【MTT】ショートスタックにおけるプリフロップ戦略(2)10BB台エフェクティブでのオープンレイザーの戦略

今回は前回記事の続きとなります。

【MTT】ショートスタックにおけるプリフロップ戦略(1)30BB~20BBエフェクティブでのオープンレイザーの戦略|すきま|note

さて、前回は30~20BBエフェクティブにおけるオープンレイザーの戦略を検証しました。
おおよそ25BB位から、キャッシュゲームではあまり見受けられないようなOpen Limp、ALL inが正当化されてくることがわかりましたが、
これがさらにESが浅くなった10BB台ではどのようにオープンレイザーの戦略は変化するのか。
引き続き検証していきたいと思います。

▼具体的な検証

※前回に引き続き、GTOWizard Chip Ev/リンプありのソリューションを参考に執筆していきます。

【17BB】
まずは、20BBより若干浅くなった17BBエフェクティブにおいて、戦術がどのように変化するかを見ていきましょう。

このあたりのESになる、20BB時点より更に多くのポジションで、更に多様な選択肢が用いられてきます。

LJ・BTN・SBのオープンレンジを確認してみましょう。

LJオープンレンジ
BTNオープンレンジ
SBオープンレンジ

20BBエフェクティブ時と違って、リンプ・オールインのレンジが増え、これらの選択肢が用いられてこなかったポジションでも頻度が出てくるというのが特徴です。

これは、単純に20BBではオールインするにはやや弱かったようなレンジが、エフェクティブの低下によりオールインができるようになるというのが大きな理由かと思います。

ALLinを行うハンド群の傾向はあまり変わらず、プレイアビリティが低いAx、ミドル~ローポケットやブロードウェイオフスートが中心で、
コールされるところにも一定のエクイティが存在したり、相手のコールするレンジをブロックできているようなハンドを中心に構成しながら、
一部スーテッド系のハンドを混ぜていくことになっています(このスーテッドはポジションによって構成が異なり難しいですが、多くのポジションで廃カードとしてはやや弱い、ブロードウェイのスーテッドギャッパーは割と適してそうです)。


【12BB】
更に5BB分浅くなり、12BBになるとどうなるでしょうか。
M値的には、1BBアンティだと5を切っている段階ですね。

このあたりになってくると、今度はレイズという選択肢がほぼなくなってきています。

BTNオープンレンジ

特にレイトポジションでは、今までよりかなりレンジを絞った上でリンプorオールインの選択肢がとられています。
リンプレンジはかなりポラライズされた形となっており、ハイポケット・AKs・AQsあたりのエクイティが高いハンドを隠れ蓑に、x9oや弱いスーテッド等でリンプレンジを広げる戦略を取っていますね。

逆に、ブロッカー効果やプリフロップ時点でのエクイティは高いが、それほどポストフロップを積極的にやりたくないようなハンド、ミドル・ローポケットやAx・そこそこのKxあたりはピュアに入れることが多くなってきます。


一応アーリーポジションではまだ2bbレイズの選択は取られうるが、それでもそこまで頻度があるわけではなく、基本的にこれくらいのエフェクティブになってきたならばLimp or ALLinの選択で十分といえそうです。


▼本日のまとめ
・10BB後半代では、よりALLinとLimpの頻度が増えてきて、ALLin・Limp・2BB raiseがそこそこの頻度で混合してくる
・10BB前半位になってくると、Raiseという選択肢がなくなってきた上で、Limp or ALLinのレンジ構成になることが多い

次回は、10BB以下のショートスタックについて検証していこうと思います。


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