BTNvsBB SRP A-L-Lボードの研究(1)全体概観-OOPのドンク頻度とIPのCB頻度
はじめまして。すきまと申します。
普段はKKpokerの100flを中心に稼働しています。
最近ポーカーの勉強で、各フロップについてGTO wizardで研究するのが日課なのですが、
せっかくであれば研究の成果を皆さんと共有しながら一緒に強くなっていければと思い、Note執筆を開始しました。
ただ、私自身がポーカー歴がまだ浅く、基本的には独学なので、間違った解釈も多くあると思います。そういった際は、お気軽にご指摘いただけますと幸いです。
では、皆さんのポーカー上達の一助となれれば幸いです。
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▼今回の前提
一般的なBTNvsBBのSRPを想定しています。
①BTN 2.5BB OPEN→BB CALL
②フロップ A-L-L
・Aと6以下のカードのみが落ちたボードを想定。
・モノトーンボードとペアボードを除く(別途独立して研究するため)。
▼導入
Aハイボードは、一般的な感覚としてはオリジナル側が優位という印象を持たれがちであり、かなり幅広くレンジで安CBが打たれる傾向があると思われる。
しかしながら、その認識はGTOのソリューションとは大きく乖離があり、実はAハイボードというのはむしろCB頻度が低い傾向にあるボードである。
(Aハイボード全体(ペア・モノトーン除く)のCB頻度)
![](https://assets.st-note.com/img/1655261215296-yy9C9VPpX0.jpg?width=1200)
BTNvsBBのSRPにおけるフロップ全体で、チェック頻度が46%程度である中、Aハイボードでは54.1%と、むしろチェック頻度が高いという傾向がみられる。
特にA+ブロードウェイ+ローというボードでは、基本的にはポットオーバーorチェックでレンジを構築するのがソリューションであり、
一般的に用いられるレンジで安ベットというのもそれほど間違っているわけではないものの、本来あるべき戦略ではない。
そのようなAハイボードの中で、今回はまずA+L+Lという構成のボードに着目し、どのようなベットレンジを構築していくのが妥当かを検証していきたい。
▼OOPチェックに対するIP側の対応-全体感
さて、順序的には本来OOPのドンクレンジから検証すべきところであるが、
実践的には基本レンジチェックでIPに回ってくることが多いことから、まずはこの点から検証していこう。
全体感としては、以下のような感じとなる。
![](https://assets.st-note.com/img/1655261744689-pVY945a4EF.jpg?width=1200)
・CB頻度
基本的には、かなりチェックが多いことがわかる。
ALLボードにおけるチェックバック頻度は60%と、Aハイボードの中でもより高い値を示しており、やすやすとレンジベットを打っていけるボードではないという形だ。
最もベット頻度が高くなるボードでも53%程度にとどまり、
ALLボードでは半分かそれ以上のチェックレンジの構築が必要となってくる。
・ベットサイズ
安いサイズが好まれる。
一応50%以上のベットサイズも、頻度としてはあるが、
どのボードでも50%以上のサイズをすべて足し合わせても33%sizeより多くなることはないため、
簡易戦略として33%sizeのみを用いていれば十分と考える。
これはどういうことか推測するに、エクイティディストリビューションを紐解いていけば傾向が見えてくるのではないだろうか。
![](https://assets.st-note.com/img/1655262555151-w3VmGNDDWq.jpg?width=1200)
上記は一例として、A62ツートーンボードにおけるエクイティディストリビューションである。
見るに、ナッツ級のアドバンテージはそれほどなく、80%以上のエクイティを持つハンド群の差でもそれほど大きいアドバンテージがあるわけではない。
また、エクイティ60%未満の部分についてもやや拮抗しており、BTN側のアドバンテージの中心となってくるのはエクイティ60%-80%部分となっている。
そう考えると、ナッツアドバンテージを生かしてポラライズしていくほどのボードではないことから、安いベットサイズが好まれることになるのであろう。
そのため、IP側の戦略としては、「狭く安く」が中心となってくるボード群ということになる。
▼OOP側のドンク戦略
というか、これほどIP側がレンジを絞って打たないといけないのであれば、そもそもOOP側はドンクの選択肢があると考えるのが妥当ではないだろうか。
というわけで、次にOOP側のドンクの選択肢について考えていこう。
![](https://assets.st-note.com/img/1655263130893-Hk7XVgXzWn.jpg?width=1200)
上記のように、ボードによっては多少のドンクレンジが存在することがわかる。
中でも傾向としては、フロップストレートがありうるボードを中心にドンク頻度が高くなっているというものが読み取れる。
どういうことかというと、こういったボードにおいては、ナッツアドバンテージが逆転している傾向があるといえる。
つまり、BTN側は24s,34sのような下のスーテッドハンドでオープンはしないが、BBはそのあたりも含めて幅広くディフェンスしているため、
ナッツハンドはBBしか持ちえないという状態が発生している。
当然AA等のトップセットはBTN側にしかないものの、55/33はお互いにあり、ツーペアのコンボ数は35sをディフェンスしているBB側がやや多くなる。
こういったところを加味すると、例えばA53ボードのエクイティディストリビューションを見るとナッツアドバンテージが逆転しており、
BB側からポットを構築していくインセンティブがあるということにつながるのだろう。
![](https://assets.st-note.com/img/1655263703695-CqoqPd4QTe.jpg?width=1200)
そのため、次回以降はまずBBのドンクレンジについて紐解いていったうえで、それに対するIP側の対応を中心に検証していければと思う。
【まとめ】
・BTNvsBBのSRPにおいて、Aハイボードは通常のフロップと比べてもチェック頻度が高い傾向がある
・特にA+ローカードが2枚落ちたようなボードでは、Aハイボードの中でもチェック頻度が高い
・フロップで下のストレート、下のツーペアを一方的にOOP側が持ちうるボードであれば、ドンクの選択肢が生まれてくる。
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