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「秋の夜長」から始まる、勝手にプラン妄想フリートーク|ホテル妄想会議 vol.1

突然始まりました、不定期新企画「ホテル妄想会議」。日々公私ともにホテル漬けのL&Gメンバーが集まり、思い思いのホテルトークを繰り広げるという企画です。対談の目的は「素敵なホテルやプランを勝手に考えること」。もしかすると、ホテルやプランを考える上でのヒントになるような発言があるとかないとか・・・。ほんとうに自由な発言を繰り広げていますので、仕事に疲れた時などにぜひ流し読みをしてみてください。


-愉快な今宵の参加者たち-

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谷本好:SNS運営などを統括するHOTEL SHE,のブランドディレクター。日本中のホテルを転々と飛び回る生粋のホテルラバー。通称、このみん。

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田中幹人:HOTEL SHE, KYOTOで働くホテルマン。ブティックホテルとHIPHOPをこよなく愛し、SNSでのホテル情報発信に絶大な信頼を得ている。通称、串カツ田中さん。

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集治隆太郎:スポーツブランドやサッカーJ3クラブでの経験を経てL&Gにジョインした異色の人材。現在は予約プラットフォームCHILLNNを統括し、全国のホテルの声を拾い続けている。

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大丸勇気:京都の設計事務所や商空間プロデュース会社などを経て、現在は外部のクライアント案件を統括する不動産開発のプロフェッショナル。癖の強い筆致に密かなファン多数。

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角田貴広:ウェブメディアや雑誌の編集を経て、現在はHOTEL SHE,などの企画、HOTEL SOMEWHEREの編集などを担当する。ここ3カ月は北海道にあるHOTEL KUMOIに篭り中。

ILLUSTRATION BY あさぬー


「秋の夜長」にぴったりなプラン

角田:突然始まりました「ホテル妄想会議」。ホテルやプランについて妄想を膨らませようという企画です。ぼくがモデレーターをしますので、みなさん自由に喋ってください。とはいえフリートークだとあれなので、最初は簡単にテーマを用意しましょう。「秋の夜長」から考えらえるプランとか、なんでもいいので話してみましょうか。

集治:秋といえば、自然環境か食事かに依存しそうですね(笑)、いきなり難しい。

田中:秋といえば読書じゃないですか。選書をしてくれるプランとか、ホテルでも最近ありましたよね。

大丸:ちょうど最近湯河原のホテル(THE RYOKAN TOKYO Yugawara)で朗読会プランを作りたいなというアイデアを出しました。本いいですよねえ。

谷本:いきなり腰折っちゃうんですけど(笑)、わたしは秋といえば、ピクニックがしたい。夏の海が好きじゃなくて、それよりもちゃんと服着て快適に過ごせる秋の海が好きで。意外と秋ってピクニック日和じゃないかと思ってたんですよね。世の中的には秋といえば読書かもしれないけど、紅葉にも読書にも惹かれない層からすると、秋のバリエーションがちょっと少ないよなあと思ってます。

集治:たしかに、秋のピクニックって快適さとか意味があるけど、秋に読書ってロジックないですよね(笑)。

谷本:過ごしやすい季節だからじゃないですか。

集治:ぼくも全然関係ないけど、韓国とかで朝ごはんがすごい量出てくるじゃないですか。ホテルって夜ご飯が盛りだくさんなことが多いけど、本来は夜ご飯少なめに食べて落ち着きたいじゃないですか。だから、その代わりに朝ごはんたくさん食べられるみたいな。ディナーとブレイクファスト逆プラン(笑)。その方が体にとってもいいと思うんですね。

谷本:なんなら朝も夜も全部豪華みたいなホテルが多いですからね。旅館のご飯って美味しいけど、たくさん出さなきゃいけないみたいな雰囲気もある気がしていて、朝食のせいで観光地やカフェで全然ご飯食べられない経験が結構あって。

集治:出されたら美味しいし、頑張って全部食べると3時くらいまでお腹いっぱいみたいなね(笑)。

田中:たとえば、料理の量とか品数とかじゃなくて「究極の白米」みたいなの出されると興味湧きますよね。一点集中でやばいの出されるみたいな。

角田:梅干し屋がやってるホテルとかあったら最高じゃないですか?朝ごはんで半端ないバリエーションの梅干しが食べられる。

谷本:梅干しでひつまぶしも作れちゃうみたいな(笑)。木村石鹸とかもあのクオリティでもってホテルやると絶対やばいじゃないですか。

大丸:イケウチオーガニックと木村石鹸が合わさってホテル作ったら最強じゃないですか。


メディアとしてのホテルを作りたい

大丸:ぼくスターフライヤーがすごい好きで、あんな世界観のホテルがあったらいいなあってずっと思ってるんですよね。「Mother Comet」っていう名前の機内誌を出してるんですけど、そのクオリティが半端ない。

集治:はじめて見たけど、インスタグラムで名古屋のモーニングのお店紹介してますね。フォロワーも3万以上いて、発着地の街の情報を発信してるのいいですね。

谷本:めっちゃいい!たしかに海外の航空会社だといい感じの機内誌いっぱいあるじゃないですか。国内でもこういうのあるんですね。

田中:そもそも「WIRED」とかが雑誌がプラン作ると楽しそう。ありそうで、あんまり聞いたことなくないですか?

大丸:その点で言えば「自遊人」は偉大ですね。

集治:前にSOMEWHEREで対談してましたね。でも、ぼくたちもメディアホテルになれるんじゃないですか。SOMEWHEREがやってる移動式のホテル。日本中のホテルを間借りしていくホテル。

角田:本屋さんを間借りするいか文庫とかめっちゃいいですからね。

田中:それ、やりたいっすね。

谷本:妄想だけ言うと、K5でやりたい(笑)。

大丸:でも、むしろSOMEWHEREがポップアップやるならホテルじゃなくて、パチンコ屋とか学校とか、病院とかの方がいいんじゃない?ぼくが絶対やりたいのは、尼崎の潰れたガソリンスタンドを借りてやりたい。テキサスにあるプラダのお店みたいに。あとは、スーパー玉出が退店した場所を使いたい(笑)。


私たちが気になるプラン、人気のプラン

谷本:逆に今までプランが魅力的だなと思ったプランってあります?ハードだけだとあんまり注目してなかったけど、体験してめっちゃよかったところ。

大丸:ぼくはやっぱり「御花」のお月見訴求が好きでしたね。でも、圧倒的にプランがいいのは自社ですが「詩のホテル」ですよ。

角田:うれしい・・・。

谷本:友達の友達が最近泊まってくれてたらしくて、「詩のホテル」が最高すぎて、宿泊後にSNSにめっちゃ投稿してくれたらしいんですけど、楽しみだと思えるプランを滞在後にSNSとかで熱弁してもらえるのってすごいことですよね。

田中:でも、プランだけでホテルは意外と選ばないかもしれないですね。建物とかホテルがなにを伝えようとしているのか、その場所の価値観がやっぱり知りたくなるなあ。

集治:ハード面と周辺環境に依存しないプランってなかなかないですよね。CHILLNNでいえば、浅草の「茶室ryokan asakusa」が、行列のできるメニューをホテルで出すというプランを作ってて面白いなと思いました。周辺環境にもよるけど、これまであんまりなかった。ここはほかにも「ゼロ円投げ銭プラン」とか作ってバズってるので本当にすごいです。

谷本:箱根のどこかのホテルでも、地元の有名な鉄板焼き屋さんのご飯が食べられるプランがあって、それはお店まで送迎してくれるそうで。でも、やっぱりプランに魅力を感じられるのって、そのホテルの魅力がより引き出されるからかもしれないなって思います。だから、プランがめっちゃよかった場合は、それがだんだんホテルの標準装備になっていく気がする。

角田:いいプランって、もしかしたらいつかはプランじゃなくなるような自然なものなのかもね。ある意味で標準装備のためのトライアルというか。

田中:それでいうと、湯河原の原稿執筆プランはすごいですよね。

谷本:直接予約率も高くて、リピート率も高いらしいですね。

角田:ぼく今「HOTEL KUMOI」にいるんですけど、リブランディングをした新しいプランのモニターを募集したところものすごい数の応募をいただいて。即完売しちゃって、少しだけ枠を増やそうかって話になったんですけど、決められた数のプランを定期的に売り出して売り切るのってヘルシーだしいいなって思いました。

集治:月の頭に予約を解放してすぐに埋まっちゃう美容師とかレストランも同じですよね。機会が均等に与えられてる感じがある。


ホテルの空気感をお部屋以外でも味わうために

集治:おしゃれなホテルに行くといい感じの音楽が流れてるんだけど、これまで聞いたことのないような音楽だったりして、そのプレイリストをホテルが公開してくれたらいいなって思うことあります。

谷本:レストランだけどSta.はプレイリスト公開してますよね。それがめっちゃ好評らしくて、最近だとプロデューサーの奈雲さんが選曲の仕事とかもしてるらしいですよ。コロナ期間中にSta.のカレーをオンラインで買ったんですけど、めっちゃ売れてるはずやのに、ショップカードに可愛い手書きのメッセージが書かれてて、それと一緒にカレーを食べるときにオススメの音楽のプレイリストが同封されてたんです。それはめっちゃいいなと思ったし、ホテルでも応用できそうですよね。

田中:「ホテルシェルター」でもSIRUPさんとコラボしたプレイリスト公開したけど、めっちゃ人気でしたよね。

谷本:あと、朝届く系のコンテンツはワクワクしますよね。北海道にある糠平温泉の「中村屋」では朝に牛乳が届くんですよ。壁にフックがついてて、そこに可愛い牛乳瓶をかけてくれる。

角田:それに近いけど、今新聞作って朝ホテルで配りたいなあって思ってるんですよね。

集治:ええ、新聞すぐやりましょうよ。1~2カ月に1つ作って、うちだけじゃなくて、CHILLNNに加盟してくださってるホテルにも配ったりして。街紹介とかのコンテンツがあって、滞在した人は、他のホテルとか次の旅先についてもいろいろ知ることができるみたいな。

谷本:めっちゃいいですやん。「OSAKA BAY DIARY」もすぐになくなりましたしね。

大丸:それを発展させたのが「SとN」ですね。いずれは本屋にも置かせてもらうみたいな。

角田:下によくある新聞広告欄作ってホテルにも広告出していただきたいですね(笑)。

谷本:韓国でもアイドルの誕生日をお祝いする電車広告とかあるみたいに、一般のホテル好きな方も寄稿とかできたら面白そう!


リピートされるホテル・プランとは?

田中:ちなみに、今まで話してるプランってどうやってお客さんに来てもらうかがメインですけど、リピートしてもらえるプランってどんなんやと思います?

谷本:私的には、めっちゃいい体験をしたら、それをオススメしたい人が浮かんで、その人とまた行くみたいなことかなあ。友達と行ってから彼氏と行くとか、お母さんと行くとか。最近、翔子さんが力説していたのが、ヘッドスパの「悟空のきもち」がすごいと。3カ月先まで満室とかで人気すぎて、「ニューヨーク支店に空きがあるからニューヨークまで行く」みたいな人もいるらしくて。そこが、施術受けると、その時だけ次の予約が取りやすくなるらしいんですよ。リピーター優先で、1回、2回と行く回数に応じて特典があって、3回行くと友達を誘うことができるみたいな。それで、なんだかんだ3回目まで行く気がするって言ってて、一つのリピート案としていいなあと思いました。

田中:それこそ「詩のホテル」は期間限定、3室限定だったわけで、すぐ満室になったのはやっぱり予約がすぐ埋まっちゃうからですよね。

谷本:私も行けるかわからないけど、予約すぐ埋まるって聞いて「bar hotel箱根香山」すぐ予約しちゃいましたもん(笑)。ここ、チェックアウトが14時とかで、アルコール飲んだ次の日に最適なブランチが出るらしい。貸切のバー付きのスパがあったりして、最高です。

田中:そんなん、めちゃくちゃ酔い回るやん(笑)。たしかに、そこまで尖ってたら、来る人が求めているものもわかりやすくて、いいね。総合力を求められないというか。

谷本:そうそう。「bar hotel箱根香山」の場合、箱根にあるかどうかってそこまで関係なくて、そこまでのオリジナリティってそのホテルでしか埋められないから、リピートにつながるってことですね。

角田:まだまだ続きそうだけど、お時間が来ましたので、今日はここまでにしましょう。また、座談会かラジオ配信をぜひやっていきましょう(笑)。みなさま、ありがとうございました!

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