見出し画像

メモ帳の天日干し01【西出】

彗星マジック衣装担当西出奈々が
普段思いついたことを記している「メモ帳」から
一文ずつ抜粋し
ちょっと広げて文章化しておこうという
【メモ帳の天日干し】。

今後この材料を使ってラジオドラマを書いたりするかもしれないし書かないかもしれないし、すでに採用しているメモも天日干ししたりします。


<今回のメモ>


人の願い、想いを見る楽しみ。七夕の短冊や絵馬。


<短冊と絵馬の勝手な印象>


叶ったら嬉しいなという夢。
「こんな願いを持ってる私」アピール。
明確な目標を記しておく人。
周囲のノリで書くことになってしまったが本気の願いを晒すのは恥ずかしいので、ちょうどいい温度の願いを書いた人。

本心が書かれているとは限らないけど
実在する人が書いた文字というのは
見ていてワクワクする。

文字の揺れ具合とか使うペンの違いとか、
誤字脱字勘違い。

機械で印字したものに比べると洗練されていない見た目だけど
書いてある言葉の意味以外にもたくさんの思いが見えるというか
想像する余白があるというか。

絵馬ってもともと人知れず奉納を行うものだったらしく
「辰年女」などと書く程度だったみたいです。
神様は祈願する者のことはお見通し、だそうで。

願いに対する思いの強さに比例して
書く内容も増えていったんでしょうかね。

無いよりあった方がいいみたいな。

話逸れますが、懸賞ハガキはイラスト書くとか色ペン使うとか
内容を派手にした方が当選しやすいみたいなのありましたよね。
絵馬もその流れあるんでしょうか。

ただ近年では絵馬にも情報保護シールを貼るというのがあるそうです。
結局、神様はお見通しなのでシール貼ってても大丈夫!らしい。


<なぜ書くのか>


人目に触れたくないけど神様に見て欲しくて書くが、
神様はすでに知っているという。

叶えて欲しいから願い事を書くのとは別に
人目に晒す・晒さないにかかわらず
自分の思いを書き出しておきたいっていう欲望があるってことなんでしょうね。

今わたしがやってることみたいな。

七夕の短冊や絵馬を見てて楽しいと思ったのは
知らない人のSNSを流し見してて楽しいと思うことと
同じ感覚なのかもしれないって思いました。

昔の「辰年女」のみの記載だった絵馬が
「書きたい欲」を満たしてくれるツールになっていったのかも。

で、書きたい人と見たい人がいるから
この文化が続いているのだなあと。

そのうち電子絵馬とか七夕Web短冊とか出てくるのかもしれない。
いや、もうあるのかもしれない。ありそう。
遠方で直接足を運べない人の為とか。

でも「文字の揺れ具合とか使うペンの違い」を楽しみたいので
せめて現物の絵馬や短冊を送る/送り返すであって欲しいなあ。

いや!文字を書けない人の為のサービスとしての電子化だったら、
手を使わずに文字入力もできるわけだし
それはすばらしい進化か。


<このメモどうする?>


「本の家」という連作のラジオドラマを書いているんですが、
そこで絡めてみたいと思いました。

当人と寸分たがわぬ文字を書く無口な「代筆屋」と
戦争で利き腕をなくしてしまった「小説家」と
匂いと音と感触を駆使して最適な道具を選ぶ盲目の「文具屋」の3人で営む、
あらゆる代筆業を請け負うお店が舞台です。

文字が書けない人は代筆屋に依頼をして書いてもらう。
でも「書きたい欲」はそれでは満たされないのではないか。

この「書きたい欲」を満たす代筆屋の考えを聞いてみたくなりました。

これはラジオドラマ化、あるな。


【次回予告】


メモ02

・大人しく大人の思うとおりに動いていれば「いいこ賢い子」と言われる。
動物も、大人しく人間の思う通りに動いていれば「いいこ賢い子」と言われる。
賢いとは何か。主たるものの思うとおりに動くことだ。


それではまた!

ここから先は

0字

文藝部マガジン

¥300 / 月
このメンバーシップの詳細

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?