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メモ帳の天日干し 05【西出】

彗星マジック衣装担当西出奈々が
普段思いついたことを記している「メモ帳」から一文ずつ抜粋し
ちょっと広げて文章化しておこうという【メモ帳の天日干し】。

物事の解像度を少しでもあげておかないと最近恥ずかしいなと思い始めてきた
世の中よくわかってない凡人が脳内をひけらかしています。

今後この材料を使ってラジオドラマを書いたりするかもしれないし書かないかもしれないし、すでに採用しているメモも天日干ししたりします。

彗星マジックのラジオ(ツイキャス)
https://twitcasting.tv/suiseimagic/
⇒だいたい毎週月曜日19:00ごろ~配信
⇒アーカイブもあります


<今回のメモ>


・一人正しい決断をして被害を回避できた。
騙された大勢は、
騙されたのが自分だけでなくてよかった、
みんなで騙されたのだから仕方ない、
正しい判断をした人はつれない人だとのたまう。


<正しいってなに?>


このメモとはあんまり関係が無いのですが、
「正しい」ことに関して
思い出したことがあるので聞いてください。

大昔のある時、
毎年参加しているという10名前後のグループの人たちに誘われて
私は市民マラソン大会に参加しました。

そのグループの方々は毎年参加しているというだけあって、
受付やら何やら全部やってくださってて
私は言われた集合場所に言われた時間に居ればいい、
という状態。

そしていよいよスタート時間も迫ってきたころ、
ぞろぞろと他の参加者たちが大人数でスタート地点に
並んで歩いてきました。

私はよくわかってなかったですが、
どうやら参加者は予めスタート地点よりかなり手前のところで集合し、
スタート前になったら参加者全員並んで移動してくるみたいなのです。

なんの順番で並んでるのかわかりませんが、
まあすごい人数の列でした。

で、私たちも参加者のはずですがその列には並んでいません。

どこに居たかというと、
スタート地点付近に最初からいました。
グループの人から聞いていた集合場所がここだったからです。

そして、並んでやってきた大勢の列の中に
割り込む形で合流。
しかもけっこう前の方。

「一番後ろに並びましょうよ」
と言えなかった。

じゃあ自分一人で後ろに並びに行くか。
だってそれが「正しい」んだから。

割り込まれた列の人たちには
「あの人は考えが別なんだな」
と思ってもらえるかもしれない。

私は「正しい」んだとわかってくれるかもしれない。

でも、

私が少なくともその日一緒に過ごすのは、
この割り込んだ側のグループの人たちだ。

「なんだこいつ」
と思われるかもしれない。

「いい子ぶってる」
「ノリが悪い」
そう思われるかもしれない。

結局私は、そのままグループの人たちと一緒に
参加者の列に割り込み、スタートしました。

「正しいことをする」とか
「ルールを守る」とかの優先度が
「周囲の空気に合わせる」にあっけなく抜き去られました。

「仲間外れにされたくない」という理由で。

そして厄介なことに当時の私は
「自分が正しい。
このグループの人たちは間違っている。
一緒に居るが、
考えまで一緒ではない」

と思っていた。

そんなこと思ってたって、
全く意味の無いことだ。

発言すらしていないのに。
説得しようとも思っていないのに。

「周りのせいで正しい事ができなかった」と、
恥ずかしげもなく自分を正当化していた。

「言わない選択をしたのは自分だ」ということに
私は全く気付いていなかったのだ。

これを自覚したのがわりと最近の話で、
それまでずいぶん長い間私は恥を振りまいていたのだと気づいた時がめちゃくちゃ恥ずかしかったです。

と、まあそんなお話でした。
ほんとにこのメモと関係無かったなあ。


<自分が間違ってた時の言い訳>

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