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『石の意味』に思うこと

写真の石はグラノブラスチッククォーツ。最近発見された石なので、石にまつわる伝説やエピソードはない。ならば「石の意味」はどうやって決まるんだろう。

結論から言ってしまえば「誰かが適度に意味つける」しかない。

かつては天然石研究家と呼ばれた人や石に詳しいチャネラーさんが意味付けることが多かった。私もそういう本は参考にしている。
天然石研究家とかチャネラーという肩書の一見怪しそうな人達ではあるが、ちゃんと実際に鉱山に行って(鉱山そのものを所有している事もある)採石に関わっているので、なるほど石やその場所に造詣が深いんだな〜と納得した。

でも今はどうなんだろう?
ネットを見れば「石の意味」はやたらと出てくるが、ピンとこないものも多い。

まぁ、石の世界は歴史があるだけに色々とややこしい事も多い。
例えば、昔とは違う名前になっている場合とか。
旧約聖書に出てくる『サファイア』は今の『ラピスラズリ』らしい。
そんな例はゴロゴロある。

また、現代でもややこしい事情は幾つもあって…
人気の『ブルームーンストーン』と呼ばれている石について言うと

『ブルームーンストーン』は
『オーソクレースのムーンストーン』
『ペリステライトのムーンストーン』
『ラブラドライトのムーンストーン』
の3種類に増えました。

あれは去年だったか…
いつもの卸から、ブルームーンストーンを仕入れた時に
「え?なんだコレ?」
と思う石が届きました。品質的には良いんですが、エネルギー質が全く違う…。どういうことかと思って調べたら、どうやら最近増えた『ペリステライトのブルームーンストーン』らしい。
たまたま詳しい鉱物データを見つけたので、私が好んで使う『ラブラドライトのブルームーンストーン』と比較してみると、蛍光も成分もかなり違った。

石の色やイメージを組み合わせを楽しむ場合には何の問題もないのだろうが、体やエネルギー質をみて合わせている私にとっては

「それならそうと言ってよ〜!」

と思う。だって、手にとって見れば「これ、今までのブルームーンストーンと違う石じゃん」なんだから。でも、卸も間違ってはいないし、悪意もない。業界的にもその位は認めないと商売成り立たなくなるのも理解できます。

しかし、世に出回っている『石の意味』はどうなるんだ?
それを調べて石を選んでいる人は、業界のその状態を知っているとは思えない…。

オーダーブレスレットを作っている私が言うのも何ですが…

石の意味は楽しむ程度に。一生懸命突き詰めるもんじゃないですよ。
それよりも、実際に手に取って感じるものを大切に。

新しい目標は、他店で購入されたブレスレットのメンテナンスもできる店になること。商売的には難しいことですが、それがちょっとでも「山を守る」ことになれば…