品質特性の信頼性の解釈

ISO/IEC 25010では信頼性(Reliability)は以下のように定義されています。

>明示された時間帯で,明示された条件下に,システム,製品又は構成要素が明示された機能を実行する度合い。

時間帯というのがポイントで、求められる機能が継続的に提供されるか、という特性だと解釈できます。ハードウェアだとわかりやすくて、摩耗の話や初期不良の話が該当すると考えられます。

副特性としては、成熟性、可用性、障害許容性、回復性が定義されています。

障害許容性や回復性はわかりやすそうですね。それぞれ、

>ハードウェア又はソフトウェア障害にもかかわらず,システム,製品又は構成要素が意図したように運用操作できる度合い。

>中断時又は故障時に,製品又はシステムが直接的に影響を受けたデータを回復し,システムを希望する状態に復元することができる度合い。

です。何かあっても機能が損失しないこと、何かあったときにすぐに戻れたり元の状態に正確に戻れたりすること、ですね。

可用性は

>使用することを要求されたとき,システム,製品又は構成要素が運用操作可能及びアクセス可能な度合い。

こちらです。使いたいと思ったときに使える度合い、でしょうか。よくSLAなどで可用性99.99%などと言ったりすると思いますが、それが該当すると思います。機能が損失してもすぐに戻れると可用性が改善することになりそうです。

さて、鬼門の(僕が鬼門と思っている)成熟性です。

>通常の運用操作の下で,システム,製品又は構成要素が信頼性に対するニーズに合致している度合い。

です。まず通常の運用操作の下で、というのがトリッキーですね。しかも信頼性の定義なのに信頼性という言葉を説明に使ってしまっている。困ったもんです。普通に使っていて壊れないか、ということでしょうか。でもそれって可用性などとかなり重複する気がします。

こちらの資料では、例としてMTBFが挙げられていました。平均故障発生間隔ですね。やっぱり可用性とは相互に影響を与え合いそうです。


さらに、影響を与え合うという意味では機能適合性と信頼性の関連も強いように思います。もしかしたら、ソフトウェアの世界では信頼性と機能適合性が独立してないのでは、とすら思っています。ちょっとおいおい、深掘りしていきたいと思います。

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