Weekly Letter Vol.1(10/25-10/31)

こんにちは、Suiです。

この記事はニュースレター「Suiの企業分析通信」で毎週更新しているWeekly Letterを2週間遅れで公開しています。

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Weekly Letterは毎週月曜日の夜に更新予定です。



このWeekly Letterでは1週間で気になったニュースや記事などを読者の皆さんに紹介していきたいと思います。重要なニュースや役立つ記事などを私Suiがピックアップして、解説などを交えながらお届けする内容になっています。

今後、変更する可能性はありますが、トピックは以下の通りです。

  • 注目ニュース

  • 特集(企業分析のノウハウなど)

  • 気になる決算、企業

  • 参考になったツイート、記事

  • おすすめ本紹介

  • アイデア、雑談、その他



1.注目ニュース

先週(10/25-10/31)の注目ニュースを取り上げて、その記事の解説や自分の感想、今後の見通しや予想などを書いていきます。できるだけマーケットでの重要ニュースを取り上げたいと思うので、皆さんの振り返りにも役立つと思います。(ただ、マクロやマーケット動向というよりは企業関連のニュースがメインです)


①テスラ 大型受注で最高値更新

テスラの勢いが止まりません。10月20日に発表した3Q決算が好調で、最高値付近で推移していましたが、月曜日に報じられたこの大型受注のニュースで一気にブレイクして最高値を更新しました。


内容は記事を見てもらえばと思いますが、個人的に注目したいポイントはハーツというレンタカー会社がテスラを選んだ理由について。ニーズ(特に法人の)が確実に増えている気がします。

なぜレンタカーの電動化が必要なのか、簡単に言えばESGへの対応なのですが、詳しくは特集のパートで自分の考えを説明したいと思います。


②ETHが最高値を更新

BTCは先週に最高値つけて一旦下落したのに対して、ETHは最高値をつけています。BTCは先物ETFが上場した時点がピークで、今は少し調整しているように見えます。


③Facebookが「Meta(メタ)」に社名変更

Facebookが社名を変更してメタバースに大きく投資するなど、メタバースへの注目度がかなり上がってきています。FBは2014年にVRデバイスのオキュラスVRを買収し、4QからはVR関連の事業を独立した報告セグメントとして発表することが先日の3Q決算で言及され、苦戦する広告からVRへの転換を図っている最中です。

上の日経記事のコメントにあるビービット藤井さんのコメントがとても印象的だったので引用したいと思います。

彼らのメタバースにおいて重要なのは「コミュニケーションの新たな在り方」であり、その意味でこれまでのVRとは一線を画します。身の回りのものをホログラムで置き換えたり、無駄な移動を減らしたりすることで、脱炭素まで志向されています。


また、メタバースのETFなども発売されており、今後も注目が集まるテーマだと思いますし、自分も改めてメタバースについて考える機会になったので、今後のWeekly Letterでメタバースについて少し書いてみたいと思います。


2.特集(企業分析や投資のノウハウ)

特定のテーマについて深堀りした解説をしたり、企業分析に役立つ自分のノウハウなどを紹介したいと思います。経済誌のダイヤモンドや東洋経済でいう表紙にあたる特集記事みたいなイメージです。Twitterでは書ききれなかった内容や反応が良かったテーマについて取り上げたりしたいと思います。


記念すべき初回の特集ですが、ニュースでも取り上げたレンタカー会社ハーツがテスラのEVによってレンタカーを電動化する理由について考えたいと思います。この背景には、ESGへの対応、つまりCO2排出規制が少なからず影響していると自分は考えています。

ウーバーは16年にハーツと提携し、マイカーを所有しないドライバーが格安で車を借りられる制度を設けている。この制度をEVにも広げる。レンタル料は週334ドル(約3万8000円)で、利用実績に応じて同299ドルまで下がる。ドライバーが顧客から一定の評価を得ていることが条件になる。11月から米カリフォルニア州とワシントンDCで開始し、23年までに全米に広げる。ハーツはレンタカーの稼働率を高めることができ、ウーバーは事業活動から排出する温暖化ガスの削減につなげる。

ハーツの購入理由に関してはあくまで個人的な見解で推測になりますが、その根拠となる「企業のESGへの対応(特に気候変動への対応)」については、今後さまざまな企業にも影響してくる部分なので、ぜひ理解を深めてもらえると嬉しいです。

まず、このニュースを理解する上で重要な前提として、企業はCO2などの温室効果ガスの排出量を減らす必要が高まっており、各企業は2030年や2050年までの削減目標を設定し開示しています。ここまではカーボンニュートラルなどご存知の方も多いかと思います。自動車メーカーであれば燃費向上やEVへのシフトによって排出量を減らすことが可能です。

ただし、企業に求められる削減目標は、「自社の排出量」ではなく、「サプライチェーン全体での排出量」に変わりつつあります。ここがとても重要なポイントです。

詳しくは下のツイートの記事を見てもらいたいのですが、排出量の算出にはスコープという基準があり、ざっくりですが、スコープ1,2は自社の排出量、スコープ3は購入先、販売先の排出量を表します。

例えばトヨタのような完成車メーカーで考えると、自社の製造部分でどれだけ排出量を減らしてもサプライチェーン全体で減らせなければ、結局は温室効果ガスの総量は増えてしまうため、スコープ1,2だけではなくスコープ3での削減目標を求められるようになっているのが現状です。


スコープ3の詳細は下の図が分かりやすく、購入した製品・サービス(カテゴリー1)や販売した製品・サービスの使用(カテゴリー11)など自社のバリューチェーンの上流、下流での排出量が含まれることになります。



環境省HP 初心者でも安心!物語でわかるサプライチェーン算定


さて、ここまでを踏まえて冒頭のハーツについて考えてみたいと思います。

ハーツ自体はレンタカー事業のため製造していない(スコープ1,2は少ない)のですが、顧客が使用する際に発生する排出量が多い、つまりスコープ3が大きくなるビジネスモデルになっています。

ではどうやってスコープ3を減らすかと言うと、貸し出す自動車をEVにするしかありません。ガソリン車のままでは利用が増える度に、スコープ3の排出量も増えてしまいます。

排出量を減らさないと超長期で見た時には、炭素税の負担や投資対象からの除外などのリスクが伴います。これが直接的なEVの購入理由かは分かりませんが、少なからず企業の意思決定に関して、脱炭素の要素が影響を与るケースが増えているのかなと思います。


3.気になる決算、企業

ここでは1週間で自分が気になった決算や企業を紹介します。決算がない場合は最近見つけた企業や、今後調べてみたいと思っている企業を紹介したいと思います。

※あくまで気になる企業で、推奨銘柄でもなければ調査もしていない段階で完全にアイデアベースです。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。


サイバーエージェント FY2021 4Q決算

今週話題になった決算としては、サイバーエージェントの決算です。

ゲーム事業が牽引し、全社での営業利益も1,043億円(前年比3.1倍)になりました。スマホゲームのウマ娘が大ヒットして、利益が急拡大しています。スマホゲームはランキング上位を獲得すれば月売上が数百億円、利益率も高いのでかなり業績を押し上げることになります。

一方で少し気になるのが、業績の見通しを発表しなかった点で、資料にもあるとおり、ゲーム事業の予測が難しいことから見送っています。

スマホゲームは次から次に新しいタイトルが出てくるため、今は上位を獲得できていても、すぐに順位が変動して売上が落ちる可能性があります。長期になればなるほど如何にコアユーザーを獲得できるかが重要になり、ライトユーザーが減るとその分売上も低減していきます。過去のパズドラやモンストもそうですが、最初は話題性もあり、ライトユーザーも多いのですが、次第にコアユーザーに絞られていくのはスマホゲームの特性と言えるでしょう。

もちろんここが必ずピークというわけではありませんが、成長するにはより多くのユーザーを獲得する必要があり、そこはジャンルによる市場のポテンシャルにも関係してくるのかなと思います。

サイバーエージェント 決算資料



4.参考になったツイート、記事

こちらでは自分が参考になったツイートや記事、ブログ等を紹介します。読者の皆さんに役立つツイートなどを紹介したいと考えています。


①バフェットコードの大株主ページ

大株主は自分が企業分析する際のポイントの一つで、どのような株主構成になっているかに注目します。創業者や社長が多く保有しているのか、機関投資家の保有がどれくらいあるか、どんな機関投資家が上位にいるのか、などを確認しています。

大株主の情報は有価証券報告書で確認できますが、年1回の更新で最新情報が取得しにくいデメリットがあります。それがバフェットコードでは公開情報を集約することで、最新の情報になっているのです。機関投資家が使うブルームバーグやファクトセットでは同様の機能があるので、これが無料で使えるのはすごいことなのです。


②インディケーター、チャート分析の注意点

テクニカル分析が全て無駄とは言いませんが、自分もこの考えに近いです。

参考になる部分を引用して少し紹介したいと思います。

価格変動は売買によってのみ生じる事象であり、「MAにタッチしたから買われた」訳ではなく、ただ「買われた」のです。5/

テクニカル分析はまさにこれで、MA(移動平均線)やその他のインディケーターが必ず機能するというわけではなく「ただそこで買われたから」テクニカルが機能したように見えるんだと自分は考えています。結局はその銘柄やアセットの参加者が何を重視しているかだと思います。


③利益確定のタイミング「8weekルール」

買いのタイミングより売りのタイミングが難しいとよく言われます。エントリーもそうですが、売りも自分で納得できるルールを作ることが大事なのかなと思います。そのルール作りに、このオニール提唱の8weekルールが参考になるかもしれません。

ちなみに、自分も売りに関しては色々悩み続けていますが、目標リターンで売りを入れておくというのがシンプルで良いのかなと最近考えています。単純に考えると、年間の目標リターンが20%としたら、1銘柄のリターンが20%になるところに売りをずっと入れておく、という感じです。ただ、このルール作りはポートフォリオや運用戦略とも相互に影響してくるので、結局は個別で考える(設計する)必要があるのかなと思います。


④JPモルガンのマーケットレポート

個人的にマクロはあんまり詳しくないのと、自分の中では優先度が低い(=予想するのが難しいので時間をかけすぎない)のですが、マーケットの流れや今後のリスクは抑えておきたいと考えています。

マクロは要点を押さえずに情報収集すると本当に沼なので、その辺りは自分もポイントを押さえて収集したいと考えています。いずれ特集の部分で自分の考え方などを紹介したいと思います。



5.おすすめ本紹介(不定期)

最近読んだ本や過去読んできた本でおすすめの本を紹介していきます。特集や他のトピックを優先的にお届けしたいと思っているので、毎週というよりは少し不定期かもしれません。ただ、紹介したいおすすめ本はたくさんありますので、少しずつこちらで紹介していきたいと思います。

過去のおすすめ本についてはライブラリー(まだ作成中のため、完成したらこちらで紹介します)にまとめているので、こちらもぜひご覧ください。


今週は、最近読んでいる本を簡単にですが紹介したいと思います。


リサーチをするときの情報収集の方法、考え方などがとても参考になる本です。さすが戦略コンサルのリサーチ、と唸りながら読んでいます。まだ読んでいる途中ですが、企業分析にも応用できる部分がたくさんあるので、整理して紹介したいと思います。



6.アイデア、雑談、その他

企業分析や投資以外の話や雑談、その他ざっくり考えていることなどについてです。特にテーマを決めずに思っていることを書きたいと思うので、興味のある方はご覧いただければありがたいです。

もし読者さんからの質問があれば、ここで回答もしたいと思いますので、どんどん質問してください!お待ちしております!いただいた感想もこちらで紹介できたらいいなと思いますので、ぜひTwitter等でシェアしてもらえると嬉しいです。

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編集後記と今後の方針について

初回のニュースレターということで、模索しながら書いてみた部分が多くて少し時間がかかってしまったかなと思います。今後は基本的に毎週日曜日に配信できるように制作を進めていきたいと考えています。配信のタイミングについては、Twitterで案内するつもりなので、チェックしてもらえると助かります。次回は11月7日(日)に配信できるように頑張ります。

あとは、現在はとりあえず他の方のニュースレターを参考にして模索しながら作成をしているので、早く自分の型を作りたいと思います。読者さんの感想がとても気になりますし、どんどん改善したいので読みにくい点や改善点、アイデアなどを気軽にコメントしてもらえると嬉しいです。



最後に

最後までニュースレターをお読みいただきありがとうございます!今週のWeekly Letterはいかがだったでしょうか?

このニュースレターをより良いものにしたいと思いますので、感想や質問をぜひお願いします。1番下のTwitterのボタンからシェアできるので、ぜひ感想と一緒にツイートしてもらえると大変嬉しいです。(いいね機能がないため、いいねの代わりにシェアしてもらえると読者の皆さんの反応が知れるのでとても助かります)

@Sui_investorでメンションを飛ばしてもらえれば、こちらに通知がくるので、何かしらリアクションできると思います。(いただいた感想をTwitterやnoteで)

また、特集で取り上げて欲しいテーマや質問などありましたら、Twitterでコメントしてもらえればと思います。匿名で質問したい方は質問箱からでもお待ちしております!(質問箱に感想でも嬉しいです!)

それではまた次回のニュースレターでお会いしましょう!

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