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芦ノ湖湖畔で会った近所の人について

今から15年程前 夫が箱根にある会社の保養施設の予約を平日3名で予約してくれた事があった。
 私と3歳の息子と私の父で行ってくると良いよと言ってくれた。当時は子どもも小さく仕事もしていなかった為車で30分程離れた実家の1人暮らしの父に毎週平日に息子を連れては会いに行っていた。3人で大きな公園に一緒に行ったり自分が子供の頃から父とお昼によく食べていたリンガーハットの長崎ちゃんぽんをその帰りに食べに行ったりそれだけしかしていないのに何故か私は親孝行のミッションをクリアしていた気になり気が大きくなっていた。
夫が私の気持ちに気がついたのかは分からなかったが毎週遊びに行っていたのに泊まりがけの親孝行プランなど計画した事が無かった私は自分を少し恥じた…。それと同時に私に不足している箇所を補ってくれた夫に感謝した。

しばらくして箱根の旅は父の運転で始まった。
父はものすごく喜んだ。美味しいご飯や温泉に静かに流れる時間…あっという間に翌朝になった。
 宿を出発すると箱根駅伝が好きな父は芦ノ湖へ向かった。湖畔の駐車場に車を停め 駅伝の説明を始めた。車を降りて息子と聞いていたが父は話しているうちに今までの箱根駅伝が思い出されたのかだんだんとヒートアップしていき私は話についていけなくなった。毎年お正月と言えば父はコタツに入り酒とツマミと箱根駅伝というイメージしかなく それと同時に泣き笑いが繰り広げられる為 あまり近寄らないように実家にいた頃はお正月は予定を入れ外出ばかりしていた。私の脳内で過去の正月映像が再現された為「ちょっと息子と散歩してくるね」と湖畔の散歩に出掛けた。
 秋だったので 空気もよく湖畔も穏やかで清々しかった。
すると前から 中年の男性2人が歩いてきた。よく見ると1人はよく見る近所の人だった。
何故ここ芦ノ湖で早朝近所の人に会ってしまうんだろうか⁈とビックリした。ただただ驚いていても仕方がないので 大きな声で「おはようございます」と言い息子もそれに続いた。すると近所の人も気持ちよく挨拶を返答してくれもう1人の男性もしっかり挨拶してくれた。
 なんて 清々しいんだ…としばらく歩いていたが、しばらくすると私の頭の中の回線が繋がった。さっき見たよく見る近所の人は○ッシャー板前さんだった。
朝の旅番組でよく見るあの人だったのだ。。
隣にいた男性は番組スタッフさんだったのかな…そんな事を思いながら父の待つ駐車場に戻った。

追伸 宿では 私も息子もテンションが上がり嬉しくてずっとニコニコしていた為それを見た父はずっと笑顔だった。そのせいか子連れで旅行している夫婦だと他の旅行者から勘違いされ 声をかけられた。父は若く見られて嬉しく私は父の奥さんと勘違いされ自分は子育て中どれだけ疲れているのかと複雑な心境になった。

#わたしの旅行記