機動戦艦ナデシコを見た

最近アニメを見るのが楽しい。しかし面白いアニメを見るのが楽しいのであってつまらないアニメは見ていられない。世の中には放送中の殆どのアニメを見る人間もいる。普通なんでもそうだがある程度量をこなすと質や好みいうものがわかってきて質の低いものや好みに合わないものは見るのが苦痛になると思うのだが更に量を見続けるとそういうのも超越するのだろうか。
そういう領域に達した人をアニメオタクというのだろうな。駄作の中に宝石を見る。シンプルに尊敬してしまう。

しかし自分は面白いアニメだけが好きな三流なので評価のある程度固まった古い作品を見ることが多い。
そんなわけで機動戦艦ナデシコを見ることにしたのだ。

感想としては面白かった。
振り返ればメインヒロインのユリカのキャラクターはかなり嫌いになる可能性があったのだが声優の桑島法子の声によって解毒されていた。
ユリカの声すごくいいなァ…なんでだと声優について調べたところメタルギアソリッドシリーズのメイ・リンやパラメディックを担当されていた方だった。
中学生の頃めちゃやったゲームだったのでつまり一番多感な時期の刷り込みだった。で、味は?

「ガンダムのホワイトベースの中でうる星やつらをやる」というのがコンセプトだったのかどうかわからんがそういう構造になっておりメカニック担当のウリバタケは声はカミーユだけどキャラクターはうる星のメガネであった。

中身がうる星やつらでも乗り物はホワイトベースなので人が死んだりするのだが火星の人間を結果的に虐殺したあとそのショックでアキトにキスを迫りラブコメに繋がっていく展開は恐ろしかった。ユリカここでもまだ性欲なのか!?
この不気味なギャップがこの作品の一つのキモなのかもしれない。

90年代のオリジナルアニメで25話あるのだがそれに豊かさを感じた。
というのもほとんど話の本筋に関わらない回、アイドル大会の回なんてなくてもいいような話なのだがこれがあるとないとでは視聴者のナデシコクルーへの愛情の量ってかなり変わってくるなあと思った。
そういう回がいくつかあり「今のアニメは作画ばっかりよくして本当の豊かさを失ったのだ…」とか思ってたら最終話がちょっと消化不良で「無駄回連発するならもっとやりようがあったろ!」という気持ちになった。
でも全体的には良かったと思う。好きなアニメです。

映画版も見た。
作画がめっちゃ良いのだが若干キャラデザの雰囲気も変わっている。
二年後の話になっておりかつてのクルーが解散していて主人公は最人気キャラだったホシノ・ルリになっている。
雰囲気もシリアス寄りになっていてこれにも押井守の影響というかパトレイバーの影響を感じる。
画面いっぱいにOTIKAと表示される冒頭のシーンは確実にパトレイバーのオマージュだしホシノ・ルリの喋り方が後藤隊長っぽい。
最後にはクルーが集結してTV版の雰囲気になるかなと思ったらアキトとユリカが再開することがなく不完全燃焼。
敵の山寺宏一もよくわからんし。ロボットバトルするためだけに取ってつけた感。
どう見ても続きを前提とした作りになっているだが24年現在続編はない。
監督のツイートによると偉い人に続編制作をブロックされているような雰囲気。
なんとかならんか。みたいよ続編。ちゃんとアキトとユリカをくっつけておくれよ。


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