【フロップ研究】ブロードウェイ三種ボードの研究(2)―KTJレインボー


前回、ブロードウェイ三種のボードでは、ベット頻度は高いがベットサイズ自体は幅広く用いられることがわかった。
今回は、具体的なベットレンジについて、KJTレインボーを例にとって検証していく。

▼全体概観

さて、さっそく見てわかるように、かなりベットレンジとしては幅広く、ほぼ全レンジでベット頻度がかなりある状態だ。
そのため、レンジで安ベットをしたところでそれほど間違っているわけではないが、チェック頻度を高く持つハンドも相応に存在している。具体的にいうと、
・Tヒット(特にBDFDがある部分)
・Jヒット(弱キッカー・BDFDがある部分)
・ミドルポケット
このあたりはショウダウンバリューがあるのと、レイズを返されるとエクイティ放棄をさせられることになるので、相応にチェック頻度があるということなのだろう。

そのうえで、これらのハンドのみをチェックに回していると、あまりに微妙なハンドしかチェックレンジに残らないので、
これもややマージナルであるがQJやQT等、相手のターンの大きなフロートに耐えられるレンジもチェックバックに含めることでバランスを取る。
ただ、セットやストレート等、ナッツ級のレンジはあまりスロープレイされないというのも見て取れる。

その他のレンジについては、それぞれ微妙にチェック頻度はあるものの、全頻度でベットに回したところでそれほどEVロスはないだろうと思う。

(ベットサイズについて)
ベットサイズ自体も、基本的にすべてのハンドで特定のサイズのみを用いるということはなく、一定の頻度で33%-50%-75%がまぶされている形になっている。
ただし、これを人間が再現することは難しいため、簡易戦略としては間を取って、ベットレンジ全体で50%ベットを打っていくことでそれほど問題はないだろうと思う。


▼OOP側の戦略について

BTN側の幅広いCBに対して、OOP側はどういったディフェンス戦略を取っていくことになるのだろうか。
まず、それぞれのCBサイズにおける対応の全体感を見たうえで、具体的にレンジへと落とし込んでいきたい。

・33%betに対する対応

・50%betに対する対応

・75%betに対する対応

こうして見比べてみると、まず全体感としては、当然のことながらCBサイズがあがるほどフォールド頻度は増え、レイズ頻度も下がるという形になっている。

ただ、レイズでいうと、基本的には頻度の差だけでレイズに回すハンド自体は変わらない。
大きく抵抗の有無が変わるのはコールレンジであり、まずはその点を少し紐解いていきたい。

▽OOPの抵抗レンジ
33%,50%,75%で対応が違うため、まずは33%sizeでの対応を確認した上、サイズが大きくなるとどのような部分が削られていくかを検証していきたい。

・33%への対応(再掲)

基本的にはヒット系は降りないが、ポケットあたりは基本的に降りて十分となる。
99のようなガットがついていたとしても、コールして得になることはなく、
こういったブロードウェイボードではポケットの価値が大きく下がることが見て取れる。

また、フラッシュドロー、ストレートドロー等、ダイレクトなドローがある場合は継続していく点は他の種類のボードと共通であるが、特筆すべき点はA持ちガットはそこそこの頻度で降りるという点である。

特にAxsでは、バックドアのない部分はほぼ純粋フォールドとなっており、Axoもキッカーの弱い部分では大体降りるようになってくる。
この点で、他のボードと違ってワンオーバーかつ上のガットの評価がかなり小さくなっていることがわかる。

というのも、普通はワンオーバーガットは安ベットには降りないのが一般的なので、これはブロードウェイ3種ボードに割と特徴である部分かと思う。

その他、トラッシュハンド系はおとなしく純粋に降りておいて問題ない形となる。

・50%betへの対応(再掲)

では、これがハーフサイズになるとどこが削られるかというと、まずは弱いボトムヒットは削られ始める。

これは他のボードでも割とティピカルであり、弱いボトムヒットは、安ベットに対してはコールするものの、ハーフ以上になってくると徐々にそぎ落とされる対象になってくる。

今回のボードにおいてもそれに倣って、Tヒットのうちバックドアやガットのない部分はここで諦める対象とする。
その上でJヒット・Kヒットは基本的には降りず、OESDなどの強いドローも継続していく。

・75%betへの対応

75%の大きいサイズになってくると、Tヒットはますますつよいバックドア以外の部分を諦め、Jヒットについても諦めるレンジがそこそこ出てくる。
バックドアやガットのついてないセカンドペアもここで落とされ、
A持ちはバックドアがあっても基本的にはあきらめる対象になってくる。


▼本日のまとめ
・ブロードウェイ三種ボードでは、レンジベットでもそれほど間違っているわけではないが、ややマージナルな部分を中心にチェックレンジを持つ形がより正しい戦略である。
・ベットサイズとしては、すべてのベットサイズが一定頻度で用いられるが、簡易戦略としてベットレンジ全体で50%sizeを用いてそれほど間違ってはいないと考えられる。
・CBを受けたOOP側の視点に立って、A持ちガットの価値はそれほど高くなく、安ベットにさえも降りるレンジが相応に存在するのは特徴的である。



次回は、具体的にOOP側のx/r頻度とレンジ構成、x/rに対するIP側の対応を紐解いていきたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?