BTNvsBB SRP A-L-Lボードの研究(2)OOPのドンクの選択肢とレンジ構築の考え方-1

こんにちは、すきまです。
今回もよろしくお願いします。

▼前回のまとめ

前回は、A-L-Lボードについて概観を検証していった。

Aハイボード自体、IP側がレンジでCBを打てるボードが限られている中で、
特にA-L-Lボードにおいては、よりチェックバック頻度を設けていく必要があるという傾向がある。
中でも、OOP側が一方的に下のストレート・下のツーペアを持ちうるボードにおていは、ドンクの選択肢が相応に生まれてくることがわかった。

今回以降、そのドンクレンジおよびIP側の対応について確認していく。

▼前提の振り返り
・BTN 2.5BB OP → BB CALL
・エフェクティブスタック 100BB
・A+6以下のカードが2枚のボード
・ペア・トリップス・モノトーン除く

▼特定のボードにおけるドンク頻度

OOP側は、特にA+5以下の数字で構成されたボードにおいて一定程度ドンクの選択肢をもちえ、おおよそ10-20%程度のレンジでドンクを打つ選択肢が生まれてくる。

似たようなボード傾向であってもややベット頻度が異なる要因としては、
BB側のナッツアドバンテージの有無によるところが大きい。

つまり、A32のようなボードでは、BB側は32sや45oではディフェンスをせず、45sのストレートはお互いにありうることから、ナッツアドバンテージがBB側にあるとは言えなくなる。
その結果として、ドンク頻度は低下するというのが理屈だろう。

A32ttにおけるエクイティディストリビューション。
ナッツ部分は拮抗しており、レンジ全体的にもIP側が有利を示している。

こういった側面から、よりBBがドンクを打ちやすいボートとしては、
・A53
・A52
・A43
等といった、A-L-Lの中でもBBのレンジに一方的にヒットしうるボードのほうがベターであるといえる。

▼OOP側のドンクサイズ
GTO Wizard上は、33% or 75%の選択肢が用いられているが、
基本的には33%の頻度がかなり高いため、簡易戦略的にドンクベットをするレンジ全体で33%を用いて問題ないと考える。

▼OOP側のドンクレンジ
では、実際に最もドンク頻度の高いA53ttボードを用いて、OOP側のドンクレンジを具体的に紐解いていく。

まず、上記が全体的な概観となる。

このボードに限らず、フロップ全体的な戦略の考え方として、
基本的には全てのハンドでチェックorベットの混合戦略となることが多い。
もちろん例外はいくらでもあげられるが、おおむねの傾向としては、その時々のハンド単体で見ればどの選択肢をとっても往々にして問題がない(=チェックもベットも頻度がある)、というのが典型的である。

何が言いたいかというと、フロップの戦略として考えるべき点としては、

(1)頻度の実現
(2)ターン以降の複数のボードガバレッジへの対応

の主な2点であり、これらを実現するレンジ構築を実現できれば、ハンド単体での頻度の差がGTOと異なっていようとそれほど問題にはならない。

なお、(2)について補足しておくと、要するに様々なハンドでバリューやブラフを構築すべきということである。
例えば、もしフロップはフラッシュドローでしかブラフでレイズを返さないのであれば、
ターン以降そのスートが落ちた際、ブラフレンジが全くなくなってしまうというような状態に陥るというものだ。

どのみち、GTOの示す頻度は人間に実現は不可能なので、
実践的には簡易戦略としてレンジを独自に組み立てていく必要がある。

そういった前提のもと、下記に具体的にベットレンジを構築していく。

▼バリューレンジ

・ストレート/セット/ツーペア

どのボードでも、基本的にナッツ級はベット頻度が高くなるのがGTO的傾向である。
今回もそれにならい、ナッツ部分ではかなりベット頻度が高くなってきている。

とはいえ半々程度の頻度で、チェックレンジにもこれらのハンドを相応に残していることから、ある程度ベットレンジをバランスよく構築していく必要がある。

こういった場面での考え方として、フロップ戦略における以下のような傾向が参考になるだろう。

(1)バックドアフラドロの有無
いわゆるある程度強い人の考え方として、バックドアがない方をよりベットに回すというものがあるが、これは多くのボードでは微差ながら間違いになる。
というのも、GTO的にはむしろ逆にバックドアがある方をよりベットに回す傾向があり、例えば今回のセット・ツーペアのレンジについても、その傾向が読み取れる。

ボトムセットのベット頻度。
♡を抑えているほうが明確にベット頻度が高い。


(2)トップセット(ツーペア)か、ボトムセット(ツーペア)か、ミドルなのか
→基本的には、上記の図を見てもわかるように、ボトム系のほうがよりベット頻度が高くなり、トップツーペア系はチェックに回しやすくなる。

これはどういうことかというと、バリューターゲットとなる相手の抵抗レンジを考えていく必要があり、
この場合においてA5というのは、相手のAヒット・何らかの発展性のある5ヒット等のレンジを激しくブロックしているため、バリューを取りにくいということが言える。

そこで、こういったハンドをチェックレンジに回し、相手のブラフベットに鉄で対抗できるレンジを残しながら、ベットとチェックのバランスを取っていく必要がある。

上記を踏まえると、一例として、
・ストレート→FD,BDFDのある部分でベット
・セット・ツーペア→ボトム部分でベット

等のレンジ構築が考えられ、こうするとおおよそ頻度も実現できているのではなかろうかと考えられる。

(続く)



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