人生はラリー 〜僕と彼女とラリーと〜
『僕と彼女とラリーと』10/1公開初日に行ってきました。
この映画を見るにあたって私が得た知識としては、まずタイトルからして「僕」がウィンくんだということ、車が出てくるんだろうなってこと、「彼女」はヒロインの深川麻衣ちゃん役のシングルマザーとなにかしらあるんだろうなってくらいの知識で、YouTubeの公式予告くらいしか見ず、なるべくまっさらな気持ちで見たかったので、事前情報はなんとなくで鑑賞しました。
⚠️以下ネタバレ含みますのでご鑑賞前の方はご注意ください。こちらは私の個人的な鑑賞記録です。あくまで主観なのでご不快に思われる方もいるかと思いますがご了承ください。 ⚠️
主人公の北村大河は売れない役者。だけど記憶力が良くて器用。30分で長台詞を覚えたり、居酒屋のバイトでドリンクを間違えずに配ったり記憶力は確かに良い。でもマネージャーさんには「心がない」と言われてしまう。
ここの最初の場面で、ざっくりとした大河の人物像が印象づけられる。
家に帰ると友人らしき人が筋トレしてる。彼にしばらく居させて欲しいと頼まれると「嫌だけどいいよ」って。言い方優しいけどなかなか正直者だね。
そしてお父さんから何度も電話がかかってくるけどなかなか出ようとしない。
やっと出た電話も素っ気なくて敬語。そして心配してるお父さんに対して「なに親みたいな事言ってんだよ」の一言。
お父さんとの関係が浮き彫りになるシーン。電話切った後のボソッとつぶやいた台詞が後になって効いてくる切ないシーンでもありました。
大河は優しいようで冷たい、心がない?まだこの時点ではどんな子なのかハッキリわからず。
翌日、幼なじみの美帆からの電話でお父さんが亡くなったことを知ると直ぐに実家へ帰ります。ここで「あ、結構あっさり帰るんだな」って思った私。根深い確執があったように感じたけどすんなり帰ることを選択する大河に「もしかして意外と素直な子?」という印象を受けました。まぁ、でも親が亡くなったら帰るのは当たり前か。うん。
久しぶりに会った幼なじみに子供がいることを知り、離婚してた事も同時に知る。幼なじみの結婚、出産、離婚、シングルマザーという人生のターニングポイント的な事をこの一瞬で知らされ理解するのなかなか大変だよね。この辺り次見た時もう少しよく見ておこうと思った箇所です。
上地美帆役の深川麻衣ちゃんがとてもナチュラルでかわいい。正直お母さんというより年の離れたお姉ちゃんくらいの若さに見えたけど、年齢がウィンくんと同じと知り驚きました。自然な演技がとても良くて素敵だなと思いました。
豊田に戻ってきた大河は少し雰囲気が変わっていて、なんとなく東京にいた頃よりも幼く見えた。亡くなった父親と対面した時の複雑そうな表情や、仕事も家族も持ってるクールなお兄さんに対してはどこか引け目を感じてるような素振りが本当に自然で、ウィンくんの演技の幅に感動しました。
お父さんの遺影に使う写真を探してる時に若い頃の父親の写真を見つけたり、ラリー車を車庫から見つけた時など自分の知らない父親を垣間見て少しずつ大河の心の変化が伺える。その後、母親の田舎へ戻った時に更に母親の気持ちも知ることになり、徐々に父親に対しての気持ちが変わってきてるなと伝わってきました。
ウィンくんの繊細な演技に引き込まれます。
ここのシーンがあったからこそ父親の会社を存続させたいって気持ちに繋がるというのが納得できたし、大河にとってもこの映画にとってもとても大切なシーンなように感じました。
この映画でとても印象的だったのは火事のシーン。すごい迫力で恐怖すら感じる火の勢い。火事を見つめる大河と美帆のショックさが伝わってくるし、その後の焼け焦げた現場を見つめる皆の表情もリアルでそこだけドキュメンタリーのようでドキドキしました。
そう、他の役者陣の皆さんが素晴らしくてどの方もハマり役。ガンバレルーヤのよっちゃんなんか出てきた瞬間笑ってしまう。別におかしいことしてないのに笑ナイスキャラクターだった👏🏻👏🏻竹内力さんも良いキャラで熱い人でしたね。子役の子も可愛かった!
ラリーというものを通して父親の気持ちを徐々に知っていく大河、そして美帆の存在。
後半2人が惹かれあっていく様子が垣間見えるけど、そこはあまり具体的過ぎず、でもそうなるよねっていう納得感もあって監督うまいなぁと思いました笑
愛だの恋だのっていうのがメインなお話じゃないからさり気なくって良いなと思いました。
後半のシーンで、母親が亡くなってから演技以外では泣けなくなった大河が、車の中で「なんか泣けてきた…」って突然泣き出すシーンでもらい泣き🥺色んな感情が大河の中で溢れてきたんだろうなって感じて胸が熱くなりました。
そしてラスト、美帆へ向けた言葉がカッコつけてなくて自然でとても良かった!思いつきでもなくて思わず溢れ出たって感じで心臓鷲掴みにされた感じ!美帆ちゃんが頭真っ白になるのもわかる!笑
ラリーのスタートと共に2人の新しい人生も始まる感じがして素敵なラストだったと思います。
この映画には悪い人が一人も出てこなくて見終わった後の温かさが心地よい映画でした。
予告でもありましたが「人生はラリー」というお父さんの台詞が印象的で、レースな人生も悪くないけど、この映画を見てラリーな人生も良いなと感じました。
撮影は1年前くらいだということで、ちょうどこれからの季節ともリンクするし、そういう空気感もしっくりきて良いなと思いました。
とにかく景色の美しさ。映像が綺麗でどこを切り取っても絵葉書になるような素晴らしい景色。心が洗われるような気がしました。
映画館出る時に幸せな気持ちで帰れる素敵な映画です。
主題歌の加藤ミリヤさんの歌がまた良くて!
映画の中の雄大な景色と合うんですよね。
MVも素敵でした。
10/1の初日舞台挨拶と10/2の舞台挨拶にも参加させていただきました。
ウィンくんと麻衣ちゃん、お二人の人柄の良さが伝わってきて、話し出す時もちゃんとお互いのタイミングを見て譲り合ったりしてて可愛らしかったです。
2日は監督も登壇されたので色んなお話が聞けて楽しかったです。奥様が珍しく褒めてくれたってお話されててほっこりしました。
初日の時の衣装がウィンくんは黒っぽくて、麻衣ちゃんは白。2日目はウィンくんが白で麻衣ちゃんが黒と2人とも対照的で事前に相談されたのかな?って思いました。とっても素敵でした。特に2日の麻衣ちゃんの黒いワンピースが素敵で、メイクもバッチリされてたから映画の美帆とは印象が変わって大人っぽくて美しかった!(ちなみに10/3の舞台挨拶ではお2人ともブルーで合わせてました)
これからまだあと何回か見る予定なのですが、見る度にきっとまた違った印象を受けたりするかもしれないなと楽しみです。
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