BTNvsBB SRP OOPドンクに対するIPの対応にかかる概観①
(続編というほどではありませんが、前回の記事をお読みいただいてからのほうが、より望ましいと考えます)
さて、先の検証に基づき、BTNvsBB SRPにおいては、ボードによってはBB側から一定頻度の1/3ドンクの選択肢があるということがわかった。
では、実際にOOP側のドンクに直面した場合、IP側はどのような対応を取るべきかということを検証していく。
▼前提
effective stack 100bb
・BTN x2.5bb Open
・BB Call
FLOP ???
・BB 33% bet
・BTN ?
▼概観
さて、OOPから33%のドンクベットを打たれた時のIP側の対応であるが、
まずぱっと見で、抵抗頻度がかなり高いことがわかる。
フロップ全体でみると、Fold頻度はわずかに20.7%程度であり、実におおよそ80%程度のレンジで抵抗する。
そのうえで、ボードによって大きく頻度は異なるが、20%程度のレンジでレイズを返していく。
▼IP側のレイズ頻度について
レイズ頻度が大きくなるボードとしては、本来BB側がほぼドンクを打てないボード(レンジアドバンテージもナッツアドバンテージもないボード)が中心となる。
こういうボードでは、より抵抗頻度があがり、特にロートリップスボードではほぼ全レンジで抵抗したうえで、実に40%のレンジでレイズを返していくことがソリューションとなっている。
一方で、ドンクに対してほぼレイズを返せないボードもある。
代表例としてはモノトーンボードで、基本的にはほぼ全レンジでCALL or Foldの選択肢がとられる。
また、A-L-L等のBB側にナッツアドバンテージがあるようなボードでも、基本的にはレイズを返さない。
それ以外のボードについては、低くても10%程度のレイズレンジが存在し、ボードごとに詳細を読み解いていく必要があると考えられる。
▼コール頻度
戻って、改めて概観を見ながらコール頻度について検証していく。
ドンクに対するフォールド頻度はまちまちであるが、モノトーンボードであったり、A-ブロードウェイ-何かのような、ハンドによっては進展の見込みがないレンジが多いボードについては、若干フォールド頻度が高くなる。
とはいっても、それでもレンジ全体の30%もフォールドに回らないことから、基本的には何かしら絡んでいたり進展性があれば、相当幅広くディフェンスをするというのが前提の考え方となる。
これは、フォールド頻度が低いものから見るとより推測ができる。
トリップスボード・ペアボードなどが中心になってくるが、こういったボードでは、ターン以降ハイカード等が落ちることでお互いのエクイティが大きく変わったり、多くのハンドが相応のエクイティを保持していることから、より幅広に抵抗していく必要があるということになるのだろう。
こういったディフェンス頻度の考え方は、推測するにMDFの概念からきているものと考えられる。
前回のOOPドンク頻度の検証で見てきたが、フロップ全体において、OOP側がレンジ優位になるボードはかなり限られており、また数少ないOOPがレンジ優位となるボードでも、ほとんどエクイティの差はないことがわかった。
であるならば、OOPの1/3betに対しては、少なくともMDFのラインである75%というのが一つの基準となった上で、IPと元々のレンジ優位を活かしてそれよりも広くディフェンスする、という解釈はどうだろうか?
この解釈については、正しいかどうかはあまり自信がないが、とにもかくにも基本的にはOOPの1/3size ドンクベットに対しては、75%以上のレンジでディフェンスするというのを念頭に、ボードによってはそこそこ幅広にレイズを返していく必要がGTO的ソリューションだという結論は抑えておくべきかと思う。
そして、ここからはエクスプロイト的観点であるが、実際にドンクを打った場面で、これほど広くディフェンスしたりレイズを返せているプレイヤーは少ないと感じた。実際、自分自身はそうだったと感じている。
であるならば、OOP側でドンクの選択肢があるボードでは、通常よりも高めの頻度でドンクを検討したうえで、相手のオーバーフォールドを狙うというプレイングが一つ有効になってくるのではないだろうか。
▼本日のまとめ
・BTN vs BB SRPにおけるOOP 1/3ドンクに対しては、原則としてMDFのラインである75%以上を基準に抵抗していく。
・そのうえで、特に本来BB側にレンジアドバンテージないしナッツアドバンテージがないボードを中心に、かなり幅広にレイズを返していく必要がある。
・モノトーンボード・A-L-LのようなBB側にナッツアドバンテージがあるボードにおいては、Call or Foldとなる。
・ペアボード・トリップスボードのような、ターン以降ハンドの強さが変わりやすいボードにおいては、よりディフェンス頻度があがる。
次回は、またA-L-Lボードに戻って、具体的なドンクに対するディフェンスレンジを検証していきたい。
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