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petit-hotel #MELONが叶えてくれた“程よい暮らし”を求めて|偏愛、わたしのホテル #3

L&Gで働くスタッフや、いつも応援してくださる皆様と一緒にお届けしてきた「なくならないでほしいホテル」から派生して、新連載をスタート。ホテルの中の人を執筆者に迎えた「偏愛、わたしのホテル」をどうぞお楽しみください。

東京生まれ東京育ち、それも23区内という環境で生まれ育った私は、都会の恩恵というものを知らず知らずに受けてきた。だけど、東京に住んでいて良かったと思えるのは、「年に数回来日する海外アーティストのライブにチケットが取れれさえばすぐに行けること」くらいしか感じていなかった。

東京という街にあまり愛着がないわりに、もともと洋画や海外ドラマが好きだった私は海外の大都会へは強い憧れを持っていた。というか、海外=大都会と思っていた節もある気がする。この憧れの対象が変わった、印象的な旅の思い出がある

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新しい世界を見せてくれたふたつの街

4年前、オーストラリアへ留学していた友達に会うためにオーストラリアとニュージーランドへ行った。

目的地に向かうために滞在地したシドニーでは、大都会に対する個性のなさを感じてしまった。もちろん、新宿や渋谷のごちゃごちゃ具合に比べれば開放的だと感じたのだけれども、やはり街の中心地にはビルが建ち並びたくさんの車が往来する。やっぱりこんな光景は、どこに行っても変わらないんじゃないかと思ってしまった。

落胆を感じるなかで訪れたニュージーランドが私に大自然の魅力を教えてくれた。南島のちょうど真ん中あたり、テカポ湖を訪れたとき。大げさだけど、世界にはこんなに美しい景色があるんだと思った。「いくら便利とはいえ人工的に作られた大都会の魅力は、美しい大自然の前では及ばないな」なんてことを今でも写真を見ると感じる。本当に写真で見えるままの鮮やかな水色の湖だった。

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この先のニュージーランドの旅でも、バスの車窓からの景色もひたすらに収め続けるくらいにはたくさんの自然の美しい情景を見て、すっかりニュージーランドの虜になった。なんなら本当にここなら生活をしたいとたった1週間の滞在で思った。

この旅から数年後、今度はアメリカのシアトルへ留学へ行くことになる。シアトルもなかなかの大都会ではあったのだけど、ダウンタウンからすぐ近くには海があり湖があり、公園があり、市民の憩いの場となっていた。みんなリラックスして過ごしていたし、例外なく私の一番好きな休日の過ごし方といえば、海辺の公園でコーヒーを片手にチルすることだった。

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大都会と自然のいいとこ取りを求めて

そんなこんなで新卒でL&Gに入社して半年も経たない頃、支配人総選挙という挑戦の場が突如与えられた。この時はまさか富良野で立候補するとは思ってもみなかったけれど、やるかやらないかなら挑戦しようと思ってこの場に立った。

この時、当時働いていた湯河原で立候補するというのが一番可能性として高く考えていたものの、動機として「一番長く働いているから」くらいしか出てこなかったのが本音だった。

そこで「働く場所」=「生活を送る場所」に求める価値観について考えてみると、ニュージーランドやシアトルの美しい景色やそこでを感じた心地よさを思い出した。程よく人の営みがありつつも、手に届く場所に美しいと思える景色がある場所で生活をしたい。決して人里離れた山奥でキャンプすることではなくて、ファッションビルが乱立する大都会でもなくて、両方を経験しているからこそ欲張りな選択ではあるけれども、いいとこ取りをしたような、そんな場所で生活がしたいと思った。

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富良野で叶える“程よい暮らし”

支配人総選挙の開催が決まった当時、私が富良野を訪れたのは小学校低学年の頃の家族旅行が初めてで、その頃の記憶はラベンダー畑でラベンダーアイスを食べたことくらい。その時の記憶に立ち返って感じたのは、めちゃくちゃに単純な理由に聞こえるかもしれないけど、富良野には美しい山々があり、湖があり、公園がある。駅の周辺はお店が並んでいて、それは想像するような田舎暮らしとは少し違うかもしれないけど、便利だ。だって生活をするのだからこれくらいの便利さは必要だし、チェーン店や大型商業施設が並んでいるのとは違くて、個人経営の飲食店と生活に必要なスーパーがあるくらいが程よい。

少し車を走らせればこんな景色が見に行けるし、なんなら車窓からの景色も本当にずっと見飽きない。写真はかの有名な美瑛町の青い池だけど、もっと身近にもチルな自然スポットが季節問わずたくさんある。

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この青い池をはじめ、夏のラベンダー畑、「北の国から」のロケ地、冬のスキーリゾートとして富良野はすでに観光地として大きな影響力を持っている。ただ、その観光資源だけを求めて富良野へ足を運ぶのではなく、私が感じたような富良野がもつポテンシャルをもっと多くの人に届けたいと思った。

もちろん夏の花畑は圧巻されるような本当に美しい光景だけれど、両側が畑の一本道をドライブするだけで気持ちがいいし、小さな森小屋みたいなパン屋さんで買ったパンを公園の池のほとりのベンチで食べるだけで心がホッと落ち着く。

実はあまり知られていない紅葉の穴場でもある富良野では、北海道ならではのアクティビティーと重ね合わせて、乗馬しながら紅葉狩りをするなんてキャッチーな体験もできうる。

既存の観光シーズンだけ楽しめる場所ではなく、富良野の土地そのものの新たな魅力を発信し、提供できる施設にしたいと思った。

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まもなく、富良野で営業再開へ

なぜ私が支配人になったのかは、これまでの人生で心惹かれたものが富良野という地に集約されていたからだと思う。

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「petit-hotel #MELON 」には4月から就任し、GW前に夏季営業再開をするはずだったが、残念ながらこのコロナ禍でオープンが先送りになり、まだ支配人としてホテルに立てていないのが現状(※6月18日より営業再開)。まだまだ富良野歴は1ヶ月未満の私が言っても説得力がなさそうだけど、富良野は一年のいつ行っても魅力的な場所だと信じている。「petit-hotel #MELON 」へ泊まったら、そんな富良野の魅力を存分に感じて欲しい。

ホテルにいても、外に出ても、「お気に入りの場所」「帰って来たくなるような場所」に、そして今なら「いつか行きたい場所」になってくれたらいいなと思いながら、今日もお客さんをお迎えする日を心待ちにしています。

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もう一つ、富良野に惹かれたエピソードはまた別のお話で。

文:篠原 彩音(petit-hotel #MELON 支配人 / L&G GLOBAL BUSINESS)


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