2018/4/26(木) 親切な不親切

アニメKのシナリオ執筆。ここまで原作マンガに忠実なのは初めてなので、これはこれで四苦八苦。そりゃコマで巻き起こってる出来事を忠実にセリフ・ト書き化していけばいいのだろうが、動画にすれば冗長になるところを削ることも必要だし、逆にマンガ特有の「間」や「空気感」を動画に落とし込んだ時には見せ方が変わるしで、総じてコマとコマを橋渡す作業は、これはこれで面白い。——なんてことを考えながら丁寧にシナリオ化したら、あらら。今度は尺オーバー。まあカットはできるから、慣れないうちはとりあえず全部シナリオ化して、完成後カットしたほうが遠回り気味だが早いかな、なんて思ったり。書いていくうちに、カットの当て勘も培われてくる気がする。

ところで、上手なシナリオライターが書くシナリオは、読んでて画が見える。原作モノの場合、セリフはそのまま転用であることが多いため、肝になっているのはト書きな気がする。大人数が分担作業で関わるアニメのシナリオは、イメージの共有を目的とするのが大原則。シナリオ、いうより、情緒も込めた設計図、という概念の方が近いかも知れない。誰もが一目見てわかる「親切さ」が何よりも大事だ。

僕にとって長い間、台本=戯曲だったので、この辺の概念は新鮮だった。戯曲は往々にして、いい意味で「不親切」だからだ。そして、この「不親切」の良さは、その世界観づくりが、読者の想像力に委ねられることだ。不親切さが要求される戯曲の場合「どこまで書くか」に悩んでいたが、親切さが要求されるアニメシナリオの場合「どこまで書かないか」でまた悩む。そりゃ親切な方がいいけど、詳しく書けば書くほど、漫画本来の持つスピード感とかも失われる気がしてならない。あと、単純に読みづらいよね。

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で。夕方。さすがに忙しい日々に心も乾いてきたので、原チャリでスーパー銭湯へひとっ走り。サウナと水風呂を4往復してリフレッシュ。帰りに気になっていた蕎麦屋へ寄り「更科そば」なるものを食べる。白い蕎麦。香りが甘く、求めていたものと違ったが、これはこれで美味しかった。

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