論文:ユースケース記述からの状態遷移モデル生成

本日はこちら。

最近はやり(個人的に)のモデル検査とかそこら辺の論文(情報処理学会のSIGの研究報告?)です。過去に読んだ論文からも引用されているので、この論文がアイデアを出した最初なのだと思われます。(推測です)

まとめると、

・ユースケース記述を自然言語処理を使って形式的表現に変換する

・形式的表現から状態遷移モデルを作る

・状態遷移モデルにモデルチェッカをかけて、分析する

です。

例のごとく、気になる箇所を引用します。


モデル検査の多くは仕様を時相論理式で記述するために、ユースケース記述のような時間の流れと共に状態が変化するような内容を分析するのに適している

なるほど、こういう考えからユースケース→モデル検査という流れになっているんですね。個人的にはユースケースだけじゃなくてシーケンス図とかアクティビティ図とかに関しても同様にモデル検査できないかなと思っていまして、希望が見えた気がします。類似の論文探してみます。

一方、ユースケースは代替や例外フローにおいて、元のステップに戻るという処理が入ることがほとんどかなと思っていて、それが状態遷移モデルに変換しやすい理由なのかもしれないと思いました。他のモデルが状態遷移モデルに変換できるかは、もう少し調べないと、ですね。


図2 状態遷移モデル生成プロセス

ほほー、ユースケース間の遷移についても分析してモデルを作ってくれるんですね。確かに自然言語のユースケースがあるんだけどそれを何とか形式化できないもんか、と悩んでいる組織にとってはうってつけの論文かもしれないですね。


表2 実験結果

結果として、手作業と比較して、ユースケースの誤りを多く見つけることができた、となっています。この論文では満たすべき性質を6つに限定しているので、もし手作業の人が他の性質にも気づくことができた、とかはあったかもしれませんが、いずれにせよ効果はありそうですね。


Whittleらはシナリオ内の主要なステップに対し、事前・事後条件を状態変数用いて記述することで状態遷移モデルにシステムの状態を付加している
Nebuteらは本論文と同じようにユースケース記述の事前・事後条件からユースケース間の状態遷移を導出している

これらが自然言語処理を使わない前提の論文みたいですね。読むべきな気がしてきました。


シーケンス図とかアクティビティ図をモデル検査する手法、また、上記論文を読むこと、という次のアクションがわかったので、100点です。


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