QAの専門家の得意なこと

QA、テストの専門家って、結構要求工学とかに興味を持つんですよね。それってなんでかな、って前から思っていたのですが、一つの推測があります。

それは、テストの専門家は製品のことを一番知っている人になりうるから、です。テストの専門家が製品開発の中で一番活躍できるのって、製品のあるべき姿を認識してそれを保証できる、っていうポイントなんですよね。あるべき姿を知るためには、製品のことも知らなきゃいけないし、ユーザのことも知らなきゃいけない。つまり、必然的に製品の専門家になるんです。

製品の専門家になると、次は要求獲得や要件定義のプロセスを担うようになります。そりゃそうです。一番製品について知っているから。そうなると、そのプロセスの技術を学びだし、要求工学とかに行きつくわけです。USDMとかも似ていますね。


この役割分担は、個人的には理想的なものだと思っています。V字モデルでいうと上下で区切る分担です。単純にテストか開発かで分けると左右なのですが、右側のテストといってもユニットテストとシステムテストでやることが結構変わりますよね。見るものもコードからシステムと全然違うものですし。木(もしくは枝)を見るのか森を見るのかで視点も全然変わります。

その点、上下で区切ると視点は固定できます。森を見続けられるってことですね。いろんな組織の方々とお仕事をしてきましたが、実はこういう組織の切り方をしているケースを多く見てきました。おそらく直感に合うのでしょう。


まぁただここまで語ってきていうのもなんですが、V字の上側の専門家として進むのか、それとも製品全体の中での品質保証を考えるのかでキャリアパス的には違うものになるかなと思っています。製品の品質を開発プロセス全体で考えようと思うとソフトウェア詳細設計のことも知らなきゃいけないし、システムテストのことも知らなきゃいけないです。この場合は広く浅い知識が必要ですね。

まずテストからキャリアをスタートしたとしても、左に進むのか下に進むのか、考えながら知識をつけていくのがおすすめです。

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