ると、すべてがそうというわけではないものの、オールインを受けるレンジの中でも下限に近いところほどコール止めする頻度が高いことが見て取れます。
77-55、A8s、そのあたりがそうですね。
そのうえで、最強ハンドであるAAや、なぜかKKを飛ばしてQQをトラップ的に組み込み、コール止めレンジのバランスを取っています。

一方、AKやAQo、AJといった普通のシチュエーションでも頻度高くオールインに値するようなレンジは、ここでもオールインを被せる頻度が高いようですね。

なぜ、こんなよくわからないことをするのでしょうか?

当然ながら、コミットもいいことなので、コール止めして後ろからオールインが入ったとて、フォールドなんて選択肢はありえません。

確認は持てませんが、僕が思うに"コール止めすることで、ちょっとでも多くスタックを残せる可能性を捨てない"というのが理由なのではないかと考えます。

これはCOオールイン→BTNコールに対する、SBのレンジを見てそうなんじゃないかと思ったのですが。

16BBのSBも、コール止めに対してさらにオーバーコールで止めるレンジが存在しています。

これはSBも同じことがいえるためで、オールインに負けると2BB位しか残らないとはいえ、一応生き残っているという恩恵は享受できます。
特に1オールイン2アクティブのような状況では、いかにSPRが0.03くらいしかなかったとしても、GTO的にはチェックアラウンドでリバーまで回るケースはまぁありそうだなと。

そういった点を踏まえて、オールインコールできるハンドのうち特に弱めのところと、おいそれとつけこまれないために一部のトラップを残した部分で、コール止めのレンジをそれなりに作っているんじゃないかなぁと推測しているところです。

この理由は僕なりの解釈にすぎませんけど、まぁ事実としてGTO wizardのレンジでは結構コール止めをすることはあるということです。

もう一例紹介しましょう。
Near Bubbleでより生き残る価値が高い場面です。

BTNの12BBオールインに対して、SBが14BB、BBが16BBの状況です。
SBは被せてオールインをした場合、BBにコールされると確定で飛んでしまします。

ここでもやはり、似たようなロジックでコール止めのレンジが持たれていることがわかります。

それはBB視点からしても、フォールドエクイティが0のところにわざわざスタックを追加で注ぎ込むのではなく、結構コール止めで済ませるレンジがそれなりに存在するからですね。


というような感じでした。

まあ実践では、2人が砂利を残してコール止めでポストに進んだり、ポストでSPRがほぼ0に近いような状況でリバーまでショウダウンにいくことはGTOよりよっぽどなさそうなので、結局そういう意味ではよりどっちでもいいとは思いますなんて台無しなことを書きますが。w

てなわけで、あくまで豆知識的な感じの記事でございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?