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卑怯な友達の話【勝山】

勝山です。
火曜日のゲキジョウPair.200、終わりました!

Pair.100ぶりのワークショップ公演。
Pair.100では勝山チームもダイゴチームも5人でしたが、今回は勝山チーム6人、ダイゴチームは4人。
いや、もともとは5人づつだったんですが、なんやかんやそうなりました。
Pair.100の勝山チームに参加してくれたマナカくんやながたさん、やる気がありすぎて東京にいっちゃった笹やんはバリバリ演劇を続けていますが、他の2人はどうしているのかしら。

さてPair.200で勝山は「卑怯な友達」という作品を書き下ろしまして、今回はその話を。

もともとは彗星マジックの短篇公演「アソートメント・アパートメント」にて書き下ろした新作「サーキュラー・ヴェロシティ・アパートメント」という4人芝居を改訂してPair.200に挑もうと思っていました。
できれば20分に収めたいという事情もあり、駆け足に書いたことをちょっと後悔していた部分もあって、人数を1人増やすことで駆け足になった部分を補完できたら良いなぁなどと。
ところが人数が5人から6人になったことで2人増やすのは無理だと判断、それなら書き下ろすぞ、と。ダイゴさんも書き下ろすって言ってたし。
でも、ダイゴさんは書き下ろしませんでした。
話が違うじゃねぇか!

まぁいいや。新作だろうが再演だろうが、ワークショップ受けに来てくれた人の糧になれば良いのです。糧になった?

さてさてそれで、とにかく書き下ろすと決めたので、糧になることをいくつか用意して、順番に。ここからはネタバレを含みますので、自分で考えてぇって方はご遠慮ください。

・芝居に於いてまぁ必要なのはコミュニケーションだと思うので、お話をつくる段階から皆で話し合うために、環境とルールと物語のガイドラインのみ用意する。
・環境とルールについて語り合った内容によって各々の役を形作る。
・稽古終盤になった段階で意識の外になりがちな行為を常に意識しなければならない状況も用意する。今回は「歩く」という行為。
・観客の中に残さなければならない【覚えていてもらわなきといけない単語】【聞き取りやすい台詞よりも何を言ってるかわかならいくらいの感情が優先される状況】(できれば聞き取りやすいように!)】【台詞にない動き、表情、等】を考えてもらうために、物語のわかりやすいキーとなる単語をNGとする。今回だと「地雷」「犯罪者」「殺害」等。そしてそのNGワードがそのまま物語の面白さに担保できるものであるよう意識する。

などなど。

地雷原を歩く話にしようと思いました。
あらすじ(という名の思わせぶりな文章)は犯罪者が地雷原を歩いていることを示唆しています。

うろうろと歩きながら雑談をする彼ら/彼女ら。自由が好き。我慢は嫌い。静寂は好き。沈黙は嫌い。ご飯が好き。バナナは嫌い。卑怯な友達が嫌い。大嫌い!卑怯な友達は息を潜めて、こっちが来るのをじっと待ってる。話は全く通じない。心から会いたくない。けれども卑怯な友達は、こっちが来るのをじっと待ってる。もしも会ったらどうしようなんて、考えるだけでもぞっとする。だから雑談は最悪、最悪楽しくなくていいから、興味深い話がいい。楽しかったら最高だけれど。
なるたけ幸福に生きたいと願う彼ら/彼女らによる、気を置まくりの一幕劇。

「卑怯な友達」あらすじ

余談ですが、このあらすじで内容がバレないかめっちゃ怯えてました。
「卑怯な友達」っていうタイトルがそも地雷の別称なので、大丈夫かなぁ、なんだタイトルそのままじゃんとか思われないかなぁ、と。
結果、あんまりバレなかったみたいでした。安心。
他のタイトルも考えたのですが、「卑怯な友達」というタイトルがとても気に入ってしまったので。
ちなみに「バナナは嫌い」なのですが、外側は黄色(黄色人種)なのに、中身は白色(白人)という、日本人のくせして中身は白人の思想かよ!とか、バナナを誰かに渡すことで相手を猿だと卑下する行為になることだったりするそうで。そこから。
このお芝居に登場する人物たちは己が正義と心から思い犯罪を犯してしまった人たちなので、その偏った正義の象徴として「バナナは嫌い」と書きました。

「卑怯な友達」の登場人物はペコという人物以外死刑宣告を受けている犯罪者なわけですが、皆それぞれ、自分にとって致し方ない理由で誰かを殺めています(大柴以外)。ラッキーという登場人物が、自分をいじめていた奴らを殺害したように。
そして「卑怯な友達」での死刑の執行方法は、【絞首】と【遊歩】と2種類あり、【遊歩】というのが地雷原を歩く刑。
首つって死ぬか、人の役に立って死ぬか選べ、という法律。
なんか調べてみたら、先進国グループであるOECD(経済協力開発機構)加盟34か国のうち、死刑を存置しているのは、日本・韓国・米国の3か国だけなんですね。びっくりしました。
でもって廃止できない理由は民意が多く影響していると。へー。

そしてそして、犯罪者は獄中で罪を償ったにも関わらず(ここについては思うこと多かれど)社会復帰が困難となっていることがどうやら問題になっているようで、その辺も反映させたら面白くなるかしら?と、劇中での犯罪者は匿名報道に留められている、ということにしています。

とまぁ、小難しい状況の上で成り立っていたお芝居だったのです。
わからんこと多かったですよね?
遊歩刑に処されていた5人の罪状やペコがなぜ地雷原にやって来たのかもいちおう劇中で話しているので、誰かしらと補完し合って全貌を掴んでもらえたら何よりです。もしくはどっかで勝山にあった際に「どういうことやってん」と問い詰めて下さい。
全貌がわからずとも面白いものになっていたのであれば何よりです。
なってなかったらごめんなさい。精進します。

さて次は彗星マジックワークショップ公演「ギフト」です。
「アルバート、はなして」やるよ!
近年の演出で!そうそう、役者が全員舞台に出ずっぱりのやつ!
もうね、頭パンッパン!

ではまた!

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