フロップOOPのx/rサイズについて(1)
▼導入
フロップOOPでのチェックレイズという戦略は常に検討されるべき選択肢である。
適性な頻度よりもチェックレイズを返せない場合、相手は脳死でCBを打つという至極簡単な戦略でエクスプロイトできることになり、多くのプレイヤー層相手にマイナスを抱えることになってしまう。
そのため、一定のx/r頻度を持つべきことはいうまでもないが、論点はx/rというアクションをするか否かのほか、このx/rのサイジングをどうするかという点も考慮しなければならない。
そこで今回からは、最もティピカルであるBTNvsBB SRPのGTO wizard上の集合分析を用いて、相手のCBサイズやボードに応じて、どの程度チェックレイズを返すべきかの検証を行っていきたい。
▼前提
ES 100BB
BTN x2.5BB open
SB fold
BB Call
Flop ???
BB check
BTN ??% bet
BB ??% raize
▼全体概観
まずは、特定のボードに限らず、相手のCBサイズに応じてどのように変化するかの全体傾向を見ていく。
vs33% CB
![](https://assets.st-note.com/img/1657693103315-afAIpGsRo4.jpg?width=1200)
vs50% CB
![](https://assets.st-note.com/img/1657693169191-QPIDjgUnPl.jpg?width=1200)
vs 75% CB
![](https://assets.st-note.com/img/1657693256961-AS5IIELVHz.jpg?width=1200)
vs 125% CB
![](https://assets.st-note.com/img/1657693311118-9bw5edSSCK.jpg?width=1200)
以下、上の表を踏まえてまとめてみよう。
CB size / 50% xr(%) / 100% xr(%) / xr頻度計(%)
33% / 9.3% / 4.6% / 13.9%
55% / 7.3% / 3.3% / 10.6%
75% / 6.0% / 1.7% / 7.7%
125% / 5.2% / 0.6% / 5.8%
これらからいえることとしては、
・相手のCBサイズが大きくなるほど、そもそものx/r頻度は下がる
・相手のCBサイズが大きくなるほど、x/r Sizeは50%sizeに寄る
という前提のもと、
一番50%raiseがつかわれる33%CBに対しても、2/3は50%のsizeが用いられることから、迷ったら50%raiseを使うという形にしておけば間違えることは少ない。
ただ、ボードによっては、ほぼ50%sizeが用いられるボード、ほぼ100%sizeが用いられるボードと大きく分かれるため、
まずは33%CBに対する対応を以下で検証していく。
▼ボードテクスチャー別の33%CBに対するx/rサイズ検証
どういったx/rサイズが用いられるという判断要素には、相手のベットサイズのほかに、ボードテクスチャーがどうかというのも存在する。
そういった軸で考えた際、まずほぼほぼ安いx/rしか使わないというボードを確認していく。
①モノトーンボード
![](https://assets.st-note.com/img/1657850736842-55Ih2YJLnj.jpg?width=1200)
まずはモノトーンボードについては、基本的にどのボードであっても高いサイズのx/rが使われることはほとんどない。
そもそものCBサイズも小さいサイズしか使われないが、こういったようなナッツが拮抗していてほかのボードに比べてもまくり目が大きくないような場合は、安いサイズが使われる傾向にある。
②トリップスボード
![](https://assets.st-note.com/img/1657850935915-sPmS6tiV65.jpg?width=1200)
トリップスボードも、x/r頻度は高いが基本的にはsizeは50%一択が用いられる。
③ペアボード(原則)
![](https://assets.st-note.com/img/1657851060493-EAz8KxILBF.jpg?width=1200)
ペアボードも、基本的には50%sizeのレイズサイズが用いられることが大半であるが、一部例外があり、
![](https://assets.st-note.com/img/1657851157842-rx47sbUcuf.jpg?width=1200)
ブロードウェイ+ローカード2枚のようなボードでは100%サイズも用いられるようになり、
特にA+ローカード2枚では、ほとんど100%sizeしか用いられないというのは特徴的である。
④ローボード(7ハイ以下)
![](https://assets.st-note.com/img/1657851383858-0jD7upH6O0.jpg?width=1200)
このあたりになると、一律とは言えなくなってくる頻度にはなるものの、基本的には50%サイズを使っていればそれほど間違うことはない。
おそらく考え方としては、ポラライズさせるというよりかは、大量にあるツーペアやトップペア・ヒットドロー等を広くレイズレンジに入れ、相手のハイカードなどにプレッシャーをかけるというのが基本的な戦略となるのであろう。
⑤BTN側がポラライズベットを選択できるようなボード(例:AKx)
このようなボードでは、安いCBを打たれたとしてもまだまだ大量に強いハンドがIP側に残っており、逆にミドルポケット等という弱いレンジは基本的にx/rに耐えられないため、安いサイズで十分となる傾向がある。
⑥コネクトボード、特にツートーン(例:QJT)
ストレートドロー・フラッシュドローが両方見えるようなボードでは、ポラライズさせて高いベットを使いたい気もするが、GTO的には安いサイズが用いられる傾向がある。
▼本日のまとめ
・フロップのx/rサイズは、基本的には50%sizeが用いられるケースが多いが、ボードによっては100%sizeしか使われないボード、50%しか使われないボードがあり、見極めが必要
・相手のCBサイズが大きい程、レイズ頻度自体が下がり、レイズサイズも小さいサイズによる傾向がある
・50%sizeが主に使われる傾向のボードとして、モノトーンボード・トリップスボード・ペアボード・ローボード・IP側がポラライズできるボード・コネクトボードなどがあげられる。
これらをふまえ、次回は100%sizeのみが用いられるボードの傾向や、混合戦略となるボードの特徴を確認していく。
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