好きな曲のどこがどう好きか無茶苦茶にしゃべるその1 - betchaさんの A Life Form In Blue

ボカロリスナー、という名前があることを割と最近に知りました。そして、ボカロリスナーの方たちをツイッターで知っていく過程で、noteのことも知りました。すげえ!こんなに丁寧にしゃべってるんだ、とびっくりです。

わりとnoteを見てると、タイトルの時点で「言いたいこと」がはっきりしているものが多いですよね。とても分かりやすい、すごい。note全文通してもタイトルか冒頭で掲げたテーマが軸として通してある、ちゃんと意識してあるものばかり。今まで自分が出会ったnoteさんの話ですが。

しかし今回自分がやることは、最初から「言いたいこと」が決まってるわけではありません。なんか目の前に箱があるのはわかってて、そっからどれだけのものが取り出せるかわからないけど、ゴソゴソやってみたい、みたいなnoteです。言語化がわりと散らかるんですが、楽しいのでやります。


今回しゃべってみたい曲はこちらの曲。

すごい好き!
betchaさんの A Life Form In Blue という曲です。
どこが好きか。
まず音。入りから音が、くにゃ~んとしていたりぽろぽろしていたり、要するに生き物っぽいのどかさのある音。(機械的じゃないというか)
Aメロの裏のふぉ~~んってなってるロングトーン・・・ろ、ロングトーン?伸ばしてある音とか、ギターやベース、太鼓の音、なんだかそれを奏でる指の、のんびりした時間にチューニングがあっている感じがすごい気持ちいい。
音が全部生き物っぽいんですよね。なんだそれ。曲の中で鳴っている音が、一律決められた指定され並べられた一つの塊って感じではなくて、いろんな生き物が、それぞれ土から生えてたり草を食んでたりする感じ。って書きながら聞いてるとますますいろんな声(音)が聞こえてくるな。この曲にでてくる宇宙人(たぶん)の周りの世界感そのものっぽい感じ。

二つ目。メロディー。
音数がつめこまれているわけじゃないので、のぼったりさがったりというある程度シンプルなつくりにはなるんですけど、それの湛える情感というか、一回に運べるエネルギー量というか、もっているリズムの広大さというか(ちょっとまってリズムが広大ってなんだろう。いつかもうちょっと分かる言語化したい)、それがおっきくてたまらん。ちっちゃいスプーンでいっぱい掬う感じの情報量じゃなくて、おっきいばけつで一回に豪快にざばーっといく、みたいな。具体的にはAメロは2小節でいっこのかたまりで、2小節つかっていっこの方向性・矢印を表してくる。「やわらかな体で(2小節)」「二足歩行する(2小節)」。
陶酔し易いかんじのメロディーですごい好きです。

三つ目。歌詞。
これ人間視点じゃない!!!人間とは違う概念からの視点なんですよね。そういうの大好きだ。ます初っ端、「短い光が体をくすぐる」 短い光ってナニ!??どんなだ・・・どんな感覚だ???知らないものってめちゃくちゃ面白い。まだ知らなかった感覚に出あうのってとっても新鮮で楽しい。「十九の瞳で」19もあんの!??どんなだ・・・!??驚きと、自分の知ってた世界の外側があったのがわかるような感覚と、純粋に好奇心と。そして知らない生命体だけどその生命体視点で進むから、気が付いたら同期してるという。その生命体のことを知ろうとして、その生命体の感覚を知ろうとして、それを体感しているイメージをしてみて・・・としているうちに。
あと結末とかに関して、あとからナレーター的なポジションからの「悲しい話だったね」みたいな断じ方がされてないのも好きだ。本人にとってその出来事がどんな色だったかは、いちいち皆にとって共通の結果として認識されるべき、ということはない。あとから「普遍的な視点の誰か」に「こうでしたね」って言われるの、なんだかいやです。

四つ目。声。
初音ミクですね。このもそもそ生きてる音たちの中に澄んで響いていく感じ。初音ミクって色が黄緑とか水色・青系統のイメージなのもあってすごい透明感とかさらっとした感じとかの表現がすごい気がする。主張が激しい感じのうるさい声ではないのに、なんか独特の存在感があるなあ。あと、歌唱ってよりも演奏という感じというか・・・いやちょっとうまく言えてないな。歌唱ってなると、歌声的にここはビブラートいれるっしょ、ここはこぶしという表現要るっしょ、という風な、歌唱の技術みたいなのが入ってくるイメージなんですけど。というかここでいう歌唱はそういうものなんですけど、基本的にメロディーを歌ってるミクは、発音はシンプルなんですよね。後ろでコーラスぽいの入れてるミクは歌唱っぽいんですけど。
この曲のメロディーは、歌唱されるものというより、音としてこぼされるものという感じ。くそ~~言語化があまりに個人的な感覚によりすぎてるな。プロの歌手がうまく歌うより、この人の手によってこのミクという音で表現されてるほうが、この曲の世界観が完成されてて好きって感じです。

五つ目。心地いい。
いやこれ音とかメロディーとかでも言ってたような気がすることですけど。何が気持ちいいのか、つまりい、音とかメロディーとか進行とか音の密度とかリズムたちとか総合して心地いいという話です。さっきまではバラバラにクローズアップしたときに見えてくるものの話でしたが、今回は全体を見たときに感じるもの。この曲のテンポも、それぞれが生きてる感じの音も、Aメロのギターのリズム感ともっと浮遊するようなリズム感のミクと。
不安定な要素とかもあると思うんですけどなんでかすっごい心地いいんですよね。もしかしたら心地いいって言い方はちょっと意味にズレがあるのかも。安心するとか、自然な感じがするとか、どっぷりはいれるというか、目を閉じて大音量で聞いて波にさらわれるみたいに音にもってかれたいみたいな。そういう感じ。

今回言葉にできた好きポイントは、「音」と「メロディー」と「歌詞」と「声」と「心地よさ」でした。言葉にできたのか?
初っ端から言葉にするのが難しい曲を選んでしまったかもしれないけどこんな感じでこれからも無茶苦茶にしゃべったりしたいな。今回も、改めて言葉にしていく過程でたっくさん新しく聞くことができた音がありました。やっぱ言葉ってすごいぞ。理解を掘り進めるスコップというか、泥だった地面を固める作用があるのでやっとスコップが効くようになるというか。
ボカロリスナー界隈でちょいちょい沸くいろんな論争というかそういうのも興味があるので、いろいろnoteってみたいなあ。

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