好き好き大好きファミリーマート

ローソンのバイトで知り合った男女のデキ婚で産まれた、呪われた出自のわたしも人種の区分的にはコンビニ人間にあたるだろう。コンビニの中ではファミマが一番好きだ。ファミマのチーズナゲットうまい。ぎっしり満足チョコミントとサントリー天然水贅沢スパークリング完熟うめが買えるのはファミリーマートだけだ。春先に売っていたバナナマフィンもおいしかった、大人のこぶしくらいのデカさで、上にバナナチップをのせて焼いている理想のバナナマフィンだった。菓子パンやホットスナックが好きなのでコンビニ弁当をあまり選んでこなかったが、ファミマのエビピラフを初めて食べて、こんなにうまいものがすぐ近所で売っているのかと感動した。

学生時代コンビニでバイトしていた両親であったが、ローソンに限らずコンビニにはあまり行かない人たちだった。家族で出かける時にちょっとコンビニに寄ったり、買ってきてくれたものがコンビニの袋に入っていた記憶が無い。そもそも田舎ではコンビニよりもスーパーのほうが距離的にも精神的にも身近にあり、他にも八百屋とか婆さんがやってるタバコ屋がまだやっていてコンビニ的心の拠り所になっていた気がする。忘れもしない中学生一年生の頃、富山県にセブンイレブンが初上陸して、少なくとも水筒家にコンビニ文化が根付いたのはこの時のように思われる。それまで家族の中でのコンビニといえば銭湯の横の潰れたチックタックであったが、セブンイレブンが生活圏内にできると食卓の話題に上がるようになり、車の窓から向こうにセブンイレブンの看板が見えると、おっ、ちょっとコンビニでも寄るかと誰からともなく発するようになった。どんな婆やねんと思われるかもしれないが、わたしは27歳だ。平成に生まれている。何度でも言わせてもらいますが、富山県は終わっています。数年前天皇陛下が来られた際、昼食はたいめいけんへ案内したと聞いて、本当に終わってるんだなと悲しかった。

ファミマが一番好きだが、100ローがあるともうたまらなくなり用もなく入ってしまう。おにぎりとかお菓子とかカップラーメンとか野菜とか全部100円なのすごい...すごくない?コンビニで全部100円なのすごすぎる。これが100円ショップではなくコンビニであるのが極めて重要だ。真夜中にも、まもなく太陽が昇らんとする黎明の頃にも、100ローは扉を開け続けていて全部100円なのだ。地球最期の日も全部100円だろう。明日死ぬのに全部100円なのだ。こんな場所は他にない。愛とは一体何なのか、実態無く定義し難いものであるが、100円ローソンには愛に近いような胸を熱くする特別な想いがある。わたしは100円ローソンを愛してるかもしれない。ファミマが一番好きだが。

100ローが近所にある人んちに遊びに行くといつも100ローあるのいいなあ、と言ってしまう。シゲキックスをいつでも買えるのもうらやましい。シゲキックスって100ローでしか売ってるのなかなか見ない気がする。もしもあなたのそばに100円ローソンがあるなら、好きな時にシゲキックスで口の中を破壊できるということを思い出して、元気を出してくださいね。