愛するという感情と愛するという行為

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第一章 愛するという感情と愛するという行為

多くの人は、愛するという行為を誤って理解している傾向がある。
「愛する人と家族になる」という考えは、広く人々に共有されている概念の一つではないだろうか。
しかし、愛する人と結婚するという考えは必ずしも上手く機能しない。
根本的に自然的な人の感情は変化するからである。
実際に機能するのは、「家族を愛するという行為」である。

ここで「愛する」とは、意思的な行為なのか、それとも意思よりも前に自然的に存在する感情なのかという論点が見えてくる。
実際には「愛する」という言葉には意思的な行為と自然的な感情との意味が完全に同居させられている。
行為と感情という完全に異なるレイヤーの概念であるにも関わらずである。むしろ、だからこそ同居させる事ができたとも言える。

社会的な生活において、自然的な愛するという感情は人々が期待しているほどは機能してくれないのが現実だ。
感情はあまりにもボラティリティが高く、フラジャイルであり、持続的な環境を生み出す事を任せるにはあまりにも不安定である。

コモンセンスにおいて、長い間軽視されてきた技術の一つに、愛するという技術がある。すなわち意思的に愛するという行為の技術である。

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