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『私はとても苦しんだ』引退後のうつ病

かつてシェフィールド・ウェンズデイでプレーした選手らが、今現在苦しむ方々の助けになればと引退後のメンタルヘルスとの闘いについて明かしました。

元記事はこちら。リンクの下からが本文となります。


8月15日、ソープ・ヘズリー&ハイ・グリーン・クリケット・クラブ(THGCC)に300人の観客が現れた。

元シェフィールド・ウェンズデイのジョン・シェリダン、マーク・クロスリー、ナイジェル・ジェムソンら元プロフットボーラー10人が、メンタルヘルスのチャリティやNHSが提供するサービスへの寄付金集めの活動の一環として THGCC を相手にトゥウェンティ20マッチでクリケットの力量を披露するのを見るためだ。

ほかのビッグネームとして、元シェフィールド・ウェンズデイのディーン・ウィンダス、ジョン・パーキン、マーク・アトキンス、クリス・ブラウン、ウェイン・ビギンズ、エディ・モーゼス、マーク・トッドら。

この催しは THGCC のジョン・ブッカーと元シェフィールド・ウェンズデイで元ウェールズ代表のマーク・クロスリーが Walking and Talking Charity Hikes(WATCH) という活動の一環として企画したもの。


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画像:The Starより引用


WATCHはクロスリーと親友のウィンダスによって設立され、5万ポンドの寄付金を集めるとともに引退したスポーツ選手が外に出て歩いたり話したりすることで精神的な健康を保つことを目的としている。

ウィンダスはフットボールを終えてからの人生について語る。

辛かった、とても難しかった。フットボールだけではなく全てのスポーツでもそうだろう。全てはドレッシングルームだ。フットボーラーはプレーが恋しいとは言わないだろう。毎日のドレッシングルームなんだ。私はそれが恋しかったし、苦しんだ理由でもある。

ウィンダスはうつ病の経験を公にしており、以前には引退後に2度の自殺未遂を経験したと明かしている。

1991年から1994年にかけてシェフィールド・ウェンズデイでプレミアリーグやUEFAカップに出場したジェムソンはこう付け加えた。

元フットボーラーとして助けられることがあれば我々はそこにいる。我々は専門家ではないが我々自身が苦しんだ経験がある。話したいことがあるなら話すのはいいことだ。私はフットボールを終えてからずっと苦しんできた。うつ病にもなった。離婚したり、2年ほど仕事をしていなかったりと辛い時期もあった。
人生とは辛いものだが、話をして人々に知ってもらうことは助けになる。私の周りには友人や家族がいて、22歳のチャーリーと18歳のマックスという素晴らしい息子たちがいる。彼らは私がしていることを理解し、とても誇りに思ってくれている。誰にとっても厳しい時代だが、我々は人々を助け、人々に知ってもらうためにここにいる。人々はフットボーラーをお手本として見ているかもしれないが、何らかの形で役に立てるのなら我々の仕事をするよ。

クロスリーによれば WATCH はこれまでに6万ポンドを集めており、クリケットのイベントのおかげで更に数千ポンドの寄付が見込まれている。

クロスリーはシェフィールド・ウェンズデイへのローン移籍中の2006年12月に3‐3で引き分けたサウサンプトン戦でのゴールでよく知られている。引退後はコーチ業に移行。最近ではチェスターフィールドを率いたが2020年1月に退団した。

退団後に休みを取る準備ができていたが、その休みが何をもたらすのかが分からなかった。32年間で初めて仕事がない状態だったんだ。困惑した。私には生活の構造がなかった。それまでは「何処に居て」、「何を持ってきて」、「何を食べて」と言われていたから、それが無くなったことで精神的に苦しんだ。父が癌に侵され、本当に落ち込んでいるときにこのグループの設立を決めた。私の人生を大きく変えてくれた。ウォーキングを始めて、現在は週に80kmを歩いている。

シェフィールド・ウェンズデイのファンの間でシェリダンは、クラブ史上最も偉大な選手の1人として記憶されている。1991年のランベローズ・カップで優勝した際にゴールを決めたことで知られ、その年にロン・アトキンソンの指揮によりファーストデイビジョンに昇格した。

引退後の彼は仲間よりも忙しく過ごしていた。13回に分けて10クラブを率いた。最近では昨季にリーグ1でスウィンドン・タウンを率いていた。

私はフットボールに残ることができて幸運だった。だが、残りたいと望むほとんどの人々はそうならない。仕事が多くあるわけではないんだ。長い間その世界に居て大金を稼いでいたのに、それが終わってしまうのは辛い。

クリケットのイベントでの主役はシェフィールド・ウェンズデイのファンにとっては同じみの顔だった。パーキンはダーフィールド・クリケット・クラブでも活躍したことがある。

彼は引退までに26ランを記録した。そして、元フットボーラーチームを代表するクリケットの才能は彼だけではなかった。ジェムソンはランカシャーでクリケットのプロとして活躍するチャンスがあったが、15歳の時にフットボールに専念することを選んだ。

試合自体は20オーバーの時点で両チームが150ランで並んでいたためスーパーオーバーに持ち込まれ、最終的には THGCC が勝利。

最初のボールの前にホットドッグと1パイントのビールを飲んだウィンダスはこう語る。

我々と対戦できた今日はクリケッターにとって素晴らしい日だ。ちょっとした笑い話になるだろう。

最後に、ジェムソンが締めくくった。

全ては寄付金を集め、NHSがしてくれたことに感謝するためだ。彼らは信じられないくらいのことをしてくれている。



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