【フロップ研究】ブロードウェイ三種ボードの研究(4)―AKJレインボー 全体概観

さて、今回はブロードウェイ3種ボードのもう一つの特徴があるボード、つまりポットオーバーが用いられる具体的なボードとして、AKJレインボーを例にベット頻度やベットレンジの検証、簡易戦略化をしていきたい。

▼前提

6max NLH
Effective 100BB

BTN x2.5bb open
BB call

Flop:AKJレインボー

BB:check
BTN ???

▼IP側のベットレンジ概観

さて、まずはベットレンジの全体からみていこう。
基本的には、全レンジについてどのアクション・どのベットサイズも相応の頻度があり、ハンド単体で見るとなんのアクションを取っても間違いであることはあまりない。
ただ、結局のところは頻度の実現ということで、実践での再現可能性を考える必要がある。

つまり、こういった4種類のベットサイズレンジをバランスよく構築し、チェックレンジまで設けるというのは、人間的にはかなり難易度の高いプレイングであることから、
「1種のベットサイズに応じたレンジorチェック」で簡易戦略化することを目標にしていきたい。

そうすると、ベットサイズごとに頻度が高い部分を見ていくと、①125%→②75%→・・・と、高いサイズが使われやすい傾向がややあることが見受けられるので、すべての間をとって75%size bet or Checkでバランスを取るベットレンジの構成を検討していきたい。


▼ベットレンジの構成

では、具体的にベットレンジをどのように構築していくか。
フィルター機能を用いて、役ごとのベット傾向をまずは確認していく。

再掲

まず全体的には、ストレート・セット・ツーペア・トップペアの強い部分はやや高い頻度でベットし、セカンド・サードペア、ローペアのような少しマージナルな部分でのベット頻度は下がる傾向が見受けられる。
そのうえで、ブラフレンジとしてはQ持ち・T持ちのガット、一応ダブルバックドアのあるような部分を中心に構築し、バランスを取っているように見受けられる。

以下、詳細に確認していこう。


・ストレート・セット・ツーペア
基本的にベット頻度が高い。ボード全体としてベット頻度が高い中、当然バリューでのベットレンジというのは上げていかないといけないが、特にナッツクラスのハンドではベット頻度が大きくなる。
そのうえで、チェックレンジの保護の観点から、AAのようなトップセットを一部チェックに回すレンジ構成となっている。

・トップペア
こういったターン以降強さがかわりにくいようなボードでは、トップペアはそれほどベットに回されずチェックレンジに残す傾向が見受けられる。
下のトップペアに対してバリューがとりやすく、相手の数少ないツーペアにもまくり目のあるAQ・ATあたりはベットに回したうえで、残りのミドルキッカーはチェックレンジを多めに持つことで対応していく。
ただ、それだとチェックレンジにAが残りすぎてしまうので、バックドアのついたAxsあたりを主にベットレンジに回すことでバランスを取るとよいだろう。

こういったAハイボードでのトップペアのベット頻度は、トップペアの強さ・全体的なベット頻度によっても大きく変わるが、基本的には半分以上のベット頻度を持つことは少ない傾向があると思われるので、その前提のもとレンジ構築を考えるのがよいと思われる。

・2ndペア、3rdペア

基本的にはチェック優先というのはどのボードでも共通だが、ターン以降セカンドランク・サードランクのカードがペアった時のための対応として、多少のベット頻度は用意しておく必要がある。
こういった場合、特にキッカーが高く、一応ドローもあるようなKQ、KT、QJのようなややエクイティが高い部分をベットに回したうえで、その他はチェックバックとすればある程度バランスが取れたレンジが実現できるだろう。

・ガットショット
このようにハイランクが落ちたボードでは、オリジナル側に何かしらの形で絡んでいるハンドが多く、かつバリューでベットしていきたいハンドが大量にあることから、割とブラフレンジを作るのに苦心していくようなボードとなる。
そのため、ガットショットのようなストレートドロー系は積極的にベットに回して、バリューとのバランスを取っていく形となる。

・ポケットペア

特にこういったブロードウェイカードが2枚以上落ちたボードに特徴的であるが、オリジナル側に強いハンドが多すぎて、のちのちのストリートを考慮してブラフレンジが足りなくなるようなボードでは、このようにポケットペアをブラフレンジに組み込むケースが往々にしてある。

こういったケースでは、各ローポケに一定のベット頻度を散らすというのがGTO的解になりがちだが、だいたいのところ22-44あたりをベットに回す、見たいな純粋戦略に修正しても実践的にはそれほど問題はないと思われる。

・ノードロー系

このボードに限らずだが、BDFDすらもないかすってないハンド群は、安ベットで降ろしに行きたくなるものの本来的には正しくないプレイングとなる。
基本的にはチェックフォールドのラインで十分となる。

・バックドアドロー

一方で、バックドア、特にバックドアストレートドローまで見えるような部分では、かなりベット頻度が高くなる。
こういったことを踏まえると、やはりベット頻度が相応に高いようなボードでも、ごみハンドでは割とチェックフォールドのラインに入れつつ、場合によってはターンやリバーでのブラフレンジとして残しておくというのが妥当なプレイングとなることが多いのだろう。

(続く)

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