A-L-Lボードの研究(7) IPのCBに対するチェックレイズ攻防
(振り返り)
これまで、A-5-3ツートーンボードを題材に、OOPのドンク戦略・IP側のCB戦略について考察してきた。
こういったBB側に一方的にストレート・下のツーペアといったナッツアドバンテージがあるボードでは、そこそこの頻度でドンクが打て、IP側もレンジを絞って安くCBを打つことが主な戦略になることがわかった。
では、実際IP側がCBを打ってきた場合、OOP側はどのように対抗していくのがよいのだろうか?
▼概観
![](https://assets.st-note.com/img/1656553281718-gDiSszlwlw.jpg?width=1200)
ディフェンスレンジとしてはそれほど違和感がなく、ヒット・ドロー系はもちろん、BDFDのあるKハイを下限として守っている感じである。
ただ、ここで注目すべきはレイズ頻度である。
元々BB側にナッツアドバンテージがあったボードにもかかわらず、それほどレイズ頻度が高くないのは、
・BB側の強いハンドは、ドンクを打っている頻度もそこそこ存在すること
・IP側も、レンジをかなり絞り込んだうえでCBを打っていること
ということから、これらのアクションを経てもともとあったナッツアドバンテージは消失し、それほどレイズを返せるハンドは残っていないということになるのだろう。
![](https://assets.st-note.com/img/1656553633699-y52wCIbnib.jpg?width=1200)
そのため、OOP側がレイズを行う場合、レンジを絞り、ポラーなレンジで100%レイズが中心になっているのだろう。
ただ、実践的には、そもそもGTOの示す頻度でドンクをBB側が打てていないであろうこと、
IP側のCBも(レンジチェック開始ならより一層)本来打てる頻度よりも多分に打っていることが多そうなこと。
これらを加味すると、OOP側は幅広にレイズを返したところとて、それほど間違ったことにはならないと思うものの、GTO的な原則としてはまず抑えておくべきところだろう。
では、具体的にどういったレンジで100%レイズを返していくのか?以下でレンジ構築を見ていく。
▼バリューレンジ
・ストレート・セット(・ツーペア)
![](https://assets.st-note.com/img/1656554085051-GqGvUjWBAS.jpg?width=1200)
すべてのストレートと多くのセットをバリューレンジとして組み込んでいる。
逆にツーペアになると、基本的にはコールダウンしていくハンドになっており、チェックコールレンジの保護を行っている。
・セカンドペア・サードペア?
![](https://assets.st-note.com/img/1656643525781-6NbW2SfPD3.jpg?width=1200)
基本的にはチェックコールで十分であり、バリューとして打つには弱く、ブラフとして打つには強すぎるが、こういったセカンドペア・サードペアというのは、特にキッカーが弱い部分を中心に一部レイズに回されがちである。
理由としては、以下のようなものが想定される。
・ハイカードへのプロテクション
・将来のブラフ候補
・ターン以降のボードガバレッジ
ここでいうと、56,52,32など、キッカーが弱く何らかのバックドア・ドローがついているものを中心に、レイズにに回されがちな部分があることがわかる。
実践的には抜け落ちがちな部分だと思うので、意識的に組み込んでいきたい。
▼ブラフレンジ
・コンボドロー
![](https://assets.st-note.com/img/1656643848594-jESfYS7mug.jpg?width=1200)
コンボドローについては、単純にドローとしてエクイティが高いため、ブラフレイズに回されがちである。
が、当然全部を回すわけではなく、この場合でいうとKハイのようなハイカード系はショウダウンバリューもあるのでコールに回し、
それ以下のショウダウンバリューがないハンドは積極的にレイズに回される頻度が高くなる傾向がある。
・ストレートドロー
![](https://assets.st-note.com/img/1656644993886-5IxrQnXvlx.jpg?width=1200)
ストレートドローは、OESD・ダブルベリーをレイズに回すが、ガット系まで積極的に回すとすぐにブラフ過多になるため、
ダイヤのバックドアがあるようなハンドを除いて基本的にはコールで粘るレンジとなる。
・フラドロ
![](https://assets.st-note.com/img/1656645105415-olSKR50k2O.jpg?width=1200)
フラドロも基本的にはチェックコールがほとんどであるが、6持ちなどのうちショウダウンバリューが低いところは、バックドアストレートもあるのでレイズを返していく選択肢が出てくる部分だろう。
・その他役なし
![](https://assets.st-note.com/img/1656645266150-VlVTly9kTU.jpg?width=1200)
基本的には粘らずにチェックフォールドとなる。
▼レイズを受けた場合のIP側の対応
![](https://assets.st-note.com/img/1656645544170-ZXQU632dg0.jpg?width=1200)
基本的にはIP側はコールorフォールドで、フロップ3betを返すレンジはほとんど存在しない。
基本的に強いメイドハンド・強いドローは降りず、具体的には
・ツーペア、セット
・フラドロ
・OESD
・ワンヒットドロー
等は降りない。
単純なワンペアは境界になってくるが、
・バックドアフラドロ・バックドアストレートドローのあるAは100%コール
・単純なAミドルキッカーはほぼフォールド
・AT以上は頻度になってくるが、半分程度の頻度で降りる
という継続レンジになっている。
▼まとめ
・BB側は、強いレンジはそこそこドンクを打っている頻度も存在するので、チェック→BTN CBを経た局面では、BTN側にナッツ&レンジアドバンテージがある
・そのため、チェックレイズ頻度自体はそこまで多くはない。チェックレイズをする場合は、100%サイズの大きいレイズサイズを使い、フロップからポラライズしていく形となる。
・IP側はポラライズされた100%レイズに対して、基本的にはコールorフォールドで対抗する。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?