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【ライブレポ】フィロソフィーのダンス@東京ドームシティホール〜「私たちを愛してくれてありがとう」と、十束おとはは言った〜

 6月26日 (日) 、TOKYO DOME CITY HALLにて、フィロソフィーのダンスのライブを観て来ました。

 TOKYO DOME CITY HALLは、東京ドームのすぐ隣にあるエンターテイメント・ホール。東京ドームでは野球はやっていませんでしたが、Aqours (「ラブライブ!サンシャイン!!」に登場するアイドルグループの声優さんたちのユニット) のライブが行われており、6月最後の日曜日、たくさんの人で賑わっていました。

 さて、フィロソフィーのダンスのライブ、私が主現場としているばってん少女隊と同じフェスに出演しているときに何度か観たことがあり、特に、4月末に行われたばってん少女隊との対バンライブ (2022年 4.30@大阪・梅田クラブクワトロ) がめちゃくちゃ楽しかったので、これは是非ワンマンライブを観に行かねば! ということで本日を迎えました (ちなみに、そのときのレポはこちら) 。

 まだまだ一見さんな私ですが、今日は「生バンド」でのライブ、しかも5月から始まった「全国ツアーのファイナル」ということで、これはもう "めっちゃ仕上がったライブ" を観られるに違いない! 絶対楽しいだろう!
 そんなことを考えながら、感染症拡大防止対策のための回答をスマホで入力しつつ、会場へ向かうのでありました。


■ライブレポ

概要 (セットリスト)

17時42分開始 約2時間
観客約2,000人
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セットリスト
1.サンフラワー
2.ロック★With You
 MC 自己紹介
3.ダンス・オア・ダンス
4.エポケー・チャンス
5.テレフォニズム
 寸劇:ツアーファイナルの打ち上げにみなさんをご招待
6.気分上々↑↑
7.誓い合ったんだってね、LOVE
8.ファンキー・バット・シック
9.アイドル・フィロソフィー
10.シスター
11.ジャスト・メモリーズ
 一人ずつ、ツアーにかけた思い
12.愛の哲学
13.ダンス・ファウンダー
14.フォーカス
15.ライブ・ライフ
アンコール
1.ベスト・フォー

バンドメンバー  (日向ハルさん後日のツイートより)
 Key.松本ジュン
 Gt. 田口慎二
 Ba. 千ヶ崎学
 Dr. 小笠原拓海
 Mp. 泉泰宏
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●会場の様子

 本日の会場は「座席」が設けられており、フィロソフィーのダンス公式HPで示されている図 (◆6/26(日) 東京の部分) を確認すると、フルキャパは約2,000人といったところでした。
 アリーナフロア (ステージのあるフロア) にざっと1,000人弱、そして2階〜4階席まで1,000人ほどの客席が設けられている感じです。
 この天井の高い、広い会場が、開演時間を迎える頃には、満員御礼。
 ディスタンスは空けず、全席詰めて座るスタイルですが、本当にたくさんの客さんで埋まっていました。
 客層は様々。若者から、お子さん連れの方、そして、おそらく定年退職後と思われる方まで、幅広い年齢層の方々が集まっています。
 開演前に、大学生と思われる2人組の会話が聞こえてきたのですが「フィロソフィーのダンスの曲って、親世代でも全然オススメできるからなぁ」
 確かにその通り。ファンクナンバーからR&Bなど、幅広いジャンルの音楽をやっていて、音楽好きなら世代を問わず好きなグループだと思います。 


●序盤:どれだけ楽しめるか、見せてもらいますよ!

 定刻より10分少々遅れて、バンドメンバーが一人ずつ登場。まず生ドラムの演奏が始まり、続いてピアノ、ギター、ベースと「バンドの音」が重なっていくと同時に、場内には「 "朝" を告げるような、鳥のさえずり」が流れ、フィロソフィーのダンス4人が登場しました。

 ピアノ演奏にのせて、日向ハルさんが「サンフラワー」のサビ部分「世界でいちばん眩しい 今を 私は生きている」と、高らかに歌い上げ、ライブの幕が上がりました。

奥津「世界で1番幸せな場所、東京ドームシティホールへ、ようこそ〜!」

 2曲目は「ロック★With You」
 アッパーな曲調にあわせて、会場全体がクラップで1つになります。
 序盤で会場を温めること、そして、全体のリズムを整えることを狙ったのか、「ベースの音」がグッと大きくなり、ズンズンリズムを刻む低音が心地よく響いてきました。
 落ちサビ、日向ハルさん奥津マリリさんの2人がシャウトする場面でバンドが演奏をストップし、場内に「Wow‥Yeah」と2人の最高の歌声がアカペラで響いたところで、場内から一斉に拍手が。

「感動的なフィナーレは待ってても来ないから 掴みとれ」

 11月にフィロソフィーのダンスを卒業することを発表している十束おとはさんが歌うサビのフレーズに呼応するように、再び大きなクラップで会場内は1つになって大盛り上がり。

 2曲を終え、最初のMCへ。

奥津「東京ドームシティホールへお越しの皆様〜、私たち。。。」
4人「フィロソフィーのダンスです! よろしくお願いします!」

 各人が、自己紹介とともに、今日のライブを最高のものにすることを宣言した後、リーダーの奥津マリリさんが、観客席を挑発するようにコメント。

奥津「さぁどれだけ楽しめるか、見せてもらいますよ〜! ほら、そんなんじゃ足りない足りない! みんなで、踊りましょう〜!!!」

 この言葉に合わせて、バンドメンバーが始めたイントロは、ロカビリー調の「ダンス・オア・ダンス」でした。
 間奏でメンバーがドラムへ「ここをブラジルにしたいんだ! もっとカーニバルにして!」とムチャ振りして、サンバのリズムパターンをいくつも披露させたり、4曲目「エポケー・チャンス」では、テンションの上がったメンバーが次々と予備のドラムスティックを持ってドラムのシンバルを叩いて暴れ回るシーンもあって、とにかく自由 (笑) !

 ツアーファイナルは、最高の形で始まったのでした。


●中盤①:テレフォニズム〜打ち上げへのご招待〜

 ペース配分などおかまいなしに暴れ回った序盤から、一転、照明が青白く染まり会場内が「夜」の雰囲気になった中、電話のコール音が響き「テレフォニズム」がスタートしました。
 リズム系の曲で楽しませた後、"歌もの" でしっかり聴かせる幅の広さ。都会で恋する大人の女性の切ない心情をしっとりと歌い上げる、この曲では十束おとはさんのウィスパーボイスがピタリとハマります。

 実はわたくし、4月にばってん少女隊との対バンライブでこの曲を聴いてから、最も聴き返した曲だったので、「あぁ。。。やっぱりええ曲や。。。」なんて浸っていると、曲のアウトロで「終わり」を告げるはずの電話のコール音に続いて、奥津マリリさんと、日向ハルさんによる電話コントが始まりました。

奥津「もしも〜し、ハルちゃん?」
日向ハルです!」
奥津「お〜オレの愛するハルちゃん! あのさ、ツアーが終わるじゃない? だからさ、みんなで盛大に打ち上げしない?」
日向「え? 打ち上げ!?」
奥津「もうホテルも取っておいたよ、4人分の部屋。お金も全部払っといたから。だからさ、みんなにマリちゃんの部屋に集まってほしくて。。。」
日向「お〜祭りだ♪ 祭りだ〜 (お祭りの歌を歌い始める) 」
奥津「。。。分かった。だから、みんなに集まるよう、伝えといて!」

 会話の間に、ステージは真っ暗になり、バンドメンバーもフィロソフィーのダンスの4人もいなくなった暗闇の中、電話のコール音とメンバー同士の会話劇が続きました。
 「ツアーファイナルの打ち上げを行うから、マリリさんの部屋に集合!」という電話が、この後、日向ハルさん十束おとはさん佐藤まりあさんへと続き。。。

 昨日の夜、公式Twitterで公開されていた、佐藤まりあさんが「フィロソフィーのダンスのパーティーに来てほしい」と話す音声が会場に流れました。
 会場の多くのお客さんが「ここにつながっていたのか。。。」と思ったことでしょう。
 そして、こう思ったはずです。
 「パーティーに来てほしいって、"ライブに来てほしい" ってことじゃなくて、"ライブ後の打ち上げに来てほしい" ってこと!?」


●中盤②:プライベートとパフォーマンスの狭間

 ステージが明るくなると、4人分のイスが用意されており、佐藤まりあさんがパジャマ姿で登場。
佐藤「 (会場に向かって) みんなー、来てくれてありがとう! 」

 同じくパジャマの奥津マリリさんが登場すると、会場を見て驚いたフリをしながら。。。
奥津「みんな、私の部屋に入ってきてるー!」
佐藤「私が呼んだんだよ〜♪」
奥津「私の部屋に勝手に!」

 日向ハルさん十束おとはさんも登場。4人ともパジャマやジャージなど  "部屋着" に着替えており、「フィロソフィーのダンスと、会場のお客さん全員が、奥津マリリさんの部屋に集まった設定」で、まだ終わっていないはずの今ツアーの "打ち上げ" が始まりました♪

 スイーツを取り分けて、4人がモグモグしながらのリラックスタイム。
 「みんな (会場) も楽しんでね〜」と佐藤まりあさんがお客さんにドリンクなど自由に飲むよう促すと、奥津マリリさんは「酒はないのか〜」と、スイーツそっちのけな飲んべえっぷりを披露。
 十束おとはさんが「このスイーツ、くんかくんかしたらめっちゃいい匂い!」と言えば、日向ハルさんは「ブ〜ブ〜」と豚鼻を鳴らしながら「楽しいね〜」とケラケラ笑う。

 しばらくの間、4人はお互いを笑わせることに夢中になっていて、おそらくほとんどアドリブだったと思われる、幸せな時間が流れました。
 ライブを観に来ていたはずが、"その後の打ち上げ" に参加し、アイドル同士がイチャイチャする「最高の内輪ノリ (褒めてます) 」を共有できる時間。
 
 十束おとはさんだったかが言った「 (時間が) 押して始まったのに、私たち、トーク全然終わんないね (笑) 」という言葉で軌道修正し、次の曲へ進みましたが、"打ち上げ" 中にバックで自然に流れていた曲が、実は次の曲「気分上場↑↑」のイントロであり、イスに座って、スイーツを手にしたまま、パフォーマンス。


 "プライベート" と "パフォーマンス" の狭間のような、絶妙の空気感が、フィロソフィーのダンス4人、そしてこのライブを唯一無二のものにしていると感じました。
 大観衆の前で、"素の自分" など普通は出せません。おそらく、各メンバーも1人だけだったら、こんなにリラックスした姿は見せられなかったと思います。
 でも、フィロソフィーのダンス4人でそろえば、"打ち上げで盛り上がる、素の自分たち" を出すことができる。
 現体制で最後となる全国ツアーに、こういうブロックをお客さんと共有したのは、4人が7年間でたどり着いた "信頼感" の集大成を演出して見せたのだと、強く感じました。


●中盤③:今が人生で1番幸せです

佐藤「この幸せな雰囲気のまま、後半戦行きますよ!」

 バンドメンバーが、Overture「ファンキー・バット・シック」を演奏する中、各メンバーが一人ずつ "部屋着" を脱ぐと、下にはシルバーを基調としたかっこいい衣装が! 4人が戦闘体制に入りました!

 バンドメンバーの紹介を行い、アゲ曲「アイドル・フィロソフィー」、ムードたっぷりな「シスター」、そして日向ハルさんのボーカルが会場中を震わせた「ジャスト・メモリーズ」が披露され、お客さんの拍手に包まれる中、メンバーから今回のツアーにかける思いが語られました。


奥津「本日はあらためまして、Love 4 You TOUR 2022へお越しいただきまして、ありがとうございました。愛にあふれた、本当に幸せなツアーだったと思います。
 このグループに入る前、ソロで音楽をやっていたときは、こんなに幸せな仲間、スタッフさん、そしてみなさんに出会うとは思ってなくて。。。昔、一人でがんばってて、"音楽を辞めなかった自分" を褒めてあげたいなって思います。
 今が人生で1番幸せです。どうもありがとうございます。」

佐藤「このツアーが始まって、愛について考えることが増えて、そのときに浮かんだのは、フィロソフィーのダンスみんなのこと、そして、今日まで応援してくださったみなさんのへ感謝です。
 この4人でライブができるのも限りがあるけれど、新しいフィロソフィーのダンスも、愛してもらえるようがんばるので、これからもよろしくお願いします。」

日向「人に甘えることができなかった自分が、今こんなに仲間を信頼できているのは、メンバーのおかげです。これからも最高の音楽を続けることを約束します。
 みなさん、本当に応援ありがとうございます。」

十束「あっという間にツアーファイナルを迎えてしまいました。今思うことは、フィロソフィーのダンスに入って良かったということです。私にとってみなさんはメンバーであり、仲間で、7年間、私が何を思ってアイドルをやってきたかというと、みなさんを喜ばせること。私にとって、そのことが誇りです。
 アイドルとしての期間は11月までだけど、11月以降も愛してもらえるよう、最後までがんばります。私たちを愛してくれてありがとうございます」


 この後、リーダー奥津マリリさんから「愛の結晶として、この歌を歌います」という言葉に続き「愛の哲学」が披露されました。

 メンバー個々の歌唱力が高く、あまりユニゾン (合唱) を使わないフィロソフィーのダンスが、最後のサビで4人で声を合わせて歌う場面で、奥津マリリさんは涙を流し、歌えなくなってしまうほど、気持ちのこもった素晴らしい「愛の哲学」でした。


●終盤:みんなの幸せを更新するからね!

佐藤「東京ドームシティホール、まだイケますか!?」
日向「踊り方なんて分かんなくて良いから! 自分のダンスを踊れば良いから!」

 4色の照明が強めにステージを照らし、「ダンス・ファウンダー」「フォーカス」が披露されました。

 そして本編最後の曲は「ライブ・ライフ」

奥津「本当は終わりたくないけど、次でラストだ、東京!」
日向「みんなの幸せが、次会うときまで続いていますように!」

 振付の中でメンバー同士が、お互いをボディタッチし合う多幸感あふれる戯れを見せながら、圧巻のパフォーマンスで、本日のライブ本編は幕を閉じたのでありました。
 演奏が終わった後は、下手、上手、そして中央でお客さんへ深々とお辞儀。

十束「世界で1番幸せな時間だったと思います。また、みんなの幸せを更新するからね!」


 本編終了後も、アンコールを求めるクラップが鳴り止まず、再度メンバーが登場しましたが。。。この時点で19時33分。
 17時30分開演予定だったのが、10分ほど遅れて始まり、さらに本編もたっぷりパフォーマンスを行ったため、「本来、終わっていなければいけない時間」は、もう来ていたのかもしれませんが。。。

日向「終わりたくないから、曲フリしたくないんだけど、めっちゃ押してるらしいので。。。」
佐藤「みなさん、起立! これ以上できないので、本当に最後の曲です!」
奥津「この曲、悔い残さないように、楽しんでいってくれー!!」

 会場総立ちの中、最高の「ベスト・フォー」が披露され、お時間いっぱいとなりました。
 バンドメンバーも加わり、8人全員で手をつないで、お客さんへ一礼。
 バンドメンバーが退場した後は、4人での "お手振りタイム" 。ここで、最後の最後に会場全体が明るくなり、メンバーから客席が見えやすくなるニクい演出もありながら。。。

奥津「これからも、人生かけて愛をお届けするぞー!!! 以上。。。」
4人「フィロソフィーのダンスでしたー!!!」


■雑感

 アンコールのとき、十束おとはさんからサプライズ発表があり、卒業ライブが11月19日@日比谷公園大音楽堂で行われることが告知されました。

十束フィロソフィーのダンスの音楽は、やっぱり野外で聴くのが最高だし、早めに言っておかないと、みんな他の現場のスケジュール入れちゃうから (笑) 、今言いました!」

 最後に「DDに対して釘を刺す」、なんというか、アイドルとして完成された姿を魅せてくれました。

 良い意味で「アイドル」というフォーマットに収まらない、自由で楽しいライブを魅せてくれつつ、一方で、アイドル文化に沿った "ヲタクいじり" もできる。本当に素晴らしいグループだと思いました。


 セトリについては、一見さんなりに予習をして、もっと「生バンド」にゴリゴリに寄せた「ジョニーウォーカー」などがあるのかな? と思ったのですが、そうではなく。
 「自由」について歌う曲が多く、「愛する」とは「自分から行動することだ」「生きるってそういうことだ」と言われているような気がしました。


 今日のライブ開始前、注意事項として「大声での声援は禁止」とアナウンスがありましたが、何度思わず声が出そうになったか分からないほど、最高のライブでした。
 ヲタクは「好き」って叫びたい生き物で、それが叶わないご時世になってから随分と時間が経ちました。
 11月の「野音」では、そういう制限がなくなっていて、最高のライブがまた観られることを期待しています。

 本当に素晴らしいライブでした。
 どうもありがとうございます。



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