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21/1/11 「1982年のキッドリターン」

2021年1月11日

  今日は成人式だった。

  遡ること38年前、1982年の成人式の日、ボクは千歳烏山の風呂なしアパートでひとり過ごした。
 高校で1年留年。明治大学に入学して2年目。
 大学は4日通っただけ取得単位0、この日、バイト仲間も田舎から一緒に上京した仲間もみんな帰省した。
   ボクだけが誰からも祝福されない、と歯ぎしりしていた。

 いよいよ行き場がない行き止まりを思い知らされた。
  この暗闇から出口を求めてビートたけしの弟子志願へ発射するまで、まだ2年もあったのだ。
  読者がボクひとりの『カス新聞』を発行していた。
 「人生の独居房だ」と書いていた。

 今がどん底だ。今がどん底だ。と書き綴った。

  生殺しの日々はつづく。

 1985年に弟子入り。
 浅草フランス座という現代の蟹工船の日々を経て、若手芸人として順調に売れ始めた。

 1982年から15年後の1月。
 変装免許証事件で起訴され有罪が確定した。
 
 前科一犯。謹慎生活。

 ひとりぼっちの部屋。

   人生には、どん底より、まだ底があるのを思い知った。

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 独居房で96年公開、師匠の監督作
 『キッズリターン』を何度も見た。

 「俺たちもう終わっちゃったのかな?』
 『バカ野郎ぉ! まだ始まっちゃいねーよ!』」


 20歳の若者へ!!

 どん底からでも這い上がれる。
 
 キッド・リターンを言い聞かせろ!!

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