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【MTT】トラップレンジの研究 後編

▼導入


今回は、前回記事の続きで、ES35BB以下の浅いスタックでのトラップレンジの構築について、研究していきたいと思います。

↓参考

研究の前提としては、前回記事と同様で、

▽ES
・100BB
・50BB
・35BB
・20BB
・14BB

▽ポジション関係
・UTG vs UTG+1
・HJ vs BTN
・CO vs BB

といった軸で見ていきます。
基本的にはSRPをベースに、対3betについても随時補足していきたいと思います。

▼ES35BB


ではさっそく、ES35BBの状況をポジション別に見ていきます。

UTG vs UTG+1

EP同士の関係では、基本的にまだこれまでとは変わらない傾向があり、若干KKあたりのコール頻度が上がってはいるものの、大きな変化は見受けられなません。

HJ vs BTN

もう少しポジションを遅らせてHJ vs BTNからをみてみると、ついにAAというトラップレンジの代表格がコール止めレンジに入ってくるようになってきました。
一応エフェクティブスタックというのは、やはりトラップレンジを設ける上で一定の因子として影響を与えているということですね。

CO vs BB

CO vs BBの状況では、これまでとほぼほぼ変わらないことがわかります。
やはり自分がOOPの状況だと、能動的にポットを焚いていくことが難しいということや、
スクイーズの危険性は全くなく、かつ少々トラップレンジを残したところでトラッシュレンジがあまりに大きいことが作用し、
シンプルに強いハンドはレイズを返していくという形になる
ようです。

ここでfacing 3betの状況もあわせて確認していきましょう。
IPからの3betに対しては、SPRが2.5を切っており、OOPからはSPR2を切る状況です。

UTG vs UTG+1
HJ vs BTN
CO vs BB

見てみると、このあたりからAAあたりは割とコール止めの頻度が高くなっていますね。
さらにSPRが小さくなるブラインドからの3betに対しては、QQあたりまでコール止めする選択肢も出てきて、やはりコールをした時のSPRが2.5~2あたりの部分は、一気にトラップレンジの考え方に差が出てくるところになってくるようです。

▼ES20BB


ここからは、一気にスタックが浅くなった状況を見ていきます。
このあたりからは、そもそもプリフロップのソリューションが特殊になってくるため、一目トラップレンジの有無という形ではあらわれにくくなってきます。

UTG vs UTG+1

試しにUTG vs UTG+1のレンジを確認してみます。
このスタック・ポジション関係では、そもそも"コールで受ける”という選択がなくなっていることがわかりますね。

そのため、プレミアと合わせて受けるコールハンドというのが存在しないわけですから、当然プレミアであっても他のアクションに混ぜていく必要があります。

具体的には、ここでは参加する場合ALLin or 刻んだRaiseという形になっており、刻んだRaiseの方は参加レンジの下限とプレミアハンドでポラライズさせていくイメージでレンジが構築されています。
そのため、AA・KKあたりはピュアに刻むレンジに入ってきて、見方によってはここがトラップレンジという考え方もできるかもしれませんね。

HJ vs BTN

HJ vs BTNでは、EP同士とは異なり刻むレンジが存在しないため、オールインorコールのレンジ構成となっています。
やはり考え方としては大体同じで、コールレンジはレンジの下側とプレミアでポラライズさせており、AA・KKあたりはまさにトラップレンジとして用いられていることがわかります。

CO vs BB

自分がブラインドにいる場合は、やはり幾度と述べている通りスクイーズの危険性がなくなることや、OOPであることを踏まえて、トラップレンジは薄くなっています
AAの多くはトラップとして残していますが、逆に言うとそれくらいで、他は全てオールインで入れきっていることがわかりますね。

一応、唯一3betレンジがあったUTG vs UTG+1を確認しておきます。

UTG vs UTG+1 3bet

SRPが2を切ってきますが、それでもトラップレンジに残っているのはAAの一部です。
これは、そもそものコールレンジが狭いため、多くトラップレンジを残す必要性に乏しいこと、4bet ALLinにフォールドする相手のレンジの中心がほぼAx,Kxであり、フォールドエクイティを取る価値がより大きいことが理由としてありそうです。

4bet Allinに対する UTG+1のコールレンジ


▼ES14BB

さて、続いてはさらにESが浅くなった14BBエフェクティブの状況を見ていきましょう。
主に20BBの際とどのように変化が生じるのかというところに注目していきます。

UTG vs UTG+1

これくらいのESになってくると、そもそもレンジ全体がALLin or Foldとなっているのがわかります。そのため、プレミアもすべて含めてそのレンジに入ってくるため、トラップレンジという概念自体が取り込まれていませんね。


CO vs BB

COvsBBでは、ESが低下したことに伴い、唯一KKがある程度コール止めになされるという変化がありますが、それでも大枠としては変わっていません。

こういったところから、前提傾向としては下記のように理解することができそうです。


▼本日のまとめ

・ES35BBの状況では、facing Openraiseでは今までとそれほど変わらないが、3bet potになってくると特にAAのコール止め頻度が大きく上がる。
・ES20BBになると、そもそも3betAllin or Callのレンジ構成になるポジション関係も多いため、CallレンジのトラップとしてAAや一部KKあたりも含め残すレンジが発生してくる。
・ES14BBあたりでは、オープンレイザーに対しては基本AOFになることが多く、vsブラインドを除いてはコールレンジも少なくなるため、トラップレンジを増やす方向には作用しにくい


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