【MTT】プリフロ3betオールインはどこから許容されるのかを検証する(1)OOPからの3betオールイン

MTTではキャッシュゲームと比べ、ESが浅くなりがち・コーラーが増えがちという特徴があり、特にブラインドからは、しばしば一般的に思われている以上に深いエフェクティブの段階で3betオールインという選択肢が正当化されます

オールインはMTTの醍醐味ですね

そこで今回の記事では、このプリフロップにおける3betオールインというのを、
(1)エフェクティブの深さ
(2)コーラーの数
(3)用いられるハンド群

といった要素に着目し、大まかな考え方を体系化していこうと思います。

▼考え方の原則


大前提として、基本的にはエフェクティブスタックが浅くなるほどプリフロップの早い段階でのオールインというのが許容されます。
極端な話、2BBしかエフェクティブスタックを持たないのであれば、オープンレイザーはFold or オールイン以外の選択はないですし、
3betに関しても自分が5bbしかないのであれば、刻むという選択肢はなく3betオールイン以外はないでしょう。

また、コーラーが増えてきた場合でも、スクイーズの価値は当然あがりますし、オッズが合わないようにするため高いサイズのスクイーズが肯定されるようになるので、より深いサイズからの3betオールインが理屈上許容されるはずです。

こういった原理原則を踏まえて、「どれくらいのエフェクティブスタックから3betオールインの選択肢が許容されてくるのか」「コーラーの数が増えるとどう変化するか」というのを軸に、特にOOPからの3betについて検証していきます。

▼オープンレイザーが一人の時のSB/BBからの3betオールイン


さて、オープンレイザーが一人で回ってきた場面についてです。
理屈で解釈していくのは難しいですが、1つの指標としてES40BBあたりからブラインドからの3betオールインが用いられてくる傾向があるようです。

SBとBBで若干用いられるハンド群や頻度は違いますが、SBの場合はキャッシュゲームでもブラフ4betに用いられるような、相手のイージーで受けられるところのブロッカーを持ったハンド群を中心に、オールインコールをされてもそこそこのEQがまだあることも多いブロードウェイスーテッド・ミドルポケット・AQoやKQo等で構成されています。

ここは恐らく、まだBBのアクションが残ってるので、よりブロッカー効果を重視した構成がされるという解釈になるのではないかと思います。

ES40BB CO open→SBレンジ

BBの場合は、よりシンプルに相手のプレミア系やAxの強いところといったレンジにもある程度エクイティがあるハンド群で構成されており、具体的にはポケットやAxをより中心に構成されているようです。

ES40BB CO open→BBレンジ

一方で、ES50BBになってくるとオールインのレンジはなくなってくるので、だいたい40BB前後が3betオールインを検討する下限となってくるようですね。

ES50BB CO open→SBレンジ


続いて、更にESが少なくなった35BBも確認しておきましょう。

ES30BB CO open→SBレンジ

当然のことながらエフェクティブスタックが浅くなるにつれ3betオールインの頻度が増えてますが、考え方としてはオールインできるハンドが増えるというより、40BBの際に候補となっていたハンド群のオールイン頻度が高くなってくるというのが原則のようです。
そのうえで、弱めのポケット等、似たような性質のハンドを順次ESの浅さを踏まえて組み込んでいくという形で構成していくのが妥当のようです。

▼コールドコールが入った時のOOPからの3bet ALLin


オープンレイズにコールドコールが入った場合、従来よりスクイーズが成功した時の価値が上がるため、より幅広くオールインをしていくことになります。

例えばES40BBのとき、CO open→BTN callが入った時のBBのレンジを見ていきましょう。

CO open→BTN call→BB??
再掲:CO open→BB??

コールドコーラーがいない場合、レンジのほんの一部でしかオールインという選択肢がありませんでしたが、コーラーが一人いるだけでオールインレンジがかなり増えていることがわかります。

Axoの強い所やブロードウェイスーテッドコネクター系、Axs、ミドルポケットあたりはかなりオールインの頻度が増えており、
よりその場でポットを獲得してしまうインセンティブが強く働いているようですね。

このように、オールインレンジは基本的にリニアに構成されており、逆に通常のレイズはポラライズさせる傾向にあります
オールインからトップレンジを除くことの解釈としては難しいですが、どのみちAxsの強い所やプレミア系は40BB程度であればイージーに受けられ、フォールドエクイティを取りに行くようなハンドにはこれくらいのレンジで十分ということでしょう。
そのため、オールインではやや強いレンジだけを持って微妙なAxやミドル以下のポケットにプレッシャーをかけていった上で、本来イージーにオールインできるようなプレミア系は、オールインするには弱すぎるようなハンドと混ぜてレイズのレンジに組み込んでいく形が妥当ということではないかと思われます。

さらにコーラーを一人増やしてみましょう。

ES40BB COopen→BTN call→SB call→BB ???

一部のプレミア系や3betをする下限ハンド、強いAxsのようにマルチウェイでOOPからでもプレイアビリティがあるハンド等を除いて、
基本的には3betする場合はオールインという選択が取られることがほとんどとなりました。
やはり抑えておくべきは、コーラーが一人ずつ増えていくだけでよりスクイーズの価値が高まり、オールインという選択がかなり高い頻度で選ばれるとことでしょう。
少なくとも、一般的なプレイヤーはここまで広くオールインをできているケースはあまりないように思われるので、もっと幅広にオールインレンジを構築していくことを意識する方がよさそうです。

▼コーラーが複数いる状態では何BBからオールインできるか?


さて、続いてもう一つ検証しておくべきこととして、"コーラーが複数人いる場合の3betALLinの下限ES"というのがあるでしょうか。

同じESでもコーラーが増えればオールイン頻度が高まっていたので、当然オールインという頻度が発生するESも深くなってくることが予想されます。

みて見ると、コーラーが一人だけの場合でも、ES80BBくらいから一部プリフロップでオールインをする頻度があるようです。

ES80BB Co open→BTN call→BB??

ES80BBというと、一般的な感覚ではかなりディープスタックですが、それでもいきなりオールインという選択肢は潜んでいるところなんですね。

100BBだとさすがにコーラー一人だとあまりないですが、2人以上からは頻度があらわれだします。

ES100BB COopen→BTNcall→SBcall→BB???

このあたりは、実践的にやっている人がいれば間違いなくレクラベルを張られたり、頭のおかしい人と見られること間違いなしですが、実はスクイーズの価値は一般的に思われているより高く、結構広くスクイーズオールインというのが肯定されることが多いんですね。


▼本日のまとめ


・コーラーがいない場合、OOPはES40BB位から3betオールインという選択肢が生まれてくる
・ただし、全ハンドで頻度があるというより、特定のハンドのうち一部の頻度があるという形になっているので、どういうハンドが使われる特徴があるかを抑えておく必要はある(基本的には、オールインコールができるところを抑えているAxo、コールされてもエクイティがまずまずあるブロードウェイスーテッドコネクターやミドルポケットが中心)
・コーラーが増えるほどオールイン頻度は高くなり、3betALLinがなされるESも深くなってくる

(おまけ)
冒頭の画像は、某お方に依頼して2分で出てきました

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