窃盗とは

人間社会は複雑で難しいように見えるが、実は根本的な禁忌は『暴力』と『窃盗』しかない。
その他の禁忌はそれらを広義へ展開したものまたはそれを防止するものである。

例えば、薬物濫用などは暴力や窃盗を引き起こすリスクがあるため禁忌とされている。

現代の先進国においては暴力は歴史上まれに見るほどに縮小されており、もはやビジネス取引の中で暴力を振るう者は0に近い。
ここでは人類二大禁忌のうち今なお健在な『窃盗』について整理してゆく。

《窃盗とは》

窃盗とは、「他者の財物、利得を害し、自らの財物または利得を得ようとすること」を指す。
この定義は制限なく広義へ展開されるものと理解してよい。
また、財物、利得を最終的に得たかどうかには依らないと考えてよい。

《7つの窃盗》

窃盗の対象には以下の7つがある

『財物』
『無体財産』
『利益』
『機会』
『時間』
『労力』
『意識(アテンション)』
『人々からのアテンション』

ただし、被害者が害された財物、利得と加害者が得ようとする財物、利得は必ずしも一致しないという点には注意が必要である。

例えば、京楽を目的として他者の『財物』を破壊するという行為も窃盗であるが、この時加害者が得る京楽は『財物』ではなく『(精神的な)利益』である。

『財物』

財物とは、『有体物』、『不動産』を指す。
「財物の窃盗」は、物理的な窃盗を指す最も狭義の窃盗である。

『無体財産』


『利益』

ここでの『利益』とは『金銭の享受』のみならず『精神的な利得の享受』も含むと考えて良い。

『機会』

結果的に利益が得られるかどうかに関わらず、利益が得られる可能性が存在すれば『機会』と呼べる。
人はあらゆる経験から学習を得るため、あらゆる経験機会が価値を持っている。そういう意味で「機会の窃盗」はかなり幅広い場面で発生することに注意されたい。

『時間』

人の持つ時間は有限であり、かつ有効に活用することで価値を生み出すポテンシャルを持つ。これを害することは当然に窃盗である。

『労力の窃盗』

人に労力を消費させながら、それに見合った利得を提供できなければそれは窃盗である。

『意識(アテンション)の窃盗』

人の意識(アテンション)は有限である。何かにアテンションを払っている間は他のことにアテンションを払えない。
人は他者と話している時、相手のアテンションを占有している。したがって相手にそれに見合った利得を提供できない限りは窃盗となる。

多くの人が既に気付いているであろうが、『アテンションの窃盗』は極めて犯しやすい禁忌である。
人は人と会話する時点で禁忌を犯すリスクがあるのだ。

『人々からのアテンション』

人々からアテンションを得られる利得を奪うことは窃盗である。

例えば「成果の横取り」と呼ばれる行為がこれにあたる。人の成した実績を自らの実績であるかのように謳い、損害を与えることとなる。

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