第363回数検1級1次試験の感想

今回は、2020.10.25(日)に実施された第363回数検1級1次試験の感想をシェアします。個人の感想なのであしからず。。。

問題1  4次方程式の解と係数の関係
 4次方程式の解と係数の関係を使う問題は、何年か前に2次試験で見たことはありますが、1次試験では初めてみました。もちろん知らなくてもちょっと展開計算すればある程度予測が立てられるので覚えてなくてもいいと思います。解と係数の関係を使えば、簡単な連立方程式に帰着できます。

問題2  複素数の計算
 なめてますね。オイラーの等式にz=-6iを代入するだけ。暗算で5秒。以上。まぁ、ありがたい問題ですので1点いただいておきましょう。

問題3  空間の幾何学(空間ベクトル)
 2平面の交線とある1点を含む平面の方程式を求める問題でした。2平面のそれぞれの法線ベクトルから外積計算をすればすぐに交線の方向ベクトルが得られます。解き方はたくさんありますので、自分の好みのやり方で。

問題4  ライプニッツの公式
 x^2•e^(-x) の第5次導関数と第10次導関数を求める問題。見た瞬間焦りましたが、g=x^2とでもおいてライプニッツの公式を適用すればg’’’以降は0になるので、結局初めの3項くらい計算して終了。相方がe^(-x)でよかった。

問題5  負の二項分布の期待値と分散
 負の二項分布とは意表を付かれました…。二項分布や幾何分布のように公式を知っていれば瞬殺、知らなければ計算地獄にハマる問題です。私も正直公式覚えてなかったので捨てました笑。いま一度おさらいしておきます。

二項分布:成功確率pの事象をn回行ったときの成功回数k
幾何分布:成功確率pの事象をn回行ったとき、成功するまでに要した失敗回数k
ファーストサクセス分布:成功確率pの事象をn回行ったとき、成功するまでに要した試行回数k
負の二項分布:成功確率pの事象をr回成功するまでに要した失敗回数k
※負の二項分布は幾何分布やファーストサクセス分布などと同様、定義の仕方に流派があるので注意です。上記説明は例の一つです。

問題6  固有値計算
 3次正方行列の固有値計算なので(4次に比べて)だいぶ簡単でした。

問題7 三重積分
 なんのひねりもない累次積分。重積分を少しかじっただけで解けるレベル。


全体の感想
 負の二項分布は盲点でした。今後は幾何分布や負の二項分布を連続化させた分布(指数分布やガンマ分布)なども出題される可能性があるかもですね。期待値と分散くらいは覚えておくと役に立つかも。
 これ以外は極めて標準的な難易度だったかと思います。ライプニッツの定理や4次方程式の解と係数の関係もドキッとしますが、落ち着いて考えれば、大丈夫!という感じ。

最後になりますが、受験された皆様、お疲れ様でした!今回の検定の感想などぜひ聞かせてください!それでは。。。

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