LOVEとチャンスとへんなの

烏丸御池駅のホームで電車を待ちながら1時間後にはプリミ恥部さんの直接宇宙マッサージを受けて2日後にはルート治療を体験する。

たぶん息子が通う学校の父兄たちの中で今日は私が一番スピリチュアルな人なんじゃないかな。いや、シャーマンなんちゃらという占いの人に子どもがいるならその人かも

なんて考えていた。

夜遅くにもういい加減、脱スマホをしようと思ってスマホを手に取ったのにプリミ恥部 Twitterと打ち込みログインしていた。
やめようと思っているのに手にとったら、すぐにログインしてしまう。
あえてアプリをインストールせずブラウザーログインすることによって一手間かけているつもりなのにあまり効果はない。
それでもいいことがあった。
プリミさんが京都で直接宇宙マッサージをするので宇宙タイミングな人は連絡をとTweetしていたのだ。
手放しで喜べないのが悩ましい。
今月は、ルート治療に岐阜への遠征もある。
お小遣いの額を遥かにオーバーしていた。
ルート治療にいたっては夫に内緒にしている。
でも直接宇宙マッサージを受けれる機会なんて滅多にない。
金額は8888かなと浮かんだ。
その前に別件のイベントで7777を払っていたから、ゾロ目続きでそれが浮かんだっていうのもあるしそろそろ使いたいなとずっと眠らせていた猫の封筒がおめでたい柄でぱあーっとしているから何となく8。
でも手持ちのお金がなかった。
それでも、受けたいから
まぁまぁ まぁまぁ まぁまぁ と、
申し込みのメールをした。
返信は早かった。
数回のやりとりで、ぜわぜわよろしくお願いしますと締めくくりメールを閉じてすぐ違和感に気づいた。

ぜわぜわ!?
私 ぜわぜわ って打ち込んでなかったか?

ぜわぜわ

恐る恐る 携帯で変換した。

是和 是和 と浮かんだ字に

あー。良かった。合ってた。いや、本当に?

ドキドキしながらYahoo知恵袋で類似の案件を開くと、でわでわもではではも同じ意味だけれど一般的には、ではではが常識ですみたいなことがかかれていた。でわでわと送る人については非常識で恥ずかしいとケチョンケチョンにこきおろされていた。
じゃあ、ぜわぜわにいたっては?

プリミさんから痛いやつだと思われてやしないだろうか。あせったけれど、まぁ送っちゃったもんはどうしようもないよなと積み上げた布団にもたれかかりため息をついて携帯を閉じた。

すでに深夜をまわっていたけれど目は冴えていた。眠れないのは明日のことを思っての緊張かもしれないし昼間に飲んだコーヒーのせいかもしれない。お金はさすがに使いすぎだしルート鍼は夫に内緒。あとやっぱりぜわぜわが気になる。
色んな感情が混ぜこぜになって落ち着かなくなる。
今更ながらお金のブロックの外し方を検索してみたり、石井ゆかりさんの3年の星占いの本に2024年の9月は出費が嵩んじゃうけど致し方なしみたいなこと書かれてないかなとページをめくってみたりもした。9月とは限定されてないけれど、そう読み取れなくもないという箇所を見つけたのでとりあえずそれでよしとする。
お金はatмで朝一番におろせば工面できそうだ。
万事OK。
それでも寝れない。寝るのは諦めて瞑想でも
しようかと思い立つ。プリミさんの本を読みかえしてもいい。棚の中から愛を味方にする生き方をとりだし、ざっと目をとおして瞑想の姿勢をとる。
背筋が曲がっているのでプリミさんの本を頭にのせた。
瞑想の効果が倍になったりしちゃうんじゃない。思ってるうちにいつのまにか眠っていた。


短時間しか眠っていないはずなのに朝の目覚めは爽快だった。もしや頭に乗せた本の効果か。

バタバタと子どもたちを送り出し会場に向かう。

部屋の前でノックをするのを躊躇していたら、
他の参加者の方があらわれてホッとした。


コンコンっとノック音をたててしばらく待っているとプリミさんが扉をあけてくれた。
明日香村以来の生プリミさんだ。


あとからもう一人 やってきて私を含めて3人になった。他の2人は顔見知りでプリミさんとも何度かあっているらしい。

直接マッサージは初めてなので、まずは見学させてもらうことにした。
プリミさんがちゃんと誘導してくれるみたいで、ひとまず安堵してランジャタイ国崎さん著書の「へんなの」をとりだす。
買ったのにずっと寝かせていた。
読みたいときに読もうと思っていたのだが、なかなかその日がやってこなかった。それでも、もし無人島に1つだけものを持ち込めるとしたら、この本だなと、ことあるごとに思っていた。少しずつ読み進めたら日々の生きる糧になりそうだから。
そうはいっても無人島に送り込まれることなんてあるわけもないし国崎さんの本を読むことは当分ないだろうなと半ばあきらめていたのに、今日という日は、この本じゃなければと思ったのだ。
読みはじめてすぐ本を閉じる。
やばい やばい 面白すぎる。国崎さんやっぱり天才やん。文才もあるやん。
パラレルフロウの効果もあるのか?幸せで、泣きそうになる。なんだこの感情、緊張で情緒がバグってる?パラレルフロウ?更年期?
読みすすめていたら、たまらず少し噴き出してしまった。
慌てて再度本を閉じる。
どうしよう。直接マッサージに私が噴き出したと思われてやしないだろうか。
プリミさんがこちらを見たタイミングで本を凝視して噴き出すべきか?加減が難しそうだな。
ってか何に気をつかってんだ私。
プリミさんなら即死してるところだ。
笑わないようここは慎重に、ちょっと読んでは顔をあげ一息ついてから太陽を見上げ気持ちを鎮めてからまた本を読むという作業手順をとることにした。それを数度繰り返しているうちに、太陽を仰ぎながらふと思った。なにやってんだ私、可笑しくなってきたのと同時に、二番目にマッサージをしてもらいたいなという気持ちが湧いてきた。宇宙マッサージを受けた後に、この本を読んだら感じ方は変わってくるのか否かそれを体感してみたくなった。


一人目のマッサージが終わり、もう一人の参加者さんが快くどちらでもと仰ってくださったので、次 お願いしますと勢いよく手を挙げた。
直接マッサージで何も感じなかったらどうしよう。
どんな感想をいえばいいんだ。
プリミさんの咳込みが尋常じゃなかったら?
気がかりが胸をよぎるが
いやいや、こんな時こそ平常心。平常心。
あれやこれやの想いを手放してマッサージを受ける。プリミさんの手は温かい。
だんだんとリラックスしてきた。目を瞑っていると藍色のモヤァっとしたものが瞼の裏にチラついてくる。藍色は大きくなってプリミさんが咳き込みはじめる。その色がだんだんと薄くなってきて水色にかわり白になる。
白になったときに、幸福感が押し寄せてきた。
この幸福を屋久島のあの杉の木にわけてあげたいなぁと思った。
20年ほど前、屋久島に言った時に、あとにも先にも、あれっきりなんだけれど私は木の悲鳴を聴いた。まさしく絹をさいたような高い悲鳴に驚きあたりを見渡した。まわりには誰もいなかったので、本当に聞こえているのか幻聴なのか判断がつかない。グルリと周辺を歩きまわると1本の屋久杉に太い釘が刺さっていた。悲鳴の主は、この木だ。 そう思って痛いね。と同調すると悲鳴がパタっと止まった。釘はかなり太かった。抜けそうにないと早々に諦めてしまったのか一応は手で抜こうとこころみたのか記憶があやふやなのだが、それでもどうして抜いてあげられなかったんだろと思い返すたびに悲しくなる。
だからどうかこの幸福感が少しでも、あの木に届くように。あの木が少しでも楽になれるようにと祈った。涙がジワジワと出てくる。悲しい涙ではなかった。私の瞼に浮かぶ色は包み込むような優しい白色だった。
マッサージの終わりかけは白色すらも薄れていって目を瞑っているはずの視界が徐々にクリアになっていった。
完全なクリアとまではいかないが、頭と同様にスッキリしている。
マッサージが終わりプリミさんに感想を話していたけれど屋久杉の話をしようとすると言葉が詰まった。屋久杉のやの字でもいおうものなら確実に号泣してしまう。
また書きますといってそそくさと椅子に戻る。
文を書くのは億劫に思っていたけれど書きたいなと思った。留めておきたい。

2人の参加者は、どちらもおしゃれで朗らかだった。プリミさんとも屈託なく会話している。私もプリミさんと話したいなと思うけれど、何をしゃべっていいのかわからない。
けれどプリミさんがチャンス大城さんとランジャタイの国崎さんが好きだとわかり俄然テンションがあがった。
チャンス大城さんのバッグを掲げ
国崎さんの本をみせ
「今日は3人が揃っていて嬉しい」と熱弁した。プリミさんは私よりお笑いに詳しかった。帰ってからトンツカタンお抹茶さんの「かりんとうの車」の歌についてどう思うかと聞けばよかったと後悔した。私は最高に素敵な歌だと思っているんだけど。

帰りの世界は視界がクリアだった。
気分は最高で、頭はカラになっていた。
電車のホームの場所を間違え乗り換え駅の1つ手前の駅で降り出ちゃいけない改札を出ようとした。頭と体がうまく連動していないが、それでも気分がいい。

初めて遠隔宇宙マッサージを受けた時、私は弱りに弱っていて、ラブを無抵抗にあびたからか、日常がありえないぐらい光に輝いてキラキラしてみえた。今回はスッキリとクリアだ。
ベールがパラリと一枚めくれたような。このベールが何枚も何枚もめくれたら世界はどんな風に変化して見えるんだろうか。
直接宇宙マッサージを待っている間、思っていたことがある。今回に限らずどんな不可思議な体験をしても私はまだ世界の奥深さ豊穣さを信じきれずにソロリと一歩足をひき事の真偽を確かめようとしてしまうだろうなと。

そんな自分に少しだけやるせなくなって慰めを求めるように本を開いてみたら、まえがきの言葉にめがとまった。
さっきはサラリと読み流したその言葉

〜 理由はわからないままです。
ただ、あたくしはこの「わからないまま」がけっこう好きで、よくわからないまま進んでいく物事が、この世が好きです  〜

そうだよな。わからないままでいいんだ。

腹に落ちた。腑に落ちた。

わかんないまま楽しんじゃえばいいんか

わけがわからないのがこの世か

肩の力がスコンと抜けた。

わけのわかんないこの世をわけがわからないまま楽しもうと思う


             ☆おしまい☆

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